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「結」から「輪」へ。上岡夫妻と地域の人々が生んだ居場所 | LAC宮崎小林コミュニティマネージャーインタビュー

2022年2月、宮崎県小林市のBar & Guesthouse LOOP(運営主体:株式会社ミライガタリ)が、LivingAnywhere Commons(以下、LAC)の新拠点となりました。元歯科医院だった古民家をセルフリノベーションしたゲストハウス。同じ敷地内には自家焙煎コーヒーや米粉菓子が楽しめるcafe musumiがあり、地域の人たちが集まる場となっています。

LAC宮崎小林の拠点はJR小林駅から徒歩6分の立地。鹿児島空港や宮崎空港からアクセスすることが可能です。鹿児島や熊本が近く、LAC宮崎小林を中心に南九州を楽しむことができます。

今回お話を伺ったのは、コミュニティマネージャーの上岡唯子(ゆいこ)さんとご主人の裕(ゆう)さんです。おふたりの出会いからゲストハウスオープンまでの経緯、宮崎小林拠点のコンセプトや魅力などを伺いました。

上岡 唯子さん
cafe musumi 店主、Bar & guesthouse LOOP オーナー。神奈川出身で、裕さんとの結婚を機に小林市へ移住。

上岡 裕さん
株式会社ミライガタリ代表取締役。東京から宮崎県小林市へUターンし、Webサイト製作やアプリ開発などを請け負っている。

2人の出会いからカフェ開業の夢が加速

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--まず、おふたりの出会いをお聞かせください。

唯子さん:音楽関係の共通の知り合いがいて、その方のライブで知り合いました。知り合って1年くらいは頻繁に会うことはなかったのですが、主人が主催したイベントに出張コーヒーを頼まれたことがきっかけでよく会うようになったんです。

--どのようなイベントだったんですか?

裕さん:新築のオープンハウスのカフェイベントです。当時私は、IT企業に勤務しつつ土日は不動産会社のマーケティングやイベント企画を行っていました。唯さんが出張コーヒーをしているのを知って、「一緒にやりませんか」と声をかけたんです。それがきっかけで仲が深まり、2016年8月に付き合いはじめました。

--おふたりは東京で出会ったんですよね。小林に移り住むきっかけは何だったんですか?

唯子さん:知り合って1ヶ月後に、主人から「地元の宮崎に帰りたいんだ」と言われたのがきっかけです。「おお、それはどういうことだ」と思いました(笑)。しかし、私にも地方でカフェをオープンさせたいという夢があったので、試しに行ってみようかなと思いました。

--もともとカフェを経営したいという夢があったのですね。準備もしていたのですか?

唯子さん:飲食店でアルバイトをしたり、カフェの立ち上げに関わったりして、カフェ経営のための経験を積んでいました。でも、どこでカフェやるかは決まってない状態で、そんななかで主人と知り合ったんです。

--移住の話が唯子さんにとっても良い機会になったわけですね。

唯子さん:そうですね。試しに小林に来てみると生活しやすそうな場所だなと思いました。小林は比較的街中なので買い物にも困りませんし。2017年4月から本格的に移住の準備をはじめ、2017年の8月に移住、入籍しました。

cafe musumiと地元の結びつきから生まれたゲストハウス

画像2▲cafe musumi

--移住後、夢だったカフェをオープンさせるためどのように準備されたのですか?

唯子さん:まず物件を探すところからですね。元ステーキ屋さんの物件を見つけ、セルフリノベーションして2017年10月にcafe musumiをオープンさせます。主人が働ける場所も欲しかったということもあり、コワーキングスペースを兼ねたカフェにしました。

--裕さんはどのようなお仕事をしようと思っていたのですか?

裕さん:地元にITに強い会社がなかったので、Webサイトの制作やICT・DXの相談業務を行おうと考えていました。移住後に株式会社ミライガタリを設立し、現在はWebサイト制作やアプリ開発などを請け負っています。

唯子さん:cafe musumiの通販サイトも主人が作ったんですよ。自家焙煎コーヒーや米粉菓子をインターネット販売しています。

--お互いの得意分野を活かして一緒にお仕事をされていることが素敵ですね!ところで、カフェに加えてゲストハウスを運営しようと思ったきっかけは何ですか。

唯子さん:東京の友人が泊まれる宿泊施設を作りたいと思ったことがきっかけです。近くに宿泊施設があまりなかったので「ないなら作ろうか」とふたりで話していました。この構想をカフェの常連さんに話したら、なんと歯科医院さんの物件を紹介していただいたんです。セルフリノベーションも地域の人たちが手伝ってくれたんですよ。

--ここまで地元からの後押しがあったのはなぜなのでしょうか。

唯子さん:cafe musumiと地域との結びつきが強かったからです。musumiは「結ぶように住まう」をコンセプトにしていて、ライブやワークショップなどのイベントを定期的に行っていましたから。

--地元との結びつきで生まれたゲストハウスなのですね!

