減災研究室LaboFB・永山政広

はじめまして。 防災・減災研究の成果を市民生活にフィードバックすることを目的に活動して…

減災研究室LaboFB・永山政広

はじめまして。 防災・減災研究の成果を市民生活にフィードバックすることを目的に活動しています。 消防士として30年間にわたり災害活動する傍ら、原因調査や防災の普及啓発などを研究してきました。 いざというときに役立つ情報を発信していきたいと思っています。 どうぞよろしく。

マガジン

  • マンション火災‼ 命を守る4つのAction

    地震、台風、火山噴火……自然災害対策は重要ですが、 身近なところにある火災対策も忘れるわけにはいきません。 毎年1500人前後の人命が失われ、1千億円以上の損害を被っているのですから。 災害に強いと言われるマンションですが、室内に目を向けてみてください。 戸建て住宅と何ら変わらない光景が広がっていませんか。 もし出火すると、どうなるのでしょうか……。 実践的なマンション向け火災対策を「4つのAction」にまとめてみました。 Action-1 火災で起きることを想像してみる Action-2 マンションの防火機能を理解する Action-3 火災時の行動を考える Action-4 備える そして スキルアップ・チェックアップ・ビルドアップ さあ、ご一緒に考えながら、災害に強いマンションづくりを進めましょう!

最近の記事

【マンション防災】世界がもし100人の村だったら

『世界がもし100人の村だったら』 これは、20年以上前にベストセラーとなった本のタイトルです。 世界中にいる63億人の人を、100人の村に縮めて考えると、今まで見えていなかった様々なものが見えてくるという内容です。 52人が女性で、48人が男性で――ということから始まり、 75人は食べ物の蓄えがあり雨露をしのぐことができるが、25人はそうではない――と、次第に深く掘り下げていくのです。 私は、この本を読んだとき、今まで他人事だった社会問題が、ぐっと身近になったような気がし

    • 【マンション火災‼ 命を守る4つのAction】Action-4 備える そして スキルアップ・チェックアップ・ビルドアップ

      はじめに1995年 阪神・淡路大震災 2011年 東日本大震災 2016年 熊本地震 そして2024年 能登半島地震――。 何年かおきに繰り返される自然災害は、幸福な日常を、非日常の深い闇へと突き落としてしまいます。 一方で、火災は、毎日のように日本のどこかで繰り返されている、ありふれた出来事かもしれません。 しかし、その日常の災害により、毎年1500人前後の人命が失われ、1千億円以上の損害を被っているという事実に目を背けるわけにはいきません。 そしてマンション―― 災害に

      有料
      250〜
      割引あり
      • 【マンション火災‼ 命を守る4つのAction】Action-3 火災時の行動を考える

        はじめに1995年 阪神・淡路大震災 2011年 東日本大震災 2016年 熊本地震 そして2024年 能登半島地震――。 何年かおきに繰り返される自然災害は、幸福な日常を、非日常の深い闇へと突き落としてしまいます。 一方で、火災は、毎日のように日本のどこかで繰り返されている、ありふれた出来事かもしれません。 しかし、その日常の災害により、毎年1500人前後の人命が失われ、1千億円以上の損害を被っているという事実に目を背けるわけにはいきません。 そしてマンション―― 災害に

        有料
        250〜
        割引あり
        • 【マンション火災‼ 命を守る4つのAction】Action-2 マンションの防火機能を理解する

          はじめに1995年 阪神・淡路大震災 2011年 東日本大震災 2016年 熊本地震 そして2024年 能登半島地震――。 何年かおきに繰り返される自然災害は、幸福な日常を、非日常の深い闇へと突き落としてしまいます。 一方で、火災は、毎日のように日本のどこかで繰り返されている、ありふれた出来事かもしれません。 しかし、その日常の災害により、毎年1500人前後の人命が失われ、1千億円以上の損害を被っているという事実に目を背けるわけにはいきません。 そしてマンション―― 災害に

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        【マンション防災】世界がもし100人の村だったら

