「ママ友グループLINE」でミュートを選択した理由

鳴り止まないLINEの通知音に一瞬、頭がおかしくなるかと思いました。

それは、子どもの歯磨きの仕上げをしているときのことでした。「あとで見ればいいっか」と放置したい気持ちと、「うるさいから早く見なきゃ」と焦る気持ち。でも、仕上げ磨きで手はふさがっているし……。

あまりにも続く通知音に私よりも先に痺れを切らしたのは夫でした。夫は普段、私のスマホに触れようとは一切しない人です。そんな夫が私のスマホを静かに手に取って何も言わずにマナモードにしました。

子どもが幼稚園、保育園に通園するようになると、多くの人がママ友のLINEグループに招待されるのではないでしょうか。LINEグループといっても、仲良しだからという理由で招待されるものばかりではありません。ママ友のLINEグループは事務的な連絡網としての役割も担っています。「入らない」という選択ができないことも多いのです。

連絡網として利用するLINE、その内容が本当に事務的な連絡に終始してくれたらどんなにいいか。事務的な連絡しかしないはずのグループLINEで、話が逸れだしたら地獄です。その場にいた人しかわからないことや、身内でしかわからない内容について、輪の外にいる私が返したい言葉なんてひとつもないんですから。

まれにグループ作成者が「夜21時以降の投稿は禁止」「了解などの相づちは要らない」とルールを作成してくれたりもしますが、そのルールが最後まで守られているグループLINEにいままで出会ったことがありません。

夫がマナモードにしてくれたあの日から、私は6人以上のグループLINEや、あまり好意的でない人たちのLINEはミュートにしています。通知音が聞こえなくなるだけで精神的にこんなに楽になれるなんて。とはいえ、溜まった未読の通知を目にしたり、それを遡って内容を追いかけるのは苦行なのですが……。

もちろん、ママ友に救われることもあります。人として尊敬できる方もいます。合う人もいれば合わない人もいる。色んな人がいるのです。「ママ友」と十把一絡げにするべきではないのに。そんな当たり前のことが「子どもが友達」という前提では通用しないのです。仲良く、和を乱さないように、目立たないように。

そして今日も私はミュートにしたグループLINEに気づかず、ひとり遅れて当たり障りのない言葉で返信をするのです。平穏な毎日を願って。


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