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Dialogue in the dark

こんにちは。あなたは「視覚」を奪われた経験、ありますか?



●原点

noteを読んでいて、シンガポールに「視覚を奪ってご飯を食べるレストランがある」と知り。
めっっちゃ面白くない??
見聞色の覇気を獲得しに行かないか?」であなたは誘われてくれますか?笑

レストラン詳細
前菜、メイン、デザートの3部構成。
何が出るかはわからないけど、最後に貴方は何を食べたのアンケートコーナーがあるらしい。
いつか一緒に楽しんでくれる人とやってみたい。

気になってたきっかけの一つ

昔、心理学の授業で教授が「人は視覚からの情報が多くて簡単に騙されやすいですからね。ほら、かき氷のシロップとかも着色の違いでしょう」と言われ衝撃を地味に受けていました。え、そうだったの?!って。まぁその心理学の授業はいかに人の脳が騙されやすいかを説明する授業ではあったんですけどね。錯視とか。
ちょうどタイムリーにSNSで見つけたこういう!

@n_seitanさんより

だからこそ食とか日常で大きな割合を占めていると言われている視覚を排除したらどんな鋭敏な感覚になるのか興味津々でした。

さすがにシンガポールはちょっとすぐには行けない距離なので日本で似たようなのないかな〜と調べていたらもちろん似たご飯屋さんも見つけたんですけど。体験で見つけたんですよ、まるで私の気になったレストラン名のようなイベントを。

その名も

●ダイアログ イン ザ ダーク


元々発祥はドイツで、目の見えない視覚障害者の方が1人ダークアテンドとして8人を導いてくれる。五感を研ぎ澄ませながらあっという間の90分。

見つけた時、このイベントが5月末までで、
参加できる日程がまだぎりぎり滑り込めそうだったので見つけた今行くしかない!と行ってきました。

結果

最近体験した中でもトップに良質な体験だったなぁと。

感動したのでメモメモ。
(ネタバレにはならない範疇です)


まず、動き回れる洋服に着替えてから小部屋へ移動。徐々に照明が落とされてからが本番です。

ダークアテンドの方が最初にいろんな案内をしてくれながら話してくれるんですけど人の位置とか白杖も無しにすいすい動けてた方で。本当に見えてないの??って思ってたんですけど

照明が完全に落ちて、目を開いても何も変わらない時「皆さんは真っ暗闇になりましたか?私は実は何も変わってないんですよ」って言われて衝撃。え!!この状態でどうやってわかってたの??って。「慣れる」の修練度違いすぎる。ってなりました。

あのね、正直。
目が慣れてきたら何かしらかは見えるようになると思ってたんですよ。

完全な闇って、さっきまで隣にいたはずの人の存在感であったりが本当に消えるの。
声や音というものと自分が触れているものが全てな感覚って中々味わえない。耳は良い方だと思ってたけど、音の出所がわかってもその距離感であったり、環境がわからなくて一歩ずつ足を踏み出していくのが物凄く怖かったです。

目を閉じていても、光の存在は多少は感じますよね。完全な闇への変化具合が体験できたこの時点で今日参加して良かったと思いました。

でこの真っ暗な部屋から移動して様々な切り口で五感を震えさせながら体験していくんですけど。

物凄く神経使う


足で触れるものと、手で触れるもの、感覚と距離感に対して物凄く慎重になる。

色々体験の中で思う中でうわ!って思ったのが
物を落とした時に拾うのがものすごく大変。

たまに映画とかでも電車とかコンサートのチケットを落としてしまって慌てるっていうシーンがあるんだけどそれに近しい状況になった時。
私は座ってたし、そのものがあることはわかってても手探りで探す難易度半端ねぇ。気づいてても難易度高いんだったら尚更無意識に落としてたら見当すらつかないな。

逆に白杖ってすごい。
物凄く助けてくれる。命綱。

点字とかやっぱり印がある、ってことは物凄く助かるってわかりました。ユニバーサルデザインやっぱり超大事だよ…

あともう二つ印象に残ってるフレーズがあって長いけどそれだけ書かせて!

「日本人は知識の型にはめたがる」 

ってフレーズ。その人にとっては今触っているものが全てだからそれを言語化しても私たちが思っているものとは限らない場合があるなと。
特に感性の部分は個人差が物凄くあるのでもし本当に視覚を失った場合に今触っているものは「なに」ってきっと近くの人に聞いちゃうけど受容ってよりは理解の動きにもっと日本人は近いんだろうなぁと。受容と理解は似てるけど異なるものだなと肌で感じました。初めからわからないか、知ってから失うかでもこの違いのステップが違いそうだなぁと勝手に思っています。

もう一つが

「賑やかな暗闇と、静かな暗闇がある」

このイベントは国立競技場と竹芝の2ヶ所で開催されていて。2つはまるで「静と動」らしく。
私が参加した国立競技場の方が、大人向けでゆったりと過ごす90分間。対して竹芝の方は子供からも参加が出来るようなコンテンツになっているそう。「静かな」方は充分に理解できたので賑やかな暗闇ってどうなるんだろうなぁとまた興味が湧きました。

あと余談なんですけど 関西人、うるさい。笑
たまたまかもしれないけれど4/9が関西出身(私含めて)
元々暗闇の中で動き回る際に音とか声を出しながら進めていく活動なんですけど
中心で喋ってるのほぼ関西人。笑

正直集中奪ってたら申し訳ないなぁと思う気持ちも反面、周りの人たちに今私はここにいます、こんなものを見つけました!って発信するのが物凄く大事だと思っていて。なぜならぶつかるので。

見えてたら避けれるもの、
見えないから気配読んで動くの限界ある。

そういう意味ではコミュニケーション取りやすくて心強いお仲間でした。やっぱりダークアテンドの人に対するリアクションとか会話量が圧倒的に多い気がするなぁ。

ほんとにこのキャッチコピー通りだった


総括、ゆるむほどリラックスできたのかは正直わからない!!鋭敏にはなった。ものすごい集中していたからか90分が本当にあっっというま。
時間も震えてくれる機能性のものとか、お知らせしてくれる音声がないとまったくわからないね。
時の流れも視覚に日頃預けているなぁと実感しました。本当に面白かった!!

日常の細かいところを見て楽しむのはカメラで日常を撮るようになってから少し意識が変わっていたけど、また別の解像度を上げるきっかけを体験できてよかったです。

もしまだ滑り込みできそうな人がいればぜひ!!
良質なエンタメだと思います。知り合いと行ってもどうせ暗闇ではぐれるので、1人で参加してもいいと思います。笑

今回の巡り合わせた方々は
兵庫、京都、大阪、岡山、長野、千葉、埼玉出身のメンバーでした。皆どうやってこのイベントを知ったのか聞きたかった…その感度の人達もっとお話ししてみたいよ!もし見つけたり同じイベントに参加されてた方はきっかけをどうぞ教えてください!

ではまた!




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