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個人事業の開業にあたり

この記事は、プロフィール以外では初めての投稿になるので、私自身のために書き、投稿させていただきます。
真っ赤な海に飛び込んだ自分が、いつでも初心にかえれるように。


Saito Lab代表のサイトーと申します。
「経営コンサルタント」業で個人事業の届出をし、主に事業変革、事業創出、ビジネスアナリシスの領域で活動しています。

私の正体(本業)は、某メーカー系グループ企業のITソリューション事業会社に勤めるIT技術者です。
冒頭に記した内容が目的ではありますが、「(まずは副業からでも)起業して自分が目指す道に進みたい」、「自立して自分らしい生き方をしたい」と考えている方や、「そうは言っても個人事業主ってどうなんだろ…」と、踏み出せずに想いを留められいる方の参考になれたら幸いです。

シグマと出会う

今(=2023年)から遡ること8年ほど前のとある日。
所属組織上長から声掛けが。
「経営イノベーション関連の長期研修が指名受講生募ってるんだけど、受けてみる?てか、ぜひ受けてほしい。ね、受けて!よろしく!」
心中「あなたがアサインした仕事で忙しいのにマジかよ!?」と思いながらも、いつかは受講したいと考えていた研修プログラムだったので、「大変そうだけど業務と両立するぞ!」と覚悟を決めて、研修エントリをお受けしました。(結果、即受講決定)

研修受講生は、全国(全世界?)津々浦々のグループ各社から指名されて集まった社員数十名。
職種も職位も入社年度も年齢もバラバラな「同期生」各人は、日々従事する業務を実践題材=シグマプロジェクトとして持ち込んできています。

この研修では「シックスシグマ」のDMAICフェーズ進行を適用して、企業経営理論と、事業変革・事業創出などイノベーションに関する様々な方法論を学んでいきます。
座学で知識と技術を叩き込まれ、直後のグループワークで学びたてホヤホヤの知識とスキルを駆使して、持ち込みプロジェクトの改善方針や事業創造プランへ落とし込みます。

座学 → ワークと討論 → 講師と壁打ち
このサイクルを回し続ける体験を重ねていきました。

シグマ進行フェーズ間の研修インターバルは2週間設けられましたが、研修生が最も大変なのは、この期間です。
次フェーズの研修までに、自分たちが「やる」と決めた計画を業務にアサインして実践しなければなりません。(嫌または無理なら研修中退^^;)
教室で決めたことと実際の現場でやることには多少のギャップがあるので、現場のメンバーと最終プランに練り上げてから、漸く実践することができます。
シックスシグマはデータドリブン型進行が基本ですが、最終プランにするために必要なデータの収集・分析、実践前の仮説検証にかなりの苦労を強いられました。
いや、なかなかの研修強度です。(気付けば次フェーズ研修3日後やわ…)

変革/創造の「学び」と「実践」完全同期生活を延べ1年半送りました。
その見返りに、シグマは私たちに様々な「気付き」を与えてくれました。
(この気付きこそが変革を推し進める源泉になります)
それまで生半可に記憶していた経営手法や管理手法が誤解だった、あるいは認識不足だった(ぬるかった)と気付く事も多く、まさに「目からウロコ」の連続でした。

シックスシグマ 
ネットや書籍で検索すれば、すぐに情報を入手することができますし、今後少なからずシグマアプローチ含んだ記事を投稿すると思いますので詳細説明は省略します。
経営手法/変革手法としては、もはや新しいものとは言えません。
可視化したモトローラ社、実践しシグマの名を広げたGE社ともに衰退し、神格的な位置付けではなくなった感もあります。それでもやはり、現代企業に根付いている(あるいはシグマという意識無くしてシグマを実践している)、基本的で魅力的な経営手法であると私の目には映っています。

小さな越境で広がった「繋がり」

そんな強度強めの日々を1年半も過ごしたため、「同期生」たちとは何か特別なもので繋がっているような間柄になっていました。
もちろん、講師の方とも。(もはや人生の師かも?w)
もしかしたら、実際の所属組織の同僚たちよりも頼れる存在、頼るべき存在かも知れません。
様々な職種・バックグラウンドを持つ同期生たちが、自分の「プロジェクト」を持ち込み共有し、お互いの未経験業務の理解を試みながら討論していたので、トレーニングルーム(教室)は小さな越境先の様相でした。

