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【イベントレポート】自分らしく、自由に働くための仕事術 リモートワークHow To~vol.2 セルフマネジメント

4月24日(金)より『LivingAnywhere Commons』と『ランサーズ』のコラボイベントが始まりました。
「リモートワークでも、自分らしく、自由に働くための仕事術」をテーマに、お題を変えて毎週金曜日に開催しています。

5月1日(金)に開催した第2弾のお題は、皆さん気になる「セルフマネジメント」。平日ランチタイムの開催にもかかわらず、約60名の方に参加いただきました!
そんな、大盛況となった第2回イベントのレポートを、角田尭史(すみだたかし)が担当いたします。

第2回のゲストは、こちらのお二人です!
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<登壇者ご紹介>
加藤 達也(かとう たつや)さん

1枚目

1996年北海道札幌市生まれ。2020年3月に東京都内の大学を卒業後、ワーキングホリデー・語学留学のためアイルランドへ渡航予定であったが延期を決断。現在は心理学ライターとしてセルフマネジメントを中心とした記事の執筆・編集を行っている。 大学在学中はYeLL株式会社でインターンとして活動。また株式会社ガイアックスにてイベント記事の執筆、リスナーズ株式会社ではインタビューの執筆も行った。

俵谷 龍佑(たわらや りゅうすけ)さん

2枚目

1988年東京都出身。ライティングオフィス「FUNNARY」代表。ベンチャー企業と一部上場の広告代理店で広告運用業務に従事後、フリーランスとして独立。現在は、HR・旅・食といったカテゴリを中心に活動。ベンチャーから大手企業まで数多くの執筆実績あり。ADHD傾向があり、自分に適した独自のタスク管理メソッドを確立し、自身のブログ「FUNNARY」にて、実体験に基づいたセルフマネジメントについて発信している。旅好き、生粋のノマドワーカー。好きなノマド場所は羽田空港。
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今回は、セルフマネジメントを以下4つの項目に分けてお話を伺いました。
それでは早速いってみましょう。

3枚目

目標/タスク/スケジュール管理

まず始めに、目標/タスク/スケジュール管理について。
参加者からの事前質問もこの項目に集中していたこともあり、濃密なトークが繰り広げられました。

いきなり、俵谷さんから「逆算思考ではなく積み上げ思考」という気になる言葉。

よく聞く逆算思考は、「ゴールを決めてそれを達成するための目標を設定する」というものですが、積み上げ思考はその反対。
一日で確実にやり切れる目標を決め、それを1か月、1年と積み上げていく」ことで目標が達成されるということです。

4枚目

また、目標管理とスケジュール管理に共通しているのが、”毎日確実に達成できる量”ということ。それを俵谷さんは「楽観視しすぎない現実的なスケジュール(目標)設計」と表現しています。

続いて、加藤さん。心理学の観点から適切な目標設定について解説しました。

「多くの人が大きな目標を立てがちなのですが、”大きな目標を立てると90%の確率で挫折してしまう”という研究があります。今日やろうと決めたことを達成できなくてモチベーション下がり、次の日もやると決めたけど落ち込んでしまう…という悪循環に陥ってしまうんですね。だから、一日で確実にやり切れる量を設定することが大切だと考えています」

5枚目

俵谷さん、加藤さんは、自分がやっていることをライフログで管理しているそうです。参加者からは「大変そう」という感想が上がったのですが、「そうでもないですよ」と冗談交じりに俵谷さんが普段使っているものを一例として見せてくれました。

以下の画像がその例です。各タスクの開始時間・終了時間をストップウォッチで測ったり、タスクをカテゴリ分けしたりして管理しているようですね。

6枚目

ここで気になったのが、右端の「象限」という項目。「緊急度」と「重要度」の2要素でマトリクスを作り、4象限に振り分けていくことでタスクをこなす順番を決めている、とのことです。
たとえば、”緊急かつ重要なもの”、いわゆるライスワークは第1象限、自己投資のような”緊急じゃないけど重要なもの”は第2象限、といった具合です。

