マガジンのカバー画像

L-tra.|障害予防→パフォーマンスアップ情報配信

151
スポーツ指導者のためのトレーニングマガジン!野球・サッカー・バスケの現場で活躍するトレーナー(理学療法士・柔道整復師)が、各競技に特化した「怪我予防のためのストレッチやトレーニン… もっと読む
運営しているクリエイター

#肘関節

投球障害予防のための肘関節

投球障害予防シリーズ最終章! 最後となる今回のテーマは「肘関節」について! 野球選手の中には、 肘の痛み(野球肘)を経験したという選手が少なくないと思います。 今回は、そんな数多く発生している野球肘の 予防に必要なセルフチェックおよびエクササイズを紹介していきます。 ■野球肘とは|野球肘 投球動作の繰り返しのストレスによって 引き起こされる肘関節の障害   野球肘はストレスがかかる場所によって 痛みの場所が分けられます。 これには大きく3タイプに分けられます。 ①

野球肘になりやすい選手の特徴

今年もあとわずかですね! 2019年のマガジンの投稿も私はこの記事が最後です! これまで全12回にわたり、さまざまな視点で野球肘をテーマにした記事を書いてきました。 今回はまとめ+αとして、野球肘になりやすいカラダについて書いていきます。 どのような選手をみると、ケガをしやすいと思いますか? 「からだの硬い」選手 「動きのぎこちない」選手 「走りの遅い」選手 など、現場でさまざまであるかと思います。 ただ、これらがどのようにケガと結び付いているかを理解できること

ジュニア期の投球動作指導‐投球ドリル‐

毎年開催されるNPB12球団ジュニアトーナメントが 今年も12月27日~29日までの3日間・札幌ドームで開催されます。 この大会に出場したジュニア選手が 数年後プロ野球のフィールドに立つケースが多くみられています。 北海道日本ハム・近藤健介選手 阪神タイガース・高山俊選手 西武ライオンズ・森友哉選手 東北楽天・松井裕樹選手 読売ジャイアンツ・田口麗斗選手 横浜DeNA・砂田毅樹選手 東北楽天・オコエ瑠偉選手 東北楽天・藤平尚真選手 など現在プロ野球で活躍する多くの選手を

投球フォームの問題をみつける

‐投球動作の指導はしていますか?‐ 投球フォームはただ投げるだけでなく、パワーやスピードが必要となり、常に安定した力を発揮するためには、フォームの再現性も求められます。そのため、特にピッチングではフォームを作ることが重要視されます。 野球肘と診断された選手のリハビリを私が担当するときに必ず問診をします。 Q.「投球フォームの中でどういう動作が痛みますか」 ほとんどの選手が <胸を張ったとき> <ボールが離れるとき(リリース)>と答えます。 これは、投球動作の研究にお

投げるための肩甲骨

今回は、投球動作における「肩甲骨」の役割とそのトレーニングについてお話ししたいと思います。 まず、簡単に「肩甲骨」の動きと役割から確認していきます。 人体模型をイメージしてみましょう。 肩甲骨は腕と鎖骨・肋骨とつながっていますが、 実は「肩甲骨」は浮いています。 そのため、まわりの筋肉や靭帯によってその位置を保っています。 肩甲骨の働きは上肢と体幹のつなぎ役となり、 力を伝えるために重要な仕事をします。 肩甲骨の動きは、上下・横方向・回旋方向の動きを行います。

投げるための「胸郭」

今回は、肩や肘の土台となる「胸郭」についてお話ししたいと思います。 「胸郭」というワードを耳にしたことのある方は多いと思いますが、どの部分を胸郭というのかわかりますか? 胸回り・・・ 肋骨・・・ 体幹・・・ 胸郭のトレーニングをしたい!という声は選手からも聞きますが、 実際に聞くと、その場所や動きは意外とあいまいな答えが返ってくることが多いです。 はじめに 胸郭について簡単に説明したいと思います。 胸郭とは 胸をかたちづくる骨格をいいます。 例えば腕を振る動作を

