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亡骸と出会ったはなし

亡骸と出会った

職場での出来事、
窓の外に鳥が横たわっているのを見つけた同僚から私に「鳥ようさわらん」とヘルプが。

鳥を触るの平気そうだからとの理由、私も抵抗なく「いいよ」と鳥を拾うことにした。

手袋をはめてベランダの外に出ると小さなモスグリーン色の鳥が横たわっており、おそらく窓に追突してお亡くなりになった様子。

メジロかな。かわいそうに。

手でそっとすくってこのあと、埋めるものとおもっていたらビニール袋の口を開けて同僚が待っていた。

スマホの画面を私に見せて、
「この辺り埋めるところないから。「可燃ゴミ」って書いてある。」

「ゴミ扱いしたくない」

「でも埋めるところないよ」

可燃ゴミになってるなんて知らなかった。



袋に入れると同僚が袋の口を閉めた。
その行為が無慈悲に見えた。
鳥の亡骸がビニール袋の作り出す異質な空間に行ってしまったかのように思えた。

ほかの同僚が集まり見守っていたのだが、なんだか亡骸を晒しているようで胸がつまり、柔らかそうな大きめのペーパーナプキンで袋を包んだ。
そして、ゴミ箱に入れた。


「ああ」


仕事を上がり車にのったら涙が落ちてきた。

あの小さくて軽いふわふわの子。
亡骸でもかわいかったの。
もう少し、手のなかで愛でてあげたらよかった。

帰宅後、車にスコップを積んでおいた。
同じ想いはもうごめんだ。
亡骸は地球に還してあげる。

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