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(導入編)BIを導入した楽園があった

こんばんわ。今回はセキュリティとは全く関係ない話です。BI、つまりベーシックインカムについての僕の考えを書こうと思います。が、たぶん分量が多くなるので、まずはこんなタイトルで、とある国をご紹介します。

ちなみに僕は散々言っていますが、BIは失敗する派です。

ナウルという国を知ってますか?太平洋のど真ん中にある、とても小さな国です。世界でバチカン、モナコの次に小さい国。品川区と同じくらいの大きさです。

この国は、絶海の孤島にあります。そのため、渡り鳥がここで羽を休めるんですね。それにより、長年にわたって鳥の糞が堆積していきます。

しかしこれこそがナウルの貴重な資源。長年にわたって堆積した糞はリンになります。リンは化学肥料になります。これを採掘することで、多大な外貨収入が得られるのです。日本にも似たような島(北大東島)があります。

この豊富なリンにより、ナウルはとても潤いました。なんと、1980年代には国民1人あたりのGNPは2万ドル(当時の日本の2倍)にも上りました。ウハウハ状態となったナウル。ここでは医療費も無料、学費も無料、光熱費も無料、そして無税。さらには国民全員に給与が支給されました。

公務員は国民の10%しかいません。また、このころにはリン鉱石の採掘は外国人労働者の仕事。残りの90%の国民は無職なのです。でも、給料が出たのです。つまりBIが導入されたのです。

夢のような国ですね。新婚には家まで支給されたそうです。

しかし、こんなナウルについてのニュースが駆け巡ります。2003年、諸外国からナウルへの通信が出来なくなったのです。クーデターが起きたのです。


・・・ウソです。

実はクーデターではなく、資金が枯渇し、通信代が払えなくなったのです。実は1989年以降、リン鉱石の採掘量は減少し、数万年にわたって堆積されたリンは、このころすっかり枯渇してしまったのです。

ナウルの内陸部は採掘跡でボコボコ。国土も小さく、土壌も農作には適さない。この国唯一の資金源であるリンが枯渇してしまい、一気に貧困国家へと転落してしまったのです。

その後、ナウルは次々と対策を打ちますが、どれもこれも成功しません。理由は、国民が働くということを忘れている、というか働くことを知らないのです。

ナウルがやったこと。

①実はナウルは数少ない、台湾を国家承認していた国。しかし中華人民共和国を承認するとともに、台湾を非承認にしました。これにより1.3億ドルの援助を得ました。

②金融規制を緩和し、外貨流入を狙いました。しかし、マネーロンダリングの温床になることを懸念され、外圧によって頓挫しました。

③裕福だったころにオーストラリア等に不動産を買っています。これを貸したり売ったりしています。

④アフガンやイラクの難民を、国際協調の枠組みの中で受け入れることになったオーストラリア。この難民受け入れを肩代わりしてオーストラリアから援助を得ます。近年、これが大変非難されています。難民の収容をビジネス化していることももちろんですが、その待遇が非常に悪く、人道的な扱いを受けていないという告発もされています。

工業も農業も漁業もやらないんですね。汗水たらして働くという概念が無いのです。生まれてこのかた働いたこともないし、親が働くのも見ていない。ン十年ニートやっている人に子供が出来ていいトシまで育ったようなものと思えばいいでしょう。

BIについての掘り下げは引き続き次以降の記事にて行いますが、まずはこんな国があったのだということ、そしてBIは稼ぐ手段があってこそのものなのだということ。導入はこの辺のメッセージにとどめたいと思います。

※トドちゃんさんがナウルについて、さらに詳細な紹介をされてますのでぜひご覧ください! https://newspicks.com/news/2380814


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