許してほしい物語

「許してほしい物語」
という類型がある。
(正式名称は思い出せない)

先住民族などと関わる物語に見られる。

昔ドイツのテレビ西部劇にWinnetouというネイティブ・アメリカンと白人の友情の話があり(wikiで40年ぶりにドイツ人作家原作のベストセラーだったと知った)それなどは典型のように思う。

太田川で泳いで育った祖母が「朝鮮人街の子とも遊んだ、家に招かれて食事を共にしたことも」と昔語したのもその範疇か…などと思う。

祖母の昔語は一筋縄ではいかなくて、総軍で李鍝(ぐう)公のおつきが自害したことと直後の終戦を受けて「上官が『もう少し待てばよかったのに』と言っちょった」と証言していて…深淵がそこにあるように感じた。
みなまで言ってしまえば、日本の皇族に殉死しても上官は同じことを言ったかどうか?という疑問が残るからだ。

この祖母が中国方面司令部の獣医部隊にいた祖父と結婚した。戦後祖父は北大に復学。タロジロの犬飼博士にも学んだという。

祖父に連れられて、北海道開拓記念感や北大植物園を回った。北大植物園にあったアイヌの装束の一式などがどのような経緯で展示されているのか、当時は聞いたことがなかった。祖父はイヨマンテの習俗について本で物語ってくれたが、シャクシャインやコシャマインの名は当時は聞いたことがなかった。

「ゴールデンカムイ」の作者は祖父母と同じ町内に住んでいたようだ。自分と同年代なので、あのあたりの資料を見たのだろうと懐かしく思い出す。

「許してほしい物語」としてはヤンチャが突き抜けているのが、誰しも手放しで金カムを楽しめる理由かと思っている。

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