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15話 雇用をなくす仕事

これは、ベーシックインカムが実施された近未来を想像した物語です。
Living with BI 〜ベーシックインカムがある世界〜
今回はある意味、雇用をなくす仕事をしている人たちの話。

技術的失業とベーシックインカム
この漫画では自動化やロボットなどの発達によって雇用が失われる世界をベースにベーシックインカムが実施された世界を描いています。実際、現代でもテクノロジーの発達によって多くの仕事がじわりじわりと失われています。

例えば2021年、ある県で大規模な工場の誘致がありました。これで雇用が増えると喜んだのですが、できてみるとそこに必要な雇用の人数はたった4人だったそうです。

今までの雇用はとりあえず、人数を集めて作業をするものでしたが、現代ではそれを自動化したシステムやロボットに置き換わりつつあります。銀行の融資係や営業職などはAIに取って替わられると言われています。普通の雇用は人間どうしのソーシャルなものを除き、どんどん消えていくと予想されているのです。

また、企業もコストカットのため人材を育成するということをしなくなります。必要なプロジェクトに応じて外部からプロの人間を集めるスタイルになるでしょう。研究機関は知的財産の保護のため、雇用が残るかもしれません。

ベーシックインカムと緊縮財政
ベーシックインカムは国民一人あたり毎月7万円配る場合、年間で100兆円ほどの予算が必要と試算されています。導入してからは、財政改革と称して様々な制度の削減や人員整理が行われると予想されます。大胆な統廃合を行うには行政も稼働人数を減らすという決断になります。まんがの中にいきなり道州制が現れているのはそのあたりを予想したものです。

技術がコモデティ化しているというのも暗に示唆しており、必要なものしか生産せず、BIしか収入がないもの向けの消費物やサービスは全てそれで賄われていく未来が予想できます。必要なものしか作らない未来は雇用が消滅します。

これは自由主義なのに共産主義みたいな新しいスタイルの生活環境が出来上がっていくイメージです。これがディストピアな未来なのかはまだわからない感じです。
この物語を描きながら、色々考察していこうと思っています。

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