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【言葉】濱口秀司さん 「現在」の楽しみ方 『ほぼ日 糸井重里さんとの対談』より

実際は、過去も未来も現在もフラットです。フラットなんだから過去や未来に期待するのではなくて、どう考えても一番コントロールしやすい目の前の「現在」を工夫して、思いきりたのしむほうがいいと、僕はそう思っています。

ビジネスデザイナー濱口秀司さんの言葉です。糸井さんとの対談の後半にあるので、そちらのリンクを貼りますが、ぜひアタマからお読みになることをお勧めします。(対談は6時間にもなったらしく、分量もたっぷりです!)

「いまここに集中してがんばろうよ!」と主張したのが『エッセンシャル思考』であり、林修先生の「いまでしょ」です。いまは大切です。

だけれど“いま”がなんかおもしろくなるようなモヤモヤを感じることも、なくはない。これはなんだろう。

濱口さんは、人は過去と未来を美化してしまいがちと言います。それゆえに現在(いま)を美しい過去と未来に挟まれた谷間として感じてしまうのだと。「現在そんなおもろないやん」となっちゃう。膝を打ちました。

過去の美化

濱口:「人間っていつのまにか過去を美化するんです。
なぜなら、人生は辛いことがいっぱいあるのに、
過去を振り返るときに
辛いことを引きずったままだと生きていけないから。
無意識のうちに美化して、辛さを軽くして、
自分をコントロールしてしまう。

僕も気をつけないと、かなり美化してしまいます。」

#10年を振り返る というハッシュタグがTwitterに話題になっていましたが、過去を無意識に美化して自分をコントロールすることって、とてもいいことなのだけど、「無意識」であることは気をつけてもいいかも。

たしかに理学博士の佐治晴夫さんは「未来が過去をつくる、どれだけ過去が辛くても未来で成功すれば過去はすべて成功のための道筋になる。未来が良くなればどんな過去でもいい思い出になる」といったことをおっしゃっています。キングコングの西野さんもかなり近いことを言っていました。

このような考え方は、あくまで過去に囚われないようにするためと割り切って、うまく使えればいいなあと思います。

未来の美化

濱口:「そして、未来にも期待します。
未来を暗黒に描く人ってすくなくて、
空を自由に飛べるとか、
世界中の人が暖かくつながるとか、
精神的に健全な人は
未来を美化してポジティブに描くんです。」

未来への期待があるから世の中の経済が回っているように、未来に希望を持つことは現在の社会システムには前提として埋め込まれているように思えます。けっして悪いことではないと思う。

「未来になるにしたがって世界はよくなっているよ」と、圧倒的なデータをもとに描いた人類史が『繁栄』ですが、こういった本も好きです。これから自分に期待をしているような人も好きです。

で、もちろん未来に期待するのはいいけれど、濱口さんは「未来はいくら考えてもよくわからない」と言い切ります。未来の夢地図を小さい頃に描いたけれど、ほとんど当たっていないでしょう。たしかに。

そう、未来予測なんてできない。だけど現在に実現している小さいことの積み重ねがやがて未来をつくるんですね。だからこそ一番コントロールしやすい「現在」を工夫して思いきり楽しむ。濱口さんはひたすら企画する。

過去・現在・未来という時系列をフラットにとらえ、人が陥りやすいバイアスを見つけてまずは認めてしまう。そのうえでコントロールがもっともできる「現在を楽しもう」という考え方はとってもわかりやすくて腑に落ちました。

これからも考えていきたい言葉です。

というわけで以上です!

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