7枚目

続けて、タスク管理の話題に。俵谷さんは、上記のマトリクスと絡めたタスク管理方法を教えてくれました。

「僕が意識しているのは『タスクを書き出しすぎない』ということ。タスクを膨大に書いてしまうと、達成できないものが増えるのでストレスが溜まってしまうんですね。書き出すのは緊急&重要な第1象限のもののみで、自分のやりたいこと、すなわち第2象限のものは別のツールで管理し、仕事中は目に入らないようにしています」

また、タスク管理について、加藤さんが面白い研究を紹介してくれました。

ToDoリストに書き出したタスクのうち、50%は1時間以内で終わり、41%は永遠に終わらない」という研究があるとのこと。今日書いたタスク全てが終わらず、残ったものはまた次の日も書き、また終わらず落ち込んでしまう。このような状態に陥ってしまうことを、加藤さんは「終わらないToDoリストを自ら作って、破滅の道に向かっている」と表現しました。
だからこそ、一日のうちに確実に終わらせるものだけを管理することが大切なのですね。

ここで参加者から生まれた疑問が、「消化できないタスクはどう対処すればいいの?」というもの。
これに対し、俵谷さんは「今やるべきことかどうかを見直す」こと、加藤さんは「優先度を考えて取り組む」ことをあげました。

・自分だけが急ぎだと思ってたけど、相手は待っていなかったこと
・余裕があるからと言って、締め切りが遠い仕事からやってしまったこと
などたまにあると思いますが、だからこそ「何を優先させるべきか」を考えることが大切と二人は語っていました。

モチベーション管理

次のテーマは、モチベーション管理。自宅での仕事が続き、「モチベーションが保てない」という方も多いかと思います。
そういう悩みに対して、俵谷さん加藤さんがそれぞれの取り組みを教えてくれました。

まず、俵谷さんが大事にしているのが、「自分にとって必要な睡眠時間を把握し、確保する」ということ。理由はシンプルで、「眠たいとモチベーションは上がらない」から。
自分がどのくらいの睡眠時間が必要なのかを把握し、その時間をまず確保した上で日々のスケジュールを立てているということです。
必要な睡眠時間を把握するところでもライフログが役に立つのですね。

8枚目

また、「YouTube廃人になってしまう」という誰もが抱える悩みを解決した、語る俵谷さん。そのアプローチは2つあり、Spotifyなどスマホから音楽を流す、空港やカフェなどの雑音をBGMで流す、というものでした。前者はPCでYouTubeを観たくなる衝動を抑えるため、後者はまるでその環境にいる(=家じゃない場所にいる)と錯覚させるために取り入れているそうです。

ここで、加藤さんが、「モチベーションは、小さな進歩と小さな後退から作られていく」という興味深いことを教えてくれました。この言葉の意味を、加藤さんが実際におこなったことを交えて解説します。

一時期、生活が怠惰になっていた加藤さん。毎日必ずやる小さなことを考え決めたのが、「近所の神社まで歩いて行く」こと。それがある程度続いたら、今度は「9:30に近所の神社まで歩いて行く」と小さくレベルを上げていく。そして、10:00に仕事を始め、15:00にコーヒーブレイクを入れるなど、時間と行動をセットにして習慣化していくということです。

その結果、小さく始めたことが自分の習慣を作り、自分のモチベーションが少しずつ上がっていくのでしょう。

9枚目

参加者からの「ダイエットしたいけどお菓子を食べちゃう、といった誘惑にどうすれば負けないの?」という質問に対し、加藤さんの回答は3つ。

一つ目は、「誘惑となるものを視界に入れない」こと。
二つ目が興味深いのですが、「誘惑を先延ばしする」こと。お菓子を食べたくなったら「22時にお菓子を食べる」というように、何かをやりたくなったら先延ばしすることで、行動が抑制されやすくなるそうです。
そして三つ目は「代わりの行動を取る」こと。お菓子を食べたくなったらナッツを食べる、たばこを吸いたくなったらガムを噛むなど、「もし~~したくなったら~~する」という、『if-then プランニング』と呼ばれる思考法をオススメされていました。

