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インボイス。

そろそろインボイス制度が近付くにつれて、反対運動も見かけるけれど、実際のところ取引先からは問い合わせが何件かあり。これで番号ありません、なんて回答をしたら取引停止もあり得るのでは?と脅威を感じます。

それを見越してウチは番号を取得したけれど、番号があっても、個人との委託取引は面倒だったのか、取引停止になった店舗もあったりします。委託者とは一律に取引停止。委託品って細々していて事務作業も手間だろうし、店側にしてみたら良い機会だったのかもしれません。

そんな風に、今は個人で活動するクリエイターが、割を食っているのではと思います。加えて電子帳簿保存法がもうすぐで。今から少しずつ慣れておこうと、ネットで購入したものなんかは、領収書をダウンロードして整理しているのだけど。手間ばかりかかって、とても不毛な作業のように感じます。

でもこういう法って、主に大きな企業向けのものなんですよね。5~7年保管しておかないといけない帳票類で場所を食うし、会社によっては倉庫を借りたりするのだろうし。保管料もばかになりません。

でも零細個人事業者にまで、こんな厳密な法を強制しなくたって良いのでは。政治家の領収書がどんぶりなんだから、それなら政治家もきっちり管理しないと、不公平も良いところです。

インボイス制度を声優や漫画家が反対する理由が、クリエイティブな時間を削られるというもので。一般の人から見たら、みんな税金取られているんだし、経理作業くらいきちんとやりなよ、という批判はあると思います。

でも、そんな簡単な問題ではないような気が。クリエイターは気分を仕事にしているところがあり、神が下りて来た時に一番パフォーマンスを発揮したりするのです。

そこでこんな細かい事務作業や計算を強制されると、そもそも苦手な人にとっては足を引っ張られるどころか、それらが重荷になってモードに入りにくくなり。逃避して何も出来なくなったりする恐れがあるから、あんなに反対するのではないでしょうか。

昔の人はその辺よく分かっていたので、芸能人の報酬なんかは支払い時に税金を源泉徴収され、ちゃんと帳簿を提出したら払い過ぎた分を還付するシステムになっています。計算とか苦手な人は、申告をスルーして多めに取られても良しとした人も多かったのではと思います。

しかし時代は進み教育も進んでITで情報網も発達したし。最近はきちんと確定申告をしている人も多そうです。インボイス制度も事務作業としては簡易課税制度を利用すれば、それほど面倒にはなりません。

でも、インボイスを取ると必ず、少なくない額の税金を納めないとならなくなるから、大半の人が大ダメージです。しばらく2割特例があるそうなので、まあ何とかなるけれど、どうかその制度を売上高1000万円以下の人へは恒久化してくれないものかと切に願います。

しかし電子帳簿保存法は来年から義務化されます。今まで白色申告で済ましていた人たちも、ネットで購入したものは紙の領収書を忘れずに発行してもらわないと、データでの管理を迫られる事になります。PCで仕事をしている人ならともかく、スマホだけな人にとっては面倒な事になるのでは。

どうせ税務署が調べに来る確率なんて微々たるもの、調べたって税金なんか取れない程度の額しか稼げない人にまで、こんなに厳格な管理を迫る必要があるのか疑問です。誰も得をしない無意味な作業に、多大な時間と気力を割かないといけないなんて、余計に生産性が落ちるのではないでしょうか。

特にクリエイターは、何かを生み出してナンボな人たちなのに。彼らの気力を吸い取って、不毛な事務を強いるのは、事務的には正しいのかもしれないけれど、政治的にはかなりの悪手だと思います。

欧州なんかインボイスインボイスとうるさいから停滞するのでは。ネット通販なんかもインボイスを取らないと出来ないので、海外から気軽に何か出品なんて出来ません。取引をするにもインボイス番号がどうのと面倒な事を言われ、複雑なので忌避してしまいます。

だからエリートしか稼げなくなって、そういうのが苦手な人は専門家の鴨にならないと何も出来ず、諦めて薬物に逃避する人が多いのではと思ったり。

不毛だからインボイスを止めようという声があるのに、日本ではこれから導入だなんて何故?しっかり税を徴収して、所得の低い人にはベーシックインカムとかで分配するというのなら理解出来るけど、海外にばらまくために搾り取るのは勘弁して欲しいと思う今日この頃。

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