シンプルに、愛する人のために今を生きようと思う @mikaikeda6
おはようございます。池田です。
ここ最近で二冊の本を読みました。
久々に、ビジネス書ではない本を一気読み。
過去の8月15日と8月12日にそれぞれ起きた事実について書かれたものです。
全然違う作品ですが、どちらも真剣に生きる意味を深く考えさせられるものでした。
1985年8月12日、日航ジャンボ機墜落事故がありました。520名が死亡した大事故。この本は、当時、遺体確認操作の責任者を務めた群馬県警の刑事さんが書いたものです。
遺体が運ばれてくる体育館。その中でどうやって本人確認作業が行われていったのかが克明に描かれています。
さらに、その活動を通して、医師、看護婦、警察官、そして遺族の心情までが鮮やかに表現されています。
私は当時、小学生で、家族と一緒に松本にお墓まいりに行っていました。毎年泊まる温泉旅館で夕食をとっている際に、テレビでこの事故についてのニュースが流れていたのを覚えています。
小学生だったので、まだあまり現実味がありませんでした。
その後のドキュメンタリー番組などで被害者についての物語に涙したり、本で日航に疑惑を突きつけるようなものを読んだことはありましたが、同じくどこかで起きている誰かの物語でした。
この本は、実際に救助活動、遺体確認活動の現場のリアルな姿が描かれていたため、なんだかすごく現実味を帯びて自分に入ってきました。
想像を絶する遺体の状況。一見しても誰のものだか、どの部位だかもわからないし、日々腐敗が進む。そんな中、医師や看護婦、警察官が必死になって身元を割り出そうと奔走。遺族とのぶつかり合いも当然ありますが、最終的には「ここまでやってくれて」という感謝で終わっていました。
不思議なことに、遺体という死に触れたドキュメンタリーでありながら、圧倒的な「生」の物語でした。
今、生きている奇跡を噛み締めて、精一杯生きねば。
そんな、日常的には恥ずかしくて思い当たらないような言葉がすっと心に刻まれたのでした。
一気にこの本を読んだ後に、続けて読んだのがこちら。
8月15日は終戦記念日です。
だから、この話もその日について書かれたものかなと思われるかもしれません。
実はこの本の中心は終戦より2年前、1943年の8月15日に行われた奇跡の撤退作戦についてです。
シベリアの凍土に覆われた2つの島。元はアメリカ領だったものを日本軍が占領し、熱田島、鳴神島と名付けます。
1942年のミッドウェー・ガダルカナルでの敗戦以降、日本が劣勢になる中、この北方の島もアメリカ軍による奪還のための猛攻撃にあいます。
熱田島は大本営からの玉砕命令を受け、全軍全滅。
その後、鳴神島の処遇を巡って軍部で議論が起きます。
島に残る5000名強の軍隊を同じく玉砕させるのか、それとも救出に向かうのか。
結局、救出に向けての作戦が立てられます。
島の周りは圧倒的な軍備を誇る米軍が、海からも空からもがっちり固めて攻撃を続けている最中、5000人規模の救出を行う。
ほぼ不可能と思われる状況の中、緻密な作戦により成功するのですが、その模様が、日本側、アメリカ側の双方の視点から描かれています。
当時のアメリカにとって、日本人は野蛮、命を大切に思わず全員で玉砕、特攻攻撃を行う。民間人であってもその思想があり、攻撃的である。
だから、本土の空爆や原爆投下もやむなし。
戦後の統治についても「必要に応じ、武力行使による鎮圧をすべき」とされていた。
ところが、実際には戦後のマッカーサーによる統治では、武力での鎮圧はされなかった。
この変化を作るきっかけになったのが、1943年の救出劇だったのではないかというところから物語は始まります。
本の冒頭にこんな文章がありました。
この小説は史実に基づく
登場人物は全員実在する(一部仮名を含む)
私は恥ずかしながら、全くこの救出作戦について知りませんでした。
この本は、作戦断行の一部始終、陸軍海軍の想い、作戦を行う人たちの想い、島で作戦を予測し準備する人々の想い、そしてアメリカ側でのやり取りを描いています。
どの場面でも、一般的な考えに疑問を持って、別の角度からアプローチをして見る人、より良い方向に向けて、上層部を説得してでも自らの信じる道を進む人の姿が小説の形を借りて鮮やかに描かれています。
そして、全編を通じて人としての幸せ、生きることの大切さを強く感じさせられます。
どちらの作品も、極限状況にあっても、人に流されず、自分の意思にしたがって生きることの強さ。そして、人間は人と共に生かされているんだなと感じました。
愛する人を想い、愛する人のために、今を懸命に生きる。
そういうシンプルなことって、今の幸せな日々では特に考えることもないけれど、いつ今の幸せが終わるとも限らない。
危機的な状況の中で、世界をよくするために動けるか?
愛する人を助けるために生きることができるか?
お盆を過ぎて、暑さが少しだけ和らいだ中、そんなことを考えるきっかけになりました。
どちらも一気読みして、心に穴が空いたような、でも暖かさの残る不思議な感覚です。おすすめです。
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今回はラブソルノートで書くべきか迷う、本の紹介二冊でした。
結局、今って、「何者かにならねば」「好きなことで生きていくには」なんて話題で老若男女が悩む時代ですが、もっとシンプルでいいのかもなと思わされる作品でした。
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【今日の一枚】
先日沖縄に行った時に撮影した飛行機。
青空に飛行機は美しく何枚も写真を撮りました。
これは旅客機ですが、ものすごく低空飛行する戦闘機の爆音は想像以上で、否が応でも沖縄と基地について考えてしまったりするのでした。
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LA BOUSSOLE
代表 池田 実加
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