10枚目

そしてさらに、「何かをできなくて、自己嫌悪に陥ってしまうときはどうすればいいの?」という切実な質問が。ここでも加藤さんは、心理学の知見を活かしてこう回答しました。

「自己嫌悪に陥るのではなく、まずはできなかった事実を認めることです。それから、『なぜできなかったんだろう?』と考え、『どうすれば解決できるだろう?』と建設的に解決していくことができます。感情ではなく事実を見つめることが大切ですね」

11枚目

習慣化

3つ目のテーマは習慣化。先述の2テーマと密接に関わっているところで、俵谷さん加藤さんそれぞれのこだわりについて伺いました。

俵谷さんが意識するのが、「目標は最小単位にする」ということ。腕立て伏せを習慣化したい場合、最初は習慣化を目的として回数を1回に設定し、2回、3回と徐々に繰り返していく。筋力がついてきたら10回、20回と回数を増やすといったように、段階的に習慣化をするのが大切だと教えてくれました。

12枚目

また、習慣化するための大切な意識として、「自分との約束」を挙げた俵谷さん。習慣化と聞くと堅苦しく感じるものですが、「自分との約束」という言葉にしてハードルを下げ、さらには「他人との約束と同じく、自分との約束を破ると自己肯定感が下がる」と考え、その約束を果たすことで自己肯定感を上げていくようにしているそうです。

続けて加藤さん。モチベーションが上がらないときは、やろうと決めたことは無感情でとにかくやり、その積み重ねが自己肯定感を生む、とのことです。

ここで、加藤さんが興奮気味に話していたことからライフログの話題へ。「ログを取るのは大変なのでは?」という質問に対し、加藤さんはこう答えました。

「ログを取るのは大変だと思われていますが、ログを取ることを習慣化するといいと考えています。習慣化してしまえば後は面倒に感じることなくこなせますし、何より自分を客観視できる優れた方法なので、まずは習慣化までを頑張ってほしいですね」

さらに、加藤さんは利便性からエクセルでのライフログ作成を選択。その項目に
・時間
・タスク
・楽しさ
・大事さ
を設定しています。これは『行動活性療法』と呼ばれるものに従っており、「自分にとって何が楽しくて何が大事なのか」を自分の行動から理解することで、自己肯定感を自分であげる方法がわかるということです。
また、誘惑に勝った回数&負けた回数をカウントすることで、「負けた回数にカウントしたくない」という気持ちが働いて自分の行動を抑制できる、という耳よりなお話でした。

13枚目


(加藤さんが実際に使っているライフログの例)

ストレス対処法

最後はストレス対処法について。
家での仕事が続き、ストレスがたまってきた方も多いと推察します。

まず俵谷さんが紹介したのが「日記をつける」という方法。その中で、楽しかったことと課題について記録しているとのことです。

「前者は、繰り返し挙がっている自己肯定感を上げるため。『ガリガリ君の新しい味を食べてみた』といった些細なことでも記録すると、少しでも満たされた気持ちで一日を終えることができます。一方後者は、やりたいことではなくやりたくないことを書き出すようにしています。そうすることで、自分のストレス源を認知でき、その解決策を考えるきっかけになるためです」

続いて、加藤さんから紹介されたのはストレスの捉え方について。
ストレスを「ストレスだ」と思い込むことが問題だ、と指摘し、捉え方を変えることが重要だと語りました。

たとえば、上司に怒られたら「フィードバックをしてくれているんだな」と捉えたり、在宅ワーク中に子どもの声が気になったら、「子どもは遊んで自分は仕事をするためにはどうすればいいのか?」と建設的と考えたりすることで、必要以上のストレスを感じずに済むということです。

