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体と薬と健康と・・・第15話 目薬のこと

皆さんこんにちは。
薬剤師の豊島です。
健康コラム『読み物サプリ』。
ここしばらく内臓系の
ちょっと重い話が続いたので、
今回は「目薬」についてクイズ形式でお話ししたいと思います。

では、早速。
正解だと思うものを選択してみてください。


Question1  ソフトコンタクトレンズと目薬

「目薬」には、
「ソフトコンタクトレンズ装着時は使用しないでください。」と記載されているものがあります。
目薬をやむなく点眼した後、
ソフトコンタクトレンズを装着する場合、
どれくらい時間をあければいいでしょうか?
① 1分 
② 3分 
③ 5分 
➃ 10分

Answer

「ソフトコンタクトレンズ」は、
角膜(黒目の部分)をすっぽり覆うレンズで、
角膜が呼吸できるように作られたデリケートなもの。

目薬によっては、
目薬の成分や保存剤などが徐々に吸着され、
レンズの性状に影響を与えたり、
目に刺激を与えてしまうことがあります。

ではやむなく目薬を装着しないといけない場合・・・
例えば、花粉症の季節に、
目のかゆみを緩和したくて、どうしても点眼したい場合はどうすればいいのでしょうか?
まず、手洗いなどで手を清潔にし、
ソフトコンタクトレンズを外したあと、
必要な目薬を点眼します。
一般的には点眼後は、5分以上の間隔をあけてから、
ソフトコンタクトレンズを装着します。

ということで正解は「③ 5分」

Question2 何滴が最適?

「目薬」は、何滴点眼するのが効果的でしょう?
① 1滴 
② 2滴 
③ 3滴

Answer

目薬1滴の薬液量は、約50μLマイクロリットルです。
これに対して、点眼を受ける結膜嚢けつまくのうの容積は、
30μL程度とされています。

そのため、1度に何滴点眼しても効果が増すわけではなく、
むしろ、薬液が鼻腔内へ流れ込み、
鼻粘膜や喉から吸収されることで
副作用を起こしやすくなります。
ということで正解は、「① 1滴」です。
1滴で充分なのです!

Question3 目薬の使用期限

一般的な市販の「目薬」は、一度開封したら、使用期限はどれくらいでしょうか?
① 1週間 
② 1か月 
③ 2~3か月 
➃ パッケージに記載されている使用期限

Answer

まず、パッケージなどに記載されている「使用期限」は、
あくまでも開封しない状態での使用期限です。
では、開封後は?

一般的に防腐剤無添加の目薬は、開封後10日前後とされています。
防腐剤が添加されている目薬では市販薬では、
2~3か月
とされていますよ。
ただし目薬の使用状況や、
保管条件(場所や温度など)によっても変わるので、一概には言えません。あくまでも、目安としてとらえておきましょう。

また、薬液に濁りや浮遊物などが認められた場合は、
使用してはいけません!
目薬に配合されている成分が変質して、
目に悪影響を与える可能性大です。
万が一点眼してしまった場合は、その目薬をもって眼科を受診しましょう。ということで一般的な目安としては、「③ 2~3か月」とし、
夏場などは、1か月を目安にするとしましょう。

Question4 目薬の色っていろいろ

「目薬」には、色のついた目薬がありますが、これはなぜでしょうか?
① 点眼状態がわかるように着色している
② 有効成分の色  
③ 容器内の残量がわかりやすいようにするため

Answer

目薬には、
「着色目的」での「添加剤」の使用は認められていません。
目薬に色がついているのは、
配合されている「② 有効成分の色」の影響です。

洋服への色うつりに注意

例えば赤い色の目薬は、
「ビタミンB12:シアノコバラミン」の色。
ビタミンB12は、目の調節機能を助ける作用を
期待して配合されています。

黄色の目薬は、「ビタミンB2:リボフラビン」の色です。
ビタミンB2欠乏が関与する角膜炎に対し、
改善効果を期待して配合されます。

Question5 目薬のさし方

「目薬」を点眼したあとはどうするのがいいでしょうか?
① 目薬が全体にいきわたるように目をパチパチするといい
② しばらくまぶたをとじておく

Answer

点眼後は「②しばらく眼瞼がんけん(まぶた)を閉じ」て、
薬液を結膜嚢けつまくのう内に行き渡らせるといいです。
その際、
目頭を軽く押さえると、
薬液が鼻腔内に流れ込むのを防ぐことができ、
効果的とされています。

監修:元徳島文理大学香川薬学部 池田教授

いかがでしたでしょうか?
目薬は結膜嚢けつまくのうに適用する医薬品ですから、
通常無菌的に製造されています。
ただし、むき出しの臓器ともいわれる「目」に使用する医薬品なので
正しい使用法を理解して、細心の注意をはらいながら点眼しましょう!


ということで今回は、
「目薬」について触れてみました。 
次回もお楽しみに✨

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