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Hej! Laere vol.40 未来を想像する「Future design workshop」/ Voice from finland最終回!

 対話を通して未来を創造する「Future design workshop」

弊社レアでは、教育プログラムの開発に向けて弊社内で勉強会・ワークショップを定期的に行っています。今回は昨年弊社に入社したメンバー主催の「Future design workshop(未来デザインワークショップ)」の様子をご紹介します。

本ワークショップを企画・進行したみなみさんはスペイン・エリサヴァ大学にて「複雑性の中の戦略デザイン」修士課程で学んだのち、昨年秋に弊社へ入社。社会に変革を起こすためのシステミックデザインを学んできた彼女の実践をもとに、未来洞察とシステミックデザインの手法を活かしたワークショップを開催し、未来を創造するプロセス・対話のあり方を学び合いました。

社内で実施した未来デザインワークショップのようす

ワークショップでは、メンバーそれぞれが集めてきた「未来の兆し」となるニュースを共有。共通点やおもしろい掛け合わせを見つけ、未来のシナリオを一緒に考えていきます。今回はチームで集まった複数の洞察をもとに、「若者が地方都市へ、アクティブなシニアは東京へ移動する未来」のシナリオを想像し、未来の社会の変化と可能性をマッピングしました。

ワークショップ全体を通して、集まった人々の視点、そこから浮かび上がる可能性をつぶさに観察する過程はとても人間的で、AI時代であっても必要な社会の眼差しを獲得できた時間でした。また、普段一緒に働いているチームであっても、ものごとを見る視点に違いがあることに気がつき、その違いやアイデアを重ね合わせて「くるかもしれない」未来を共に作り上げる時間はとても創造的だったと感じています。

今回社内で実験したワークショップに関しては、よりブラッシュアップした形でみなさんにお届けできるよう準備中です。今後の取り組みに関しては、継続的にお知らせいたします。

Voice from Finland

Moi!(こんにちは!)フィンランドのアアルト大学に留学しているえりかです。前回のニュースレターでは、私が在籍している修士課程Collaborative and Industrial Design(CoID)の同級生、イルッカ・ヴィルヤンマーさんにお話を伺いました。最終回となる今回は、産学連携のデザインプロジェクト「Pack-Age」について、ゆるりとお話しさせてください。

学部の垣根を超えたチームプロジェクト

2010年にフィンランド政府のイノベーション政策の一貫として、ヘルシンキ工科大学、ヘルシンキ経済大学、ヘルシンキ美術大学が合併して誕生したアアルト大学。アアルト大学では、エンジニアリング、ビジネス、デザイン・アートといった異なる専門性を持つ学生たちが集い、企業や行政と共同でプロジェクトに取り組む機会が充実しています。

必修科目をほぼ修了した2年目も、選択科目や副専攻として、様々なチームプロジェクトに積極的に参加し、国籍や年齢、バックグランドの異なる学生たちと課題解決型のプロジェクトに取り組んできました。今回はその中から、2023年の秋学期に参加した産学連携のパッケージデザインプロジェクト「Pack-Age」ついて紹介したいと思います。

チームで取り組んだペット用おやつのパッケージデザイン

Pack-Age
Pack-Age」は、2011年から始まったアアルト大学のパッケージデザインの副専攻で、ヘルシンキ大学とラハティ・インスティチュート・オブ・デザインの学生との学際的なチームで行う、3ヶ月間の実践型のプロジェクトです。このプロジェクトでは、前半では背景調査やユーザー調査を中心に課題に対するコンセプトを開発し、後半ではクライアントや印刷会社と緊密に連携を取りながら、見た目だけでなく機能性が高く、持続可能なパッケージデザインの作成を目指します。

私のチームメンバーは、ヘルシンキ大学で食品科学や食品経済学を専攻するフィンランド人の学生2人と、ラハティでパッケージデザインを専攻するフィンランド人とブラジル人の学生の合計5人で構成されていました。ビジュアルや構造デザイン、ブランディング、材料技術、ユーザーエクスペリエンスなどの様々な視点からプロジェクトに取り組み、フィンランドの製紙メーカー MetsäBoardと協力して、チーム全員で「散歩中に持ち歩けるペット用おやつのパッケージ」をデザインしました。

CoID学科について紹介した第2回の記事でも触れましたが、アアルト大学はグループワープ中心の授業がとても多く、チームでの共同作業を避けて通ることはできません。個人作業が大好きな私にとって、グループワークは常に苦戦するものですが、「大学は学びの場で、失敗することも学びの一つ!」と割り切って、前向きに取り組むことを心がけています。Pack-Ageのプロジェクトでも、チームとして、そして個人として、成功したところも課題が残るところもありましたが、プロジェクトを通して新しいことを学ぶことができたことをとても嬉しく思います。

チームメンバーの愛犬Roosaもチームの一員

私にとっての「幸せ」な時間
フィンランドに来てからあっという間に1年半が経ちました。修士論文以外に必要な単位を取り終えた今は、テキスタイルやパターンデザイン、コミックアートプロジェクトなど、専攻以外で興味のある分野の授業やプロジェクトに参加しつつ、卒業に向かって修士論文を少しずつ進めています。修士論文は留学生活最後の大きな課題となりますが、気負い過ぎずに、自分の「興味」や「好き」を深める時間を楽しみたいと思います。

ご存知の方も多いかと思いますが、先日発表された2024年版の「世界幸福度ランキング」では、フィンランドが7年連続で1位を獲得しました。幸せの基準は人それぞれ異なるものだと思いますが、自然豊かな環境の中で、世界中から集まった優秀な学生たちと一緒に、大好きなデザインを学んでいるこの時間は、私にとって間違いなく「幸せ」だなあと感じています。

アアルト大学の先輩・吉田真理子さんから引き継ぎ、約1年間連載させていただいた『Voice from Finland』は、留学生活で得た学びや発見だけでなく、この幸せな時間そのものに気づかせてくれる大切な存在でした。Laereの皆さま、ニュースレターの読者の皆さま、このような貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました!またどこかで、皆さまにお会いできる日を心より楽しみにしています。

それでは、Nähdään!(また会いましょう!)

3月でも雪景色のアアルト大学

えりかさんにご寄稿いただいた「Voice from finland」は本日をもって最終回となります。約1年間、実体験を通してフィンランドの生活やアアルト大学での学びを伝えてくださったえりかさんに感謝です!

次回からの「Voice」はどこから届くのでしょうか。みなさま、どうぞお楽しみに!

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それではまたお会いしましょう!Hej Hej 👋

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