14枚目

ここで俵谷さんが、家族でリモートワークをするときのコツとして、「お互いがストレスに感じることを事前に共有するといい」と教えてくれました。たとえば冷房の温度など、なるべく数値化して共有することで、気を遣うべきポイントがわかって無駄なストレスが生じなくて済むという理由です。

最後に、参加者の方から「習慣の振り返りはしていますか?」という質問が挙がり、俵谷さん加藤さんそれぞれに回答いただきました。

まずは加藤さんから。一日の終わりにライフログを振り返り、誘惑に負けた回数を数え確率を算出したり、負ける理由を書き出すことで自分を客観視することができ、負けないような環境をつくるなど対策を取ることにつなげています。

また、俵谷さんは、象限別に振り返り、「やりたいことをどれだけできたか」「どのくらい時間がかかったか」を見直しています。さらに、月に1回に振り返る時間を設け、その際に習慣ごと見直している、という回答でした。

以上が今回のイベントレポートとなります。

1時間とは思えないほどの濃密な内容でした。参加者の方からチャット欄でたくさんの質問や感想をいただき、全員で密度の濃いイベントを作り上げることができたと感じています。

こちらが今回の集合写真です。全員が映り切ってはいませんが、イベントの満足度を物語るかのような笑顔ですね。

15枚目

参加された方もそうでない方も、今回の内容は今日からでも使えるものばかりなので、皆さんの生活の中でぜひ試してみてください。

また、第1回イベントから私がグラフィックレコーディングをおこなっており、今回も担当しました。
イベントの最後に参加者の方々に見ていただいているのですが、そのときの反応が大変励みになります。

16枚目



《次回オンラインイベントのご紹介》
LivingAnywhere Commonsでは、2020年4月~6月にかけて、ランサーズ株式会社と共催でリモートワークハックをテーマにしたイベントや、LivingAnywhere Commonsの全国各地の拠点とつながるオンラインイベントを開催中です。

次回、第3回目のオンラインイベントは、2020年5月8日(金)08:00スタート。
テーマは「自分らしく、自由に働くための仕事術 リモートワークHow To~vol.3 健康管理・フィットネス」です。

リモートワークが続くと、どうしても体を動かすことが減ったり、食生活が乱れたりと「健康」に関する悩みが生まれます。ゲストの杉浦巌さんと福嶋優奈さんに、「リモートワーク中の食事法」をお聞きし、さらには「家でもできる運動法」を参加者の皆さまと実際におこないます。

「朝から体を動かしてスッキリしたい!」という方、ぜひ以下の申込ページをご覧ください。

▼詳細・お申込みはこちら

https://laconline-remortwork3.peatix.com/

今後のイベントは詳細は、LivingAnywhere CommonsのFacebookグループで案内いたします。よろしければフォローしてくださいね♪

またイベント中にもお伝えしているのですが、本イベントはこれまで何らかの形でLivingAnywhere Commonsに関わった人たちで企画運営しています。「私も関わりたい!」という方がいましたら、ぜひFacebookグループのメッセージにてご連絡ください!

17枚目

(第2回ゲストと運営メンバーの集合写真)

▼LivingAnywhere Commonsとは
株式会社LIFULLが運営する、場所やライフライン、仕事など、あらゆる制約にしばられることなく、好きな場所でやりたいことをしながら暮らす生き方(LivingAnywhere)をともに実践することを目的としたコミュニティです。
メンバーになることで、日本各地に設置された「LivingAnywhere Commons」の拠点の共有者となり、仲間たちと共生しながら、自宅やオフィスにしばられないオフグリッド生活を体感できるだけでなく、理想の生き方を実現するための技術やアイデアを共創していく、刺激に満ちた環境に身を置くことができます。


《ライター&グラフィックレコーダー・角田 尭史》




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