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笑う門には福来る〜コロナ禍での免疫力アップを考える〜

紀元前 の 中国 の 医 学書 には、笑 い が 健康 によ い こ と が 書か れ て お り、 古代 ギ リ シ ャ でも喜 劇 を 見 る こ と が 病 気 の 治 療法 と 見 な さ
れ て いました。日本でも、古くから「笑う門には福来る」という言葉が使われています。私も、10年近く前の話ですが、風邪をこじらせていたときに、当時小学生だった次女の参観があり、当時流行っていた「謎解きはディナーの後で」(北川景子さんと嵐 櫻井くんのドラマ)のパロディーを、次女が北川景子さんの役、幼馴染の仲良しの男の子が、櫻井くんの役で、ふたりとも成りきって演じたため、保護者を含むクラス中が大爆笑。風邪が治ってしまったことがありました。笑いやユーモアが、健康に良いということは、皆さんも経験的にもおわかりなのではないでしょうか?

笑いは、免疫細胞であるNK細胞の活性を高める

笑いの免疫系細胞への効果としては、NK細胞の活性を高めることがよく知られています。NK細胞とは、 自然免疫(人間に元々備わっているしくみで、免疫細胞が自分と自分以外を認識することで、非自己である病原体をいち早く認識し、攻撃することで病原菌の排除を行う)の 中心的役割を担っています。また、癌化した細胞や、ウイルスなどに感染した細胞をいち早く認識し、殺傷するといわれています。近年、このNK細胞は、他の免疫細胞が、生まれつき備わった能力を保持するのに対し、加齢や、日常生活のリズム、食事、メンタルの状態などに非常に左右されやすい性質を持っていることがわかりました。そこで、登幹夫博士が、がんや心臓病の患者に吉本興業の舞台公演を観てもらい、NK細胞活性を測定したところ、 舞台観劇後、ほとんどの患者で NK 細胞の活動が増加しました。 また、パスツール研究所の客員研究員である伊丹仁郎博士も、ガンなどの患者8名と健康な11名の方に、吉本興業の舞台を見てもらい、NK細胞活性を調べたところ、 結果は、NK 細胞活性は3 ~ 4 倍に増加しました。これらの研究では、被験者に1時間程度、笑っていただいたのですが、3時間程度笑っていただいた実験では、逆に、NK活性が低下していました。何事も適度が良いといいますが、「笑い」も同じことがいえるようです。

つくり笑いでも大丈夫

ストレスホルモンである唾液中のコルチゾールの量をつくり笑いをする前と後で測定したところ、ストレスの指標であるコルチゾールの量はつくり笑いの後のほうが減少することが分かりました。ストレスが解消するとNK細胞の活性が上昇するので、つくり笑いでも、本当の笑い同様、免疫力アップにもつながることがわかってきています。

NK細胞の活性が高いと、癌の再発率が低くなる?

 咽頭がん患者のNK細胞活性を、手術前に測定し、患者さんをNK細胞活性が高いグループと、NK細胞活性が低いグループの2つのグループに分けました。 手術から3年後のがん再発率を2つのグループで比較したところ、NK細胞の活性が高いグループの方が再発率が低いことがわかりました。逆に、NK細胞の活性を測定し、Stage進行を予測した研究もあります。同じくNK細胞活性を高めるポジティブイメージが癌治療に用いられているように、研究が進めば、吉本の笑いを組み込む癌治療法なども、今後、提案されるかもしれないですね。

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