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今のわたしをつくった人

普段私は、依頼があれば教育現場で講演活動をしたり、地域のイベントに参加したりなど、何かと人前に出ることもあるおかげで話すことへの抵抗感は今ではありません。

しかし、入学して間もない頃は特に周りに声をかけることすら苦手で、いつも相手からのリアクション待つような子どもでした。
消しゴムや鉛筆が床に落ちても、周りを見渡すだけで声をかけられず困っていました。

そんな私を変えてくれたのは、当時特別支援学級の担任の先生でした。
「待っていても、誰も助けてくれない、困っているのなら、自分から声をかけなさい」と私を見て言いました。

休み時間に入ると、先生はいつも後ろの方で見ているだけで、私が声をかけるまで助けてくれませんでした。そばにいて、私が明らかに困っているのに、なぜ助けてくれないのだろうと当時は思っていました。なかなか声をかけられず、号泣しながら自宅に帰った記憶もあります。それぐらい先生は、「待つ姿勢」を徹底していたのです。学校からの帰り、母が迎えに行くと大抵私は泣いていたそうです(笑)

その徹底ぶりで、周りの友達に「助けて」と言えるようになり、会話もできるようになっていきました。

私にとって、「先生は怖い」と言う印象しかありませんでしたが、その経験が今の私に生きているという実感しかありません。そして、いつでもまず先に私の話を聞き、意思を尊重してくれた人でもありました。必要なときには、きちんと配慮をしながら付かず離れずという距離感でいてくれました。

母はこんなことも教えてくれました。

宿泊体験があり、母は先生に「私がついていったほうがいいか」と尋ねたそうです。
先生はそれに対し「そんな心配しなくてもこちらで何とかなる」と言いきったそうなんです。母にも思ったことはきちんと伝える先生。

子どもでも大人でも、対等に接してくれていたとたと思います。

間違いなくこの先生は、今の私の土台を作った方です。

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