強いヒジをつくるための「肩」

前回、「強いヒジのつくりかた」について ヒジの内容を中心にお話させていただきました。 強いヒジをつくるためには 「柔軟性」-「筋力」-「協調性」がバランスよく働くことが大切であり、それぞれのチェックポイントとトレーニングについてお伝えしました。 投球動作は全身で動く動作です。 投球動作の定義 運動連鎖に基づく全身運動であり、 地面からの反力を下肢・体幹から上肢 そしてボールに伝える運動である 野球肘は全身運動の中で、肘に負担が過剰にかかってしまうことによって起こりま

野球肘を予防する!強いヒジのつくりかた

先週、高校野球では高野連(高校野球連盟)より <投球数制限>の問題に動きがありました。 これまで投球数過多に対する対応として ルールを決めることに賛否があり、平行線状態でしたが、 少しずつ変わり始める動きとなるのでしょうか。 こういったシステムが検討されたのは、 投げすぎによって、有能な選手が故障をし、 選手生命に関わる大きなケガが後を絶たないことなどが 背景としてあります。 言い換えれば、 連投・投げすぎ=肘がこわれる オーバーユースによる問題です。 オーバーユ

「ボールの握り」と野球肘

先週まで行われておりました U-18W杯・サムライジャパンの戦い、世界レベルの高校生の野球は攻守ともにレベルの高いプレーが多くみられました。 ピッチャーでは夏の甲子園を沸かせた 石川県・星稜高校の奥川選手のカナダ戦から奪った三振が 注目されましたね。 ご覧になっていた方も多いのではないかと思います。 彼の武器は150km/hを超えるストレートと大きく縦に曲がるスライダー また近年、日本のプロ野球でも 「ボールの回転数」が注目されています。 テレビ中継でも回転数を表示

「カラダの成長」と野球肘

9月に入り、学生野球では上級生が引退し、新チームの新人戦をむかえるところも多いのではないでしょうか。 新チームの強化期間となる7.8月の約1か月の夏休み期間 強化に向け、多くの練習をしていたチームも多いと思います。 しかし、 練習時間の増加に比例するように起こるケガ この夏休み期間、同じ練習をしていても 「なぜ、うちの子だけこのケガになるのか」 と嘆く保護者の方とお話することもありました。 そこで今回は子供のカラダの成長についてnoteでまとめたいと思います。

野球肘の「現場対応」

連日、高校野球・甲子園の話題で賑わっており、 昨日でベスト4が決定しました。 毎試合とも魅力的な試合ばかりです。 各チームともそれぞれカラーがありますが、 試合を作れる投手が豊富にいるチームは やはり強い印象がありますね! 今回は、 野球肘の現場対応についてお話したいと思います。 現場対応といっても痛みがあれば、 基本的には「投球を避ける」ことが最善の対応 になります。 ただ、痛みが出てからだけでなく、 「痛みが出る前の対応」 が選手を守る上でとても大切な役割と

「投球制限」と野球肘

今日、夏の甲子園の話題で盛りあがっていますが、 高校野球で投手の投球数制限の問題も連日議論されています。 大会による一発勝負の試合の中、 勝つために同じ選手が連投し続けることで、 一選手の負担を増やしてしまい、 故障を抱え野球選手としての選手生命に 影響するケースも珍しくありません。 私が医療機関やスポーツ現場で 選手や指導者・保護者の方より受ける質問として、 「どのくらい投げると投げすぎなのか?」 「投げなければ痛みはでないのか?」 とよく問われます。 明確な答え

「野球肘」について知ろう!

はじめまして! 千葉県松戸市の整形外科クリニックで理学療法士 プロ野球選手のパーソナルトレーニング 県内高校野球部のトレーナー活動をしている 佐藤康と申します。 私がこれまでに医療機関や現場で活動する中で、 「もう少し早く選手がケガに気づくことはできなかったのだろうか」 「もっと早く対応できればここまで悪化しなかったはずではないだろうか」 など、 選手自身のケガに対する認識の低さと 同時に自分の指導力のなさを感じていました。 選手自身もしくは指導者に正しい知識があれば