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第1話のストーリー(1,000字まで)
マル 主人公
おじい おじいちゃん。主人公マルが「おじい」と呼ぶ
母 主人公マルの母
 
古い公民館でおもちゃを解体し、必死に螺子を回すおじい。机に転がる螺子を一つ取り、おもちゃにはめる。何かを得たようにニッと笑うおじい。
マル『僕のおじいちゃんは、おもちゃドクターだ』
 
場面はかわり、マルの自宅。
おじいが薄いケース鞄を手に出かけようとする。すると背後からマルの母が声をかける。
母「もう、お父さん。またお出かけですか」
おじい「ああ、ちょっと昼過ぎまで出かけてくるよ」
母、そっとため息をつく。
家を出るおじい。
母はマルに声をかける「マル、あんたおじいちゃんがどこに行ってるか知ってる?」
「知らない」とマンガから目を離さずに答える。
「そう」と母。
母「まったく、行先くらい言えばいいのに。こっちも心配するじゃない」
マルがハッと母親を見る。漫画を置き玄関に駆ける。
母「ちょっとマル」
マル「ちょっとでかけてくる~」
「もう!」と母親は怒る。
 
家の外
駆けるマル
おじいの背中を見つける。そのまま距離をとりついていく。
おじいが古い建物に入っていく。
中をうかがうと、おじいと同い年くらいの男性が10人ほどいる。
皆おじいと親し気だ。人気のようで声をかけられている。
マルは笑っているおじいを見てびっくりする。
受付とかかれた机にすわる男性がマルに気づいて手招きする。
建物内の部屋にはいるとおじいがマルに気づく。おじいがマルに向かって笑顔で手招きする。
朝日の陽光の中、部屋にはいるマル
 
公民館の中
おじい「おじいちゃんは おもちゃドクターをやっているんだ」
マル「ドクター?医者なの?」
おじい「おもちゃの、ドクターだ」「ボランティアでおもちゃを治す活動をしているんだよ」
マル「ただで?」
おじい「ただでだ。寄付をもらうことはあるがな」
マル「そうなんだ」
おじい「今日はマルも何かやってみるか?」
マル「ほんと?!」
おじい「ああ、おじいちゃんを助けてくれるかな」
マル「わかった」
マルを撫でるおじい
 
反対側の扉からは子連れ親子の列が並ぶ。大人一人で来ている人もいる。
「そろそろはじめようか」受付にすわった男性の一言で皆が動き出す。
おじいも列に沿って並ぶ机にすわり、マルに横に座るよう合図を送る。
 
部屋の外で並ぶ人たち
受付に座る男性の合図で数人が部屋に入り、順番に椅子に座る。
おじいの前に小さな男の子が座った。
手に機関車のおもちゃを持っている。
おじい「今日はどうされました」
男の子1「あのね、これくるくるって回って動いたんだけど、動かなくなったの」
おじい「なるほど。ちょっと見てもよいかな?」
男の子1「いいよ」
おじいに機関車を渡す
おじいは機関車をうけとり、何かに気づく
おじい「マル。治してみるかい?」
マル「え?」

マルの目の前で小さな男の子がマルをじっと見る。
マルはおもちゃを手に取り電池の向きが反対だと気づく。電池を入れ直し動くと小さな男の子は歓声を上げマルに「ありがとう」と感謝した。
「でも電池の向きを治したくらいで感謝されるなんて」とつぶやくマルに
おじいは「結構多いんだよ」と笑う。「人によってできることと苦手なことがあるからね。どんな人だって誰かを助けることができるんだ。」
「マルがその程度って思っても、それがすごく大変な人もいる。そういうのでもいい、持ってきてくれたら治すから」「マルはあの子のおもちゃを治した。立派なおもちゃドクターだな」
そういって、おじいはおもちゃカルテにマルの名前を書く。マルが治したという証明だ。

お読みいただきありがとうございます。 引き続きおもちゃ修理がんばります!