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        • マンション火災‼ 命を守る4つのAction
          4本
          ¥900

        記事

          【マンション火災‼ 命を守る4つのAction】Action-1 火災で起きることを想像してみる

          はじめに1995年 阪神・淡路大震災 2011年 東日本大震災 2016年 熊本地震 そして2024年 能登半島地震――。 何年かおきに繰り返される自然災害は、幸福な日常を、非日常の深い闇へと突き落としてしまいます。 一方で、火災は、毎日のように日本のどこかで繰り返されている、ありふれた出来事かもしれません。 しかし、その日常の災害により、毎年1500人前後の人命が失われ、1千億円以上の損害を被っているという事実に目を背けるわけにはいきません。 そしてマンション―― 災害に

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          250〜
          割引あり

          【マンション火災‼ 命を守る4つのAction】Action-1 火…

          【能登半島地震】ライフラインの復旧状況と課題

          能登半島地震発生から10日が経過し、人命救助と並行して途絶したライフラインの復旧作業が懸命に行われています。 しかし、厳しい状況と報道されているものの、どのように推移しているのかがよく分かりません。 そこで、各省庁が毎日発表しているデータ等を集計し、グラフ化してみました。 1.水道の状況断水状況の数値発表が始まるのは1月3日からでした。それまでは各自治体が「調査中」の状態になっており、被害把握に苦慮している状況が伺えます。 断水は徐々に改善され、断水率は15%を切るように

          【能登半島地震】ライフラインの復旧状況と課題

          【地震火災】2次出火に注意しましょう

          地震の強い揺れに伴い火災が発生するだけでなく、揺れが収まった後も2次的な出火危険があるので注意しましょう。 過去に発生した地震火災の事例から注意ポイントをご紹介します。 ①通電火災停電が復旧したときに出火危険があります。 代表的な出火するパターンは次の通りです。 落下物などで傷ついたコードが通電と同時にショートして出火 スイッチが入ったままの電気ストーブに可燃物が落下していて、通電により加熱され出火 水がこぼれヒーターが露出した熱帯魚の水槽が、通電により空焚き状態とな

          【地震火災】2次出火に注意しましょう

          【能登半島地震】72時間の壁なんて言わないでほしい

          大災害が発生して3日が経過しようとするとき、必ずと言って聞こえてくるのが「72時間の壁」という言葉です。 水分や栄養の補給ができないと3日間が生存限界だというのが根拠らしいのですが、私は、科学的だとは思っていません。 確かに水分や栄養補給は重要な要素ですが、その人が置かれている環境次第で、必要な水分や栄養量も変わってくるはずです。 エネルギー消費が抑えられれば、3日以上持ち堪えても不思議ではないはず。 むしろ、体温の低下や身体への圧迫、外傷の状況などの方が大きな要因になる

          【能登半島地震】72時間の壁なんて言わないでほしい

          【能登半島地震】繰り返される揺れで危惧されること

          本日(2024年1月1日)、能登半島地震が発生し、震度7の激しい揺れが襲ってきました。 被害の全容が明らかになっていない段階ですが、現時点で危惧されることを記事にしました。 この地域において大規模な地震を起こす主要な断層は、 これまで知られていませんでしたが、 2020年12月ころから地震が連続するようになり、昨年5月には震度6強の揺れを記録しています。 この一連の発生メカニズムは十分解明されておらず、 今後も激しい揺れを警戒せねばなりません。 そのような状況で危惧されるの

          【能登半島地震】繰り返される揺れで危惧されること

          防災用品を見直してみよう その3…水

          災害でライフラインが途絶えたとき、一番困るものって何? 不可欠なものばかりですが、 あえて選ぶとすれば、 私は水です。 あるときは救助活動として、またあるときは調査活動として、 様々な被災地の現場に立った私ですが、必ず用意したものは水でした。 最近では、水の重要性が啓発されていることもあり、備蓄をしているご家庭も多いでしょう。 今回は、どのように水を確保すればいいのかを考えてみたいと思います。 1日に必要な水の量は?私たちの身体の約60%は、水分が占めていると言われてい

