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絶望となかよく…【少女終末旅行】

久しぶりにアニメを見て
不思議な感じになりました。
こんにちはNです。

今回紹介するのは『少女終末旅行』です。

『少女終末旅行』と一見すると終末旅行?となってしまうこの作品。
どんなものかと見てみると「深いな…」と思うシーンが多くあり驚きました。

ストーリーは、
文明も崩壊して長い年月がたち、
生物もほとんど絶滅し、荒廃した世界。
残ってあるのは廃墟と化した巨大な階層都市。
そんな世界でふたりぼっちになったチトとユーリは
愛車のケッテンクラートに乗って、あてのなく彷徨う。
全てが滅んだ世界を少女が旅する終末ファンタジーとなっています。

一瞬、終末の世界を旅すると言うものでも少女が旅するなら明るいのかなと思うかもしれませんがそんなことはなくしっかりシリアスでしたw

文明が滅び、終末に向かう世界を生きる2人は知らない。

なんで戦争が起こるんだろう。

どうして立派な石像の神様を作る意味ってなんだろう。

生命ってなんだろう…

素朴な疑問ではありますが考えさせられます。

それらの中で
私が印象に残った話を紹介します。
それは第9話の「技術」「水槽」「生命」です。

序盤から「生きてるってどういうことだろう。」
「生命体ってなんだろう」という哲学的問いから始まります。
それまで墓や寺院を見てきたチトは考えます。
そんなとき巨大な建設ロボに遭遇します。
1匹の魚を見つけます。
それは一台の自立機械が管理していました。
2人は自立機に施設の案内をしてもらい、
水槽ではしゃいだり、洗濯したり
自立機に過去の様子を教えてもらうなどして
過ごし、眠りにつく2人だが、
建設ロボが施設の解体を開始。
2人は魚を守るために巨大な建設ロボを破壊することを決意。
管理ロボの協力もあり、建設ロボの破壊に成功。
一連のことからチトは、

「人も機械も魚も都市も生きていて、それもいつか終わりが来るんだ」


と呟く。

「生命って終わりがあるってことなんじゃないかな?」

というユーリの言葉に頷く。

序盤に出した
『生命とはなんだ』という問いに
自分たちなりの答えを出した2人。

そしてその後に

「進化というものには限界があるのかもしれない」

と管理ロボが言い、

「破壊の先の想像がなければただ終わるだけ」

とチトは言います。

機械には人間とコミュニケーションが取れるように共感という能力が備わっている。
共感できるということは生命体なのではないかと
途中で考えさせたり、
破壊があるから進化する。
しかし破壊の先に創造がなければ進化することなくただ終わるだけ。
と言ったように生命とはなんだという問いに
辿り着くまでに「共感」と「進化」にも触れられ
より考えさせられました。


その後も2人は旅を続けているとラジオからある歌が聞こえてきます。
聞こえてくる歌の発信源へと進むと
謎の生命体に出会います。
音波を言語として解読することができると
話すそれらは、
自らを熱的に不安定な物質を取り込み分解し静的状態にすることを目的とする存在と語ります。
全ての兵器を取り込む作業が終わった時
地球は営みを終え長い眠りにつき、
都市やがて停止していくと語ります。

それはつまり地球が終わるということ。

そんなことを告げられた2人だが、

「ねえ、ちーちゃん。地球終わるんだって」

とユーリがいい
それに対し

「うん。でも、世界が終ろうとどうでもいい事だろ。私とユーが居れば、それでいい」

と返すチト。

地球が終わり先の未来が絶望的であると知らされてもこんな反応なのは全てが滅んだ終末を旅する2人だからかもしれません。


その後にユーリは、

「この歌声、あいつらのモノだったんだね。きっと絶望と仲良くなったんだよ。だから悲しげなんだ。終わりの歌だから」

と言います。
これもこの作品のキャッチコピーにもある

『絶望となかよく』

に繋がります。

このセリフも刺さりました…


視聴する前は、終末の世界を彷徨う中で微かな希望を見つけるのかなと思っていましたがそんなことはなく、いつかは地球は滅ぶということをはっきり
言及することに驚きました。
世界観的にそれは感じていましたが、
まさか主人公たちが直接言われるのは驚きました。
ただそれを聞いてもあまり動じない2人を見ると
終末の世界をあてもなく彷徨う2人も
どこかそれをわかっているんだなとも感じました。

この作品はBGMもどこか寂しげな感じがしました。
終わってみるとどこか不思議な感じがしましたが
なんとも言えない良さがあり、
間違いなく良作でした!

皆さんもぜひ見てみてください❗️

(私は原作を買おうと決めましたw)


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