自作詩を読む③身体


lie 2024.3.10

自作詩を振り返り、吟味したい。

今日は、「身体」をテーマとした詩から。

「身体」を詩に書くとき、自分の肉体を書くのか、そうじゃないのかを考えた。この詩では、
「身体がとらえるもの、感じるもの」を書こうとしていたと思う。
これまでに実際に身体が感じたり見たりしたことのあること・・・からだに強く残っている印象をモチーフとして、いくつかの場面を書いている。

講師コメントで
・はっきりとした日常と、そうした日々で浮かぶ空想
・意識の上で捉える現実というものがある
といった言葉をもらった。
イメージしたことが手触りとして伝わっているような、とても鋭い指摘だと感じた。
また、
2連目の最後を「天井があるらしい」としていたのを、
言い切りの形にした方が「語り手だけが抱える世界」が際立つ
と提案があり、そのように修正した。
植物から世界を見る、伊藤比呂美さんの詩集を紹介していただいた。
植物の見方を、わたしなりに深めると良いと。強い指針で、ありがたい。

教室では他に、
・素気ないようで余韻がある
・「来歴をうしなったように一面にひかる。」という表現
・「まだ、ぼくと名乗るにみたないあなた」で子供の年齢を表している
・「夏の時間を食卓にのせる」という表現
・鮮明
・順番に受け止めていく世界
・スローモーション、やわらかさがある
等、コメントをいただいた。
それから、「他にもいろいろ意味があるのだろうけど、豆が眠ったりのびたり、豆のことがとにかく心に残った」というコメントが、何だか楽しかった。

「ライ」という言葉。
英語の lie には、
・横たわる、在る
・(ものが置いてある)位置、方向
などの意味がある。よく言う「嘘」の意味は、特に意識しなかった。

以前から、幾度か印象的に感じている「人がもっている重さと軽さ」というモチーフを育てたい気持ちがある。詩や文章で形にしたい、そうすることで思考が育つと考えているのだと思う。
生きたもの、死んだものが、横たわること。
身を預けられたときに、受け取るもの。

また、仏語で Rai というと
・光線
である。

母国語で「ライ」というと、
・来
・風来
・雷
などが、思い浮かぶ。
意味とは関係なく、「ライム」という音もとても好きな音で、
「ライム」と「ム」のつかない「ライ」では、印象もずいぶん違う。
タイトルは、書き終わった詩を、音と意味を糸のない針を通して縫うように読んでみて、「たぶん、ライだろう」と最後につけた。

オンライン教室第1期の、最後の提出詩。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?