唯子さん:そうですね。「手伝うよ」と言ってくれる人が多かったので、甘えさせていただきました。地元の人も宿泊施設ができることがうれしいようで、「関われることが楽しい」と言ってくれましたよ。

「結」(musumi)から「輪」(LOOP)へ

画像4▲Bar & Guesthouse LOOP

--Bar & Guesthouse LOOPの名前の由来は何ですか?

唯子さん:cafe musumiは「結ぶように住まう」がコンセプトですが、結びつきを作った人たちと「輪」になって何かできたらよいなということで、ゲストハウスはBar & Guesthouse LOOPと名付けました。LOOP自体が地元の方々との結びつきから出会えた物件なので、まさに「輪」から生まれたものといえますね。

--LOOP自体が「結」から「輪」になって生まれたものなのですね。LOOPによってさらに新しい「輪」が生まれましたか?

唯子さん:セルフリノベーションを手伝ってくれたメンバーが、ここで得たことを持ち帰って新しい事業をはじめています。たとえば、空き家をDIYして宿をはじめた人やDIYが楽しかったから塗装屋さんになったという人もいましたね。また、このメンバーがコミュニティとなって、継続してお店と関わってくれています。

--LACと提携することで新しい「結」と「輪」が生まれそうですね。

唯子さん:そう思います。LACと提携したのは、「いろいろな人たちを巻き込んで地域を盛り上げたい」という私たちの想いが、LACの共創の精神とマッチするのではないか、とご提案いただいたからなんです。ただ滞在するだけではなく、一緒に小林の課題解決に動いていただく方に出会えるとよいなと思い、LAC拠点に加わることにしました。これから共創していく仲間と出会えたらうれしいです。

周りはスナック街。霧島連山の美味しい水やグルメも魅力。

画像3▲宮崎小林拠点周辺のスナック街

--LAC会員はゲストハウスとカフェの利用が可能ですか?

唯子さん:はい。カフェの営業時間は15時までですが、宿泊のお客さまには17時まで開放しています。ゲストハウスの共有スペース、カフェ2階の事務所と会議室も利用可能です。Zoom会議をされる方は会議室をご案内しています。

--宮崎小林拠点の特徴を教えてください。

裕さん:周辺に約200軒のスナックがあることです。小林市は、スナックの軒数が人口に対して多いといわれているんですよ。

唯子さん:夜はスナックを楽しんでも良いですし、うちのBarで過ごしていただいてもかまいません。飲んですぐ寝られるのがうれしいですよね。

--有名な観光スポットはありますか?

唯子さん:近くに出の山(いでのやま)というスポットがあって、水がきれいなのでほたるが見られるんですよ。はじめて見たときは感動しました。また、コスモスがきれいな生駒高原というところがあって、10月のシーズンには県外からも人が訪れますね。

また、東京と違って日常的に山が見えます。霧島連山からのお水がとても美味しいです。蛇口からのお水が一番美味しいので、ペットボトルのお水は買わないですね。

--霧島が近いということは鹿児島へのアクセスもよいですか?

唯子さん:はい。車で30分ほどで鹿児島ですね。熊本へは1時間ほどで行くことができ、県内の観光スポットでは、宮崎市の青島へも1時間ほどで行くことができます。

裕さん:宮崎小林拠点を中心に南九州を楽しむことができますよ。

--美味しいグルメについて知りたいです。

裕さん:鶏刺しが美味しいです。鶏のたたきなど、その日さばいたものをスーパーで買えます。小林では魚の刺身よりも鶏の刺身のほうが安いですね。

唯子さん:私も鶏肉は好きなのでよく食べます。あとは野菜もおすすめです。味が濃いので、軽く炒めただけでも美味しいですよ。近所で安く買えるのがありがたいです。

たくさんの人が循環するようなカタチを

--今後の展望を教えてください。

唯子さん:LAC宮崎小林拠点としてLACに仲間入りしたので、今までよりも多くの人が循環するカタチを作っていきたいですね。そのために、新型コロナウイルスの影響で控えていたイベントをたくさん実施していきたいです。現段階で、宮崎、鹿児島、東京の方とイベント企画をしています。宮崎だけでなく、いろいろな地域の人が循環するような拠点にしていきたいです。

--最後に、LAC会員の皆さんにメッセージをお願いします!

唯子さん:お客さまに小林を楽しんでいただくことが1番の願いです。楽しみながら、一緒に小林を盛り上げましょう!

また、今後のプロジェクトで宮崎小林拠点から車で行ける範囲に一棟貸しホテルを作ろうと考えています。リノベーションに興味がある人はぜひお立ち寄りください。

宮崎小林拠点は、おふたりの出会いや地域の支援なくしては生まれなかったのではないでしょうか。人と人との結びつきが生んだ居場所。ここからまた新しい「結」と「輪」が生まれることが楽しみです。

《ライター・岡野友美


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