前回までのあらすじ
2/14 側弯症手術当日
2/15 コルセットの型取り
2/16 管が抜ける。リハビリ開始 (座る・歩く)

術後2日目の夜から4日目の明け方までは
術後熱のせいで 入院生活のなか最も苦しんだので
まとめて書いていこうと思う。

リハビリが開始した術後2日目の夜
私は今までに感じたことの無い背中の痛みと
滝汗を伴う術後熱で一番辛いときだった。

考えてみれば当たり前のことだが、
手術によって背骨の位置をできるだけ
真っ直ぐに固定するというのは、
身体からしたら 大引越しなわけだ。

リハビリをしたことによって驚かせたのか、
その日の夜はまるで成長痛のような痛みに苦しんだ。
体を動かすとぎこちなく ボキボキと音がした気がした。
そんな自分の身体の悲鳴に狼狽えた。

今まで歪み曲がった背骨とともに成長した筋肉たち
小学5年生の時に診断されたので かれこれ15年。
突然移動させられた挙句、
今日からこちら側で働いてくださいと……
瞬間的に馴染めという方が酷である。

その上、私の場合はかなり術後熱が続いていた。
だいたい日中で37度後半から38度超えくらい。
滝汗をかいていた夜中は体感的にもっと高く、
身体に熱がこもり体力を削られていくのがわかった。

夜、鈍い痛みのなか眠りにつくと、
高熱の頭のなかで変な生物？に追いかけ回された。
今思えば本当に人は高熱を出すと変な夢を見るようで
あれはなんだったんだろうかと考えながら目が覚めた。
とりあえず水を一口飲んで もう一度眠りについた。

今度は背中の違和感に寝返りを打とうにも、
身体から成長痛のような叫びが聞こえる。
うーーーんと唸りながら寝返りをして、
落ち着きそうな体勢を探してまた眠る。

次は体が熱すぎて さらに眠りが浅くなっていく。
暑くて布団を外すが、まだ冬の夜。
汗で冷えて寒くなり 布団を被るの繰り返し。
だいたい明け方4時には滝汗で気持ちが悪く
はっきりと目が覚めてしまう。

この時ばかりは本当に参ってしまった。
夜なんだからゆっくり眠らせてくれ！と
心の中で自分の身体に腹を立てたりもしたが
水をちまちまと飲みながら心を落ち着けて、
どうにか過ごしていた。

2/17 術後3日目

そんな状態で朝を迎えるが、
意外と 日中は熱のことをあまり気にしなかった。
他のこと(食事やリハビリ、暇つぶし)に
気が持ってかれるからだろうが、
気にしないでいられることが有難かった。

朝昼晩と熱を測りに来てくれる看護師さんが
アイスノン(氷嚢のようなもの)を
取り替えてくれたおかげで
少し楽に過ごせていた。

午前中にリハビリ(少し長めの距離を歩く練習)をして
昼食のあと、やっと体を拭いてもらえた。
このとき手術着から初めて自分のパジャマに着替えた。
着替えは体を拭くと同時に行うので、
ベッド上で転がり、体下に服をねじ込みつつ
また寝返りをして反対に通すような感じで行われた。

そして、尿の管を前日に外してもらっていたので
この日は点滴も抜いてもらい、管が全て無くなった。
寝返りのときも、起き上がるときも、
もう管を気にせず動けることが嬉しかった。

しかし、術後熱のせいもあるが
点滴(水分補給)が無くなったこともあって、
この2日間は本当によく水を飲んでいた。
1日2Ｌを余裕で飲めるのですぐに無くなってしまう。
自販機に水を買いに行くのもリハビリと思い、
病棟の中をよく歩いていた。

そして、この日の夜も前夜と同じように、
成長痛と術後熱でうなされていた。
この時思ったのが、体を拭くシートなどを
用意しておけばよかったと心底思った。

2/18 術後4日目

この日も明け方4時に滝汗で目が覚めていた。
しかし、山場は超えたようで前日よりは楽だった。
ただやはり体力は削られているようで
朝からすでに疲れていた。

幸い、リハビリは日曜日休みだったので、
教えてもらった腹式呼吸での腹筋の筋トレや、
肩回しなどのストレッチをして過ごした。
それ以外の時間は特にすることも無く、
午前中はゲーム、午後は本を読んでいた。

翌日、術後5日目には
体に合わせて作られたコルセットが完成して届く。
それ以降かなり体が動かしやすくなって
屋上庭園などに出かけるようになるが、
今回は長くなってしまったので
また次のnoteに書くことにする。

続く