外の世界を見ること、実際に出てみることの大切さを体感していたのだと思います。
(同期生全員、怖いくらい本気でした)

漸く描けたキャリアパス

研修開始当時、すでに職制に就いていたものの、小難しくて堅苦しいイメージだった「経営」と言うものが、気付けばグッと身近なコトとして捉えられるようになっていました。
小さな越境体験を経て、私の社会人としての人生観は変わっていました。

自分の職場だけではなく、部門の壁を超えてここで経験したことを広められたら、皆が変革行動を起こしやすくなるのではないか。
健全で活気ある組織文化形成に寄与できるのではないか。

師の志を引き継ぎ、また誰かに引き継ぎたい。
師(講師)には遠く及ばなくとも、ゼロからそこに向かって行動したい。

それが漸く明確に描けた私のキャリアプランでした。
大小で語ってはいけませんが、これが四十路の終り間近に迫る私が抱く小さな「夢」なのかも知れません。照。

しかしキャリアパス消える

入社以来、ITソリューション開発の現場一筋20余年。
キャリアプランの舵を大きく切ることを決意してからは、IT関連のスキル研鑽よりも、シグマ経営やビジネスの理論・方法論を学び、修得することを優先させました。(あ、ITもちゃんとやってます!!)

しかしながら、それなりの規模感のあるグループ企業。
時代、世情、動向を読み(時には読みきれずに影響を受け)ながら、多角化や最適化(縮小)の再編を実行しながら生き残りと成長の戦略を実行していくものです。

数年前、師が所属していた部署は廃止となりました。
師はそのタイミングと同じくして会社生活を全うし、めでたく定年退職されました。(雇用延長は選択されませんでした)
同期や私に様々な教えを注入し、気付きを与えてくれた先の研修プログラムも、素晴らしいコンテンツと共にその役割を終えることになりました。

同期生たちもショックを受けていましたが、その後も研修生同士の繋がりは続いています。師の意志も脈々と現場に受け継がれているようです。
その営みが末長く続くことを願っています。

ならば、大きな越境だ!

行き先を失ったことに多少の衝撃は受けましたが、自分の想い・決意を消しはしませんでした。
 いつか復活させる
 組織発足ができないなら せめて自部門だけでもやる
 自部門で活動できないなら せめてプロジェクトだけでもやる
 プロジェクトが無理なら せめて一緒に仕事してる同僚だけでも巻き込む

色々と策を考えましたが、私の目標・希望はあくまで部門を超えること。
しかしながら組織の構造や配置を変えるのは、労力や熱意だけの問題ではありませんし、私はライン組織の職制で、お客様対応最優先が染み付いています。
「圧倒的に時間がない」
年齢的なこともあって、少し焦りはありました。

そんな中、2018年に働き方改革関連法が成立し、2019年に施行されました。会社もすぐにこの流れに対応し、副業が認められました。

働き方改革関連法に副業に関する条項はありませんが、2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表し、同じタイミングで「モデル就業規則」から副業禁止規則が削除されました。

おっ!
副業ならターゲットを広く「世の中」とし、社外でやりたいようにやれる。
ならば大きく越境だ!

というわけで個人事業開業

キャリアパスを描いたり失ったり、何かと揺れ動いた数年でしたが、2022年7月に「Saito Lab」という屋号で、個人事業の開業届出書を税務署に提出しました。

とにかく「始めて良かった。」と思っています。
何せ、自分で期日設定することはあっても、外圧で時間に追われることはなくなりますからねw
右も左も分かりませんが、楽しみながら、噛み締めながら活動しています。

後悔のようなものも少し感じています。
一念発起で転職や独立起業することも考えていた自分が、副業が認められた時にいったい何に躊躇したのか。
会社が副業を認めた瞬間に行動を起こせば良かったのに、うにうに考え、悩み、思いを募らせるだけの時間を数年間も過ごしてしまいました。


本投稿の終わりに

人それぞれの生き方がありますし、独立だけが最適な選択ではありません。
企業人として会社や社会に貢献し、様々なステークホルダと関わり、色々な世界を見ながら仕事をすることができるでしょう。
そもそも正解などないことなので、「これだ!」という仕事(生き方というべきか)を見つけたら、シンプルにそれに向かって行動を起こし、歩んでいくことが大事なのかなと思います。

事業主の形態を問わず、皆さま(私も含む)が生き生きと価値創造し、明るく元気な世の中になっていくことを願っています。

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