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側弯症 術後1日目

前回までのあらすじ

術後ICUで熱い夜を過ごし(発熱)
翌朝コップ一杯のお水で生き返った私は
お昼頃 ようやく病棟へ移れることになった。


2/15
ICUを出て、ベッドで横になったまま院内を移動する。
痛みはあったが、痛み止めが効いていたのか、
自分が術前に想像していたより だいぶ楽であった。

痛みよりも、自分の意思には関係なく
目の前で勝手に過ぎ去っていく景色に
頭では分かっているのに知らない場所のような
変な感覚を覚えつつ ながめていた。

ICUから病棟へ移る途中、ギブス室に寄った。
術後に装着するコルセットの型取りをするためだ。

ギブス室に入ると、
鉄棒で組み立てた箱の中にベッドごと差し込まれた。
技師さんの指示通りに少し横向きになる。
動くとやはり痛い。うっ、という声が出てしまう。
身体がロボットのようなぎこちなさで不自由だ。

すっと体の下に太いゴムが差し込まれた。
体勢が戻ると、つり革を掴むように言われる。
ぐぐぐっと、てこの原理で体が空中に浮いた。

周りに技師さんと看護師さんがいるから大丈夫。
落ちないように見てくれている。けど少し怖い。
スリル満点なアトラクションだ。
石膏のガーゼでぐるぐる巻きにされていく。
一方、タブレットのような3Dスキャナーで
端末の中に瞬時に形が読み込まれていく。

そしてそんな中でコルセットのデザインを聞かれた。
単色物と柄物。マリメッコのような花柄が目に入る。
だが、服の下に付けるものだ。さすがに選べない。
というか、そもそも吊るし上げられた状態である。
このタイミングで聞くのか、と内心苦笑しつつ、
全体は灰色単色、ベルトは黒色にした。

コルセットの型取りは病院によって
タイミングが違うかもしれない。
ただ私の病院は型取りが早く、
石膏の仮コルセットもすぐ届いたおかげで
ある程度体を起こしてご飯を食べることが出来た。

私は痛みに強いようであまり気にならなかったが、
他の患者さんは痛みに叫んでいたらしい。
痛みの感覚も人それぞれ。
私は術前に手術した人のブログや動画で
かなり痛いことを知っていた。
自分自身も検査入院で
死にそうな程の気持ち悪さを経験していたので、
脳内でその両方に苦しむことを前提に想像していた。
事前予習の賜物だったのかもしれない。

しかし術後熱は想像していなかったので、
この後1週間ほど熱で苦しむことになった。
このことはまた次の機会に話す。

そしてコルセットの型取りが終わり、
お昼すぎにやっと病棟へ着いた。
その後一日ぶりのご飯(お粥)が出てきたが、
正直お腹はそんなに空いてなかった。
でも水分はとてもありがたかった。

術後 ICUに入るため 一度病室から離れるので、
初日は一日分の荷物のみ持って入院する。
病棟に移ったあと家の人に
それ以降の荷物を持って来てもらうように
入院説明を受けていたので、母の到着を待った。

初日の面会は母と姉がやってきた。
母にはLINEで水を買ってきてほしいと
伝えていたので荷物と一緒に持ってきてくれた。
2Lの大きな水。
残念なことに今の私にはその2Lさえ持ち上げられない。
仕方ないので、この時は母に水を注いでもらった。
その後も、術後2日間ほどは
様子を見に来てくれる看護師さんに
コップに注いでもらいながら生活していた。

術後2、3日の水分補給は、
500mlのペットボトルに長めのストローがおすすめ

正直 痛みに関しては 私の場合肩透かしを食らった。
想像よりも辛くはなかった。

ただ、夜だけはどうしても眠れなかった。
痛みとしては、生理痛のような腰が重たく感じる痛み。
体は不自由で、簡単に寝返りも出来ない。
そして私の場合は術後熱が高く、体の熱さが辛かった。
熱さと体の違和感で何度も目を覚ましていた。
感覚的には30分から1時間おきくらい。
しかし、どんなに長い夜も必ず明ける。

そうして術後1日目は幕を閉じた。

続く

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