ベーシックインカム⭐近未来マンガ⭐寺西竜也

Living with BI 〜ベーシックインカムがある世界〜 技術が発達して人々の仕…

ベーシックインカム⭐近未来マンガ⭐寺西竜也

Living with BI 〜ベーシックインカムがある世界〜 技術が発達して人々の仕事がなくなり、社会保障政策としてベーシックインカムが導入された世界を描く近未来マンガです。 普段はマンガ・イラスト・アニメの受託制作をしています。

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1話 ベーシックインカム法案 決議される

これは、ベーシックインカムが実施された近未来を想像した物語です。 Living with BI 〜ベーシックインカムがある世界〜 この物語の設定 20XX年 日本は技術の進歩によって多くが自動化され、かつてない人数の失業者が生まれることとなった。 国は従来のセーフティネットでは国民をサポートしきれなくなり、マイナンバーを基軸としたプッシュ型の最低限所得保障制度としてベーシックインカム(以下BI)をデジタル払いで導入することを決定した。 BIとは、簡単に言えば「すべての

    • 【おしらせ】まとめに入ります。

      いつもこの連載を読んでいただき、ありがとうございます。 記事がだいぶ溜まってきたので、加筆修正してキンドル出版したり、マンガのシナリオやネーム作成に入るための作業に入るため、明日からはその進行状況をレポートする感じになります。キャラクター設定とか頑張ろうと思います。 1年くらい前にベーシックインカムのことを漫画にしたときに比べるといろいろな事がわかってきました。また、汎用AIや汎用ヒト型ロボットの発達も目覚ましくなったと思います。記事のスタイルは変わってきますが、引き続き記

      • その69)助かる人と負担が増える人

        ※これは、作者が想定するベーシックインカム社会になった場合を想定した予測です。 私は、ベーシックインカムは多くの雇用がAIやロボットに代替され、CBDC(中央銀行デジタル通貨)が発行されており、マイナンバーを元に個人の生体認証が確立している中で実施されるのではと予測しています。雇用は極端に減っていますが、経営者はAIやロボットを駆使して物資を生産しサービスを提供しています。しかしこれらはお金がないと利用できないので、消費者を作る必要があり、ベーシックインカムが導入されるとい

        • その68)ベーシックインカムは太るか

          ※これは、作者が想定するベーシックインカム社会になった場合を想定した予測です。 日本がベーシックインカムになった場合、肥満は増えるかもしれないと考えています。理由がいくつかあります。 ベーシックインカムに近い出来事ではナウル共和国の例があります。ナウル共和国はその昔、リン鉱石の輸出で約30年間、国が税金を免除して、一生懸命働かなくても暮らしていける政策を行いました。リンが採れなくなってきて、この政策は終わりましたが、この間に多くの人が肥満になりました。 また、1920年

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        1話 ベーシックインカム法案 決議される

          その67)こんなベーシックインカムは嫌だ

          ※これは、作者が想定するベーシックインカム社会になった場合を想定した、近未来の物語です。 ベーシックインカムが施行された社会のディストピア編を考えてみました。国民に豊かな暮らしを提供するはずのベーシックインカムも制度設計を間違うとディストピアになると思います。箇条書きでいくつか紹介します。 金額が低すぎる 2022年の物価水準だと、2人世帯が家賃光熱費雑費食費の合計額の平均は約12万円くらいです。単身だと10万円くらいかかるそうです。雇用が全くない状態では、生活費を下回

          その67)こんなベーシックインカムは嫌だ

          その66)ユートピア予想

          ※これは、作者が想定するベーシックインカム社会になった場合を想定した、近未来の物語です。 ベーシックインカムが施行されてから30年ほどが過ぎた。この間に、ホワイトカラーの雇用はほぼ消滅し、20年前には汎用ヒト型ロボットが多くのブルーカラーの仕事を担うようになった。医療や福祉、建築や土木、治安維持などもかなりの数のロボットが補佐して、仕事の安全性が高まり人が行う雇用はかなり減っていった。 多くの研究者やアスリートなどは、AIエージェントを通した個人契約で働いて収益を得ている

          その65)ミサキの暮らし

          ※これは、作者が想定するベーシックインカム社会になった場合を想定した、近未来の物語です。 ベーシックインカムが始まる前からシングルマザーであるミサキさんの暮らしは苦しかった。幸せになるはずだった結婚生活は夫の浮気であっけなく3年で離婚。ミサキさんは一人娘を引き取った。夫がある程度高収入だったので結婚した時に仕事を辞めたのだが、元のキャリアには戻れなかった。 子育てしながらの生活はかなり厳しいものだった。両親はすでに病気で他界しており、親戚とも折り合いが悪い。夫は無責任な人

          その64)サトウさんの居場所探し

          ※これは、作者が想定するベーシックインカム社会になった場合を想定した、近未来の物語です。 サトウさんはとある食品卸業の男性社員だ。彼の仕事はどんどん減って、会社の将来は風前の灯だった。 AIの発達は仲卸の仕事を激減させてしまった。自動管理システムによって多くの食品は生産地から直に販売地に送られるようになったり、港から流通基地に送られてそこから全国に配送されるようになったためだ。物流で中間に入る業者が少なくなったぶん、消費者には安く製品が提供されるようになるが、中間の卸業者

