8 祖父の話④

以下2009年11月20日の日記の再録。
北海道の家を引き払って実家の近くに2人で住んでいた時の一コマです。祖父93歳、祖母89歳。

おじいちゃんは今日、とてもお元気で安心しました。
5日間の出張(ショートステイ)からお帰りになったところをおばあちゃんとお迎えしたわけですが、やはり長く他の方とお話した直後とあって、とても会話がはずみました。

じ「しかしこうして見るとおばあちゃんはなかなか美人だねぇ・・・。
ショートステイのご婦人方は、・・・ご婦人に年齢を聞いたら悪いけれどもういいよな、と思って聞いたが、みんなおばあちゃんよりも若いというじゃないか」
ば「そういう時は『大正何年のお生まれですか』と聞くんですよ」
じ「そうだな。・・・しかしもう、大正生まれの人もいないんでないか」
ば「そうですね。明治なんてもっといないですね」

(中略)

じ「しかし、願わくばおばあちゃんより先に死にたいものだよ」
私「そう?うちのTさんなんて、『私が先に死んだら悲しむ?』って聞いたら、『やったー!って若いお姉ちゃんと結婚する』ですって。ひどいわよね~」
じ「そうか。・・・そういえばある人がな、歳の差のある男女で結婚して、こう(両手を交互に半分ずつずらして下におろしながら)していくといいなんて言っていたぞ」
私「あ、それ頭いい!お互い元気なうちが負担が少なくていいね」
じ「しかし女の人は不利になってしまうな」
私「・・・マレーネ・ディートリッヒには若い男性が仕えていたって言うけど・・・それくらいの女性なら可能かもしれないけどね」
じ「そりゃあマレーネ・ディートリッヒくらいならな!」

そう、それくらいの器量と甲斐性がある方はなんでも良いようになさればよいわけですが、そうも言っていられない庶民は、だから昔は末娘を家に残して世話をさせたし(その人は後に兄弟の家族がみる)、現在なら老老介護で苦労したり、うっかり詐欺にあってしまったりするわけなので、やはりショートステイやヘルパーさんのサービスを受けられる介護保険は偉大なのですね~。

なお、マレーネ・ディートリッヒのお相手はバート・バカラック(作曲、編曲者「雨にぬれても」等)だそうです。今日の予習は、映画全盛の時代に青春をすごした二人に併せて「人びとのかたち」塩野七生でした。

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