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テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく

手術も終わり少しずつ回復


手術の体験は貴重なものだった。3年前の虫垂炎の手術は初めてで驚きばかりだったが、今回は冷静に受け詰めることができた。逆に冷静すぎて考える時間があったため、万が一のことまで頭がいってしまった。
まだ頭がボーっとしている。これは薬のせいではなく、食事がまだまともに取れてないことや、内臓を縫ったため、微熱が出ていること、同じ姿勢で頭痛がしていることなどが原因。
だから手術前後のことは頭がクリアになったら思い出しながら記載しようと思う。

Apple TVを見ている

以前からApple TVを見ている。実はNetflix韓国ドラマ中毒になったり、prime videoで日本映画を見たりしていたが、突然アメリカのドラマや映画にハマりたくもなる。色々見たがサッカーの仕事をやっていることもあり、3シーズン目に突入した表題のドラマは「ある、ある」と共感しながら見ている。
先ほど点滴も取れて少し余裕が出てきたのでベッドでiPad置いてドラマを見始めた。昨日まで頭痛がひどくてそんな気にならなかったのだが。普段ドラマのことは書かないけど(映画はfilmarksで書いているが)あまりに印象的だったのでつい書いてしまいます。


ひまわり が今回

AFCリッチモンド


イングランド(多分ロンドン)の仮想チーム「AFCリッチモンド」の監督テッド。実は彼はアメフトの監督経験しかない。理由があってチームを降格させて解散させるつもりでオーナーが雇った。しかしテッドは破天荒に知らないサッカーを監督して降格を免れる。
選手に裏切られたり、右腕のコーチをウェストハム(他のチームはどういうわけか実名が出る)に引き抜かれたり。実はマンCのオーナーはAFCリッチモンドの女性オーナーの元夫で…と背景が面白い。
しかし今シーズンはなかなか勝てない。連敗記録を更新。せっかく獲得した世界的なスタープレイヤーが突然引退して来なくなる。
そんな中、アムステルダムでアヤックスと親善試合をやって4−0で大敗。

アムステルダムの夜

テッド監督はやることなすこと全て裏目。破天荒コーチは帰りのバスの中で選手にこう言った。「今日はフリー。明日の出発まで何しててもいい。犯罪だけはするな。では解散。」バスの中は大騒ぎ。
でもエースストライカーはテクニカルコーチに「俺たちは走るぞ」とその場から連れ出される。
彼らはアムステルダムの観光地をずっと走る。ちょっと遠いけど風車を見ようと選手が自転車を調達するが、実は往年のスタープレイヤーのコーチは自転車に乗れない。そこで選手に自転車の乗り方を夜のアムステルダムで教わって…

ドラマでは6つの別々に行動したそれぞれの夜を描いているのだけどこれが全てストーリーとして素敵だ。

アムスの運河


女性オーナーは誰も付き合ってくれず、橋の上でロンドンの友人に電話をしていたら(実は自転車専用道路らしく)自転車にぶつかられて運河に転落。
近くの船での生活者の男性が助けれくれるのだけど、この船の中が優しい光に囲まれた素敵な空間。彼女はそこでその男性とワインを飲みながら語り合うのだけど、あまりに心地よくて朝まで眠ってしまう。でもこの夢のような夜で彼女はストレスが吹っ切れる。

お腹が痛いと別行動をした選手。ゲイバーに行ってビールを頼む。そこに現れたのがチーム帯同の記者。選手は「違うんだ」と弁明するが、記者は「実は俺も同じなんだ」、と語り始める。二人はバーで、運河のそばで飲みながら人に言えないお互いの気持ちを話し合ってスッキリとする。(この話だ今後どう動くはかわからない。選手はまだ秘密にしているから)

チームのマネージャーはおじさんだけどジャズが好き。若いスタッフを連れてチェットベイカーがなくなった場所に行く。窓から転落死したのだ。
そして若者を連れて初体験させてやる!と言いながらジャズバーに行く。マネージャーのおじさんは以前の回にも出ているけど趣味はベースの演奏。
あまりにノリノリなのでスタッフから弾いてみる?と聞かれてステージで演奏。素敵な夜になった。


チェットベイカーはトランペッター

選手たちは「みんなで行動するのがチームワークだ」とホテルのロビーで話し合うが一向に同じ考えにまとまらない。そのうち激論になってチームはバラバラに。ストリップに行こうとか、いとこがパーティをしているので行こう、とか映画をしっぽり見ようとか、とにかく何も決まらない。
そして(多分)メキシコ人の選手が紙に書いてキャプテンにそーっと渡す。キャプテンはそれを見てニンマリ。ホテルのロビーで枕投げが始まった。

最後に監督。ホテルに一人取り残され、アメリカ人としてアメリカのハンバーガーの店が懐かしく一人で訪れる。
彼はポテトやらオニオンリングやらをつまみながら目の前のディスプレイは往年のバスケットの試合をやっている。そのうち彼は昔お父さんとこのゲームを見ていたことを思い出す。そしてゾーンに入るのだ。
閉店までソースやケチャプの容器をテーブルに置きながらカブスでマイケルジョーダンたちがやっていたトライアングルオフェンスをサッカーに応用できないか徹夜で考える。

そして翌朝、バスの中で監督はこのトライアングルオフェンスを発展させて戦術をコーチに説明する。トライアングルを保ちながら全員で走るんだ。ポジションなんで気にせずに走るんだ。ここでサッカー関係者はピンとくると思うけど..コーチは「それ自分で考えたのか?(監督はアメフトの監督なのでサッカーをあまり知らないという設定)と聞く。監督はそうだ!と胸を張る。
するとコーチーは「それはトータルフットボールだ。この地で以前使われていた」。監督が「我々が使う価値はあるのか」と聞くと「ある」と答える。
ドラマはここで終わる。次はこれで快進撃をするのかどうか?

このドラマ、サッカーど素人の監督がイギリス人には通じないアメリカンジョーク連発。ドラマはロンドンを場所にしているのでイギリス的ジョークとウィットに富んだ(たまにぶっ飛んだ)クスリと笑える内容。

サッカーそのものに深く触れるわけではないが、トップクラブ経営者の苦悩とか、選手が抱える問題とか、様々触れていて、そうだよなー、大きいクラブには小さいクラブにはない課題も山積みなんだなーとか思いながら楽しんでいる。

アメリカではマイナーなサッカーというスポーツを、ロンドンという場所の設定で思い切ったイギリスジョークを交えながら描いたこの作品の面白さをアメリカ人は楽しんでいるのだと思う。そしてたまに今回みたいな情緒的な、サッカーとをは全く関係ないストーリを挟み込んでくる。そこが素敵だ。


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