          その63)総合芸術でバズる若者たち

          ※これは、作者が想定するベーシックインカム社会になった場合を想定した、近未来の物語です。 ベーシックインカムの時代は創作に打ち込む若者たちも大勢現れた。 フルヤさんは生成AIを使い、対話だけで簡単なプログラムを作れるようになった。マイティさんは生成AIを使って素早くイラストを描いている。いかにAIを使ったっぽくしないかがミソらしい。 シナリオライターのアズマさんも作品のプロットはAIにネタを打ち込んで、出てきた案の中から使えそうなものをブラッシュアップして作っている。自称

          その62)復活屋のスズキさん

          ※これは、作者が想定するベーシックインカム社会になった場合を想定した、近未来の物語です。 スズキさんの趣味は新しいことにチャレンジすることだ。農業に興味を持って家庭菜園を作ってみたり、縫製に興味を持って自分の服を縫ってみたりと次々と覚える。芸術、音楽、染色、陶芸、DYI、料理など、いろいろなことにチャレンジして、何でもそこそここなしている。 それらのきっかけはインターネットのハウツー動画で、やりたいことができると、まずはネットで調べる。すると誰かが必ず動画をアップロードし

          その61)銀行員だったハヤシさんの変遷

          ※これは、作者が想定するベーシックインカム社会になった場合を想定した、近未来の物語です。 ハヤシさんは35歳までは地方銀行に勤めていたが、AIなどのテクノロジーによってどんどん仕事がなくなってきたのと、行内の出世競争に敗れたこともあり早期退職した。 ちょうどその頃、ベーシックインカムが始まった。最初は月1万円という形で、これでは生活できないので、自分のスキルを活かし、とある小さな食品製造会社の経営役員になって資金繰りのサポートをしたりしながらしのいでいた。他所の会社に比べ

          その61)銀行員だったハヤシさんの変遷

          その60)ある若者の悩み

          ※これは、作者が想定するベーシックインカム社会になった場合を想定した、近未来の物語です。 朝陽(あさひ)は地方の高校の卒業を控えた山田家の長男で一粒種だ。父は以前グラフィックデザインの仕事をしていたがその分野の仕事がどんどんなくなり、今は地域のイベントを企画運営するプロデューサーの仕事をしている。母は介護の職場に努めている。両親の祖父・祖母は両方とも朝陽の家に住んでおり、元気なので日々ボランティアや趣味に励んでいる。そんな7人家族だ。 朝陽が通う高校では、基礎学力の他は主

          その59)ベーシックインカム前のブルー

          2024年2月27日にブルームバーグが「政府は、デジタル化に伴い職務を失う事務職従事者(ホワイトカラー)が、非ホワイトカラーに移って活躍できるよう支援することを検討する。「新しい資本主義実現会議」が27日、物価上昇を上回る持続的な賃上げに向けた施策の論点案を公表した」という報道をしました。 要は、「ホワイトカラー職は今後なくなるから、人員が不足しているブルーカラーへ転職して活躍することを支援します」という内容です。定年などについても見直されるようです。肉体をあまり酷使しない

          その59)ベーシックインカム前のブルー

          その58)導入のされ方予想

          ベーシックインカムが導入されるとしたらどのようなステップを踏むだろうかということをよく考えます。2024年3月現在、自分の中で今いちばんリアリティを感じているのはこんな感じです。 財源については、国家予算をどのように使うかという話なので、税や保険料などで賄う方法もあるでしょうし、国債を発行してお金を銀行経由で市場に流すという方法もあります。いきなり毎月1人数万円という規模だと多くの混乱が予想されるのと、ベーシックインカムは最低所得保障であるというところから、社会の状況を見て

          その57)政治家の給与をゼロにできるか

          すべての国民がベーシックインカムを得られるということであれば、政治家もそのインカムを受けられることになります。それなら、ベーシックインカム社会になったら政治家の給与はゼロにしたほうが良いのではという意見を聞きました。為政者は政治をボランティアでやるべきという考えです。 活動費は全て国費で賄われるし、最低限の生活費は保証されるし、それ以外の給与をもらわないなら、給与目当ての働かない政治家を排除できるだろうというのが大きな理由です。そもそも国の中の多くのことがAI運営で安定して

          その57)政治家の給与をゼロにできるか

          その56)人は働かなくなるのか

          ベーシックインカムが施行されると「働く人がいなくなる」という意見を聞くことがあります。実際に世界各地でベーシックインカムの実験をしたところ仕事をやめた人はわずかだったそうです。それに対しても「実施期間に終りがあるなら働き続けるだろう」という意見がありました。実際にベーシックインカムが施行されたとしたら「いつこの制度が廃止されるかわからない」という噂は絶えないと考えられるので、やはり辞める人は少ないと考えるのが自然なようです。 転職サイト「ミドルの転職」が2019年に実施した