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雨隠ギド「甘々と稲妻」/鈴木望「青に、ふれる。」〜いずれも完結巻まで読了

月が替わったら読書メーターのまとめとともに、印象に残った作品について書いていく。

2024年2月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1651ページ
ナイス数:42ナイス
https://bookmeter.com/users/959347/summary/monthly/2024/2


ゆっくり読み進めていた雨隠ギド「甘々と稲妻」全12巻、やっと完結まで読み終わりました。ラスト2巻はすごく良かった。涙がこぼれた。
いや、これまでも良いシーンたくさんあったけど、うん、ラストはほんとに良かったと思う。
妻に先立たれた高校教師の犬塚先生と、その娘のつむぎちゃん。そしてひょんなことから交流が始まった女子生徒の小鳥ちゃんは母親が料理研究家でテレビ出演などで忙しく、父親はいない。
読み始めた時には、妻に先立たれた高校教師と女子高生ってヤバない?と思ったけど、清々しい作品でした。
どの視点で読むかによって感じ方も変わると思いますが、やはり僕はつむぎちゃんのことは父親目線で見てしまうな。読んでいて自分の息子が小さかった頃のことを思い出したりもする。幼稚園生や小学生の頃は、急な成長にびっくりさせられることがある。意外に的を射たことを言うこともある。そんな懐かしい感覚がフッとよみがえる。
最終巻の番外編ではつむぎちゃんが中学生、高校生になった時のところまで描いてくれてて嬉しかった。全巻まとめて大人買いしたのだけれど、結局読むのに何ヵ月もかけてしまった。でもかえって彼女らの何年間もの成長を見守ることができたような気がして感慨だった。
あと、この作品を読み進めていく中であらためて感じたのは、美味しいお料理というのは人の心をほぐすのにとても役立つアイテムだということ。はじめましての人と打ち解けたり、けんかしちゃった友達や家族と仲直りしたり、そういうのを手助けしてくれる。美味しいお店に食べに行くのも良いけど、自分の手料理で相手が笑顔になってくれたらそりゃ嬉しいものです。

各話の最後には出てきたお料理のレシピも載せてくれてる



鈴木望「青に、ふれる。」も完結巻の7巻を読み終えました。顔に太田母斑(あざ)がある女子生徒と、相貌失認(人の顔が判別ができない)の新任男性教師のお話。とても興味深い作品でした。
顔にあざがあることで気を遣われ、あるいは気を遣い、あえて明るく前向きに、こういう自分にならなければと、どんどん自分が自分じゃなくなっていく辛さ。この作品には美人すぎる女性教師も出てきて、こちらも見た目から自分を作らなければならない辛さが吐露されてる。見た目が人と違う彼女たちの辛い気持ちを聞く貴重な体験になった。
そんな彼女たちと接することになる相貌失認の男性教師は、“見た目”という価値観を持ち合わせていない。彼等がお互いの出会いをきっかけに、素直な気持ちを打ち明け、自身の生き方を見つけていく。そして周りの人たちも良い影響を受けているのがこの作品の尊いところ。
僕自身、相貌失認という脳の障害を初めて知りました。人相の識別ができない。他の人にはわかることがわからずできることができない。これが生まれつきだとしたら、この子は頭が悪いんじゃないか、努力が足りないんじゃないかと勘違いされて、相当に辛いと思う。無知が引き起こす無理解、差別偏見の怖さを再認識いたしました。



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