          防災用品を見直してみよう その3…水

          私のこと、ラボラトリー・フィードバックのこと

          とりとめのない自己紹介をいたします。 私、永山政広は、「ラボラトリー・フィードバック」という研究室を立ち上げ、防災・減災手法を研究しています。 単に研究を行うだけでなく、コンサルタント、講演、実務指導、執筆、メディア出演などを通じて成果を社会に還元する活動を行っています。 そんな私の前職は消防士でした。定年退職でもなく、悪事を働いて懲戒免職になったわけでもなく、ごく普通の依願退職で30年間の消防生活に別れを告げたのです。 その契機になったのが、2011年3月11日に発生

          私のこと、ラボラトリー・フィードバックのこと

          【小説】一一九の向こうがわ

          プロローグ 凍えるような朝だった。私は背を丸めながら守衛室を出た。 市民病院の屋外巡回は、一時間毎に実施することになっている。不審者に対する警備だけをしていればいいわけではない。こっそりと散歩に出た入院患者が倒れている――そんな事態もあり得るからだ。  ――でも、この寒さでは誰も外に出ようなんて思わないだろう。 その巡回を担当した私は、楽観的だった。それでも重要な職務であることに変わりはないから、植え込みの中まで念入りに見て回った。そういう性分だった。  大方は済んだ。後は、

          【小説】一一九の向こうがわ

          防災用品を見直してみよう その2…懐中電灯

          地震、台風そして停電…。真っ暗闇で安全を確保するために懐中電灯は欠かせません。 ほとんどのご家庭にあると思いますが、 いざというとき、機能を発揮するか見直してみてはいかがでしょうか。 様々なタイプがあるけど……懐中電灯というと、以前は手で握って使うタイプが一般的でした。 しかし、現在は用途に合わせ様々なタイプが発売されています。 その中で、私の経験(消防士30年)から、災害時に役立つと思われるものをいくつか選んでみました。 ①ヘッドランプタイプ ゴムバンドが付いていて、

          防災用品を見直してみよう その2…懐中電灯

          防災用品を見直してみよう その1…担架

          地域の防災器具置場や会社の救護施設などで、よく見かける担架。 ケガ人や気分が悪くなった人を運ぶには欠かせません。 ただし、どんな時でも万能かというと…… 一般的な担架とは、次の写真のような、「棒担架」と呼ぼれるものです。 2本の棒の両端を2~4人でもって運ぶものですが、一つ欠点があります。 「小回りが利かない」という…… 戸建て住宅の階段やマンションの非常階段など、狭いところでは折り返しができなくなってしまうのです。 エレベーターに入るのも厳しいかもしれません。

          防災用品を見直してみよう その1…担架

          【マンション防災】こうすれば効果が上がる! 防災訓練のポイント

          比較的、災害に強いと言われているマンションですが、 「いざ」というときを考えると防災訓練は欠かせません。 皆さんのマンションではどのような訓練を行っていますか? もしかしたら……実施していない、参加していない、興味がない、なんてことはありませんか? また、訓練に参加してみたけど、「いざというとき、役に立つのかなあ」と疑問に思ったことはありませんか? 私は10年以上マンションの防災コンサルタントに携わってきましたが、同じような疑問を抱いたことが何度かありました。そのたびにマン

          【マンション防災】こうすれば効果が上がる! 防災訓練のポイント

          昨年の火災状況から冬の火災対策を考える…

          火災件数は増加傾向に総務省消防庁から昨年(2022年)の火災状況の確定値が公表されました。 国内の総出火件数は 36,314 件で、一昨年と比べ1,092件増加しています。 2020年までは減少傾向にあったのですが、一昨年から増加傾向に転じているのが気になります。 出火原因別に分類してみるとたばこが第1位。2016年までは長期にわたって放火がトップだったのですが、ここ数年は、たばこ、たき火、こんろが上位を占めるようになりました。 住宅火災の傾向は上のグラフは、全種類の火

          昨年の火災状況から冬の火災対策を考える…