見出し画像

脳に良い叱り方、叱られ方

我が家には、思春期真っただ中の中学生の息子がおり、毎日、毎日、叱り飛ばしております。

隔週で、知り合いのアナウンサーの方が講師を務める話し方教室に通っていますが、先日のお題は、「松下幸之助著 “道をひらく”の中の“真剣に叱られる“という文章を読んで、意見を述べる」というものでした。

そこで、私は、真剣に叱られたとき、脳ではどんなことが起きているのか調べてみました。

脳には、報酬系と罰系という領域が存在しますが、叱られると、どちらかが刺激されます。

報酬系が刺激されると、わくわくホルモンである「ドーパミン」が分泌され、リラックスする神経(副交感神経)が働き、脳は快さを感じ、やる気が出たり、集中力や思考力、運動能力、はてまた免疫力までUP👆
対して、罰系が刺激されると、ストレスで分泌される「ノルアドレナリン」が分泌され、カラダの緊張状態を引き起こす神経(交感神経)が働き、脳は不快、苦痛を感じ、免疫力も低下してしまいます。

叱られた場合にどちらが刺激されるかは、自分の感じ方ではなく、脳が判断します。

例えば、青汁を飲んだ場合、不味さで苦痛を感じていたとしても、【カラダに良いものである】と認識していれば、報酬系が刺激されますし、好きな音楽を聴いて、気分が良く、リラックスしていると思っていても、翌日が試験などで【音楽を聴いている場合ではない】という意識があれば、罰系が刺激されます。

つまり、こっぴどく叱られたとしても、【良いことである】と脳が認識している場合は、報酬系が刺激されるのです。

報酬系が刺激される叱られ方の条件としては

・叱る側と叱られる側に、信頼関係が出来ていること

・叱られた側は、その内容を理解し、納得していること

・叱った側は、叱ったあとに、叱られた側に、期待や信頼を伝えること

この3点が、考えられます。

実際、前述の超問題児な息子の話になりますが、小学校時代の担任の先生の中には、昔ながらの体育会系教師にありがちな、頭ごなしに叱り飛ばすタイプの先生と、悪いことをすると黒板に名前をでかでかと書き、他のみんなよりも宿題を与えるという罰を与える先生がいました。この先生たちが担任だった年は、クラス全体が荒れていて、イジメが横行し、彼はしょっちゅう、大好きな養護教諭がいる、居心地の良い保健室に逃げ込んでいました。
今の中学の担任の先生は、生徒との信頼関係を重視する先生。必ず、彼の言い分を聞いてくれます。わかりやすく、どうして悪いことなのか諭してくれます。学校の備品を割ってしまったときも、自分から名乗り出たため、まず、自分から名乗り出たことに対して、褒めてくださいました。おかげで、今では、彼は保健室に逃げ込むことはなくなりました。

※今回の記事は、遠藤均教授(星槎道都大学経営学部)「叱る教育、褒める教育」(星槎道都大学研究紀要 2021)より抜粋させていただきました。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?