『ポエティカル行路』 2023.12.12
2023.12.12(神田川を辿る旅のつづき)
家から街へと出かける前、ポストを覗くと二冊Amazonで注文した本が届いていた。そのうち一冊だけ選んで旅の道連れにすることに。
茗荷谷駅の方へ湯立坂をのぼる途中、封を開けてみると乗代雄介さんの『旅する練習』という本だった。
不思議な偶然で、この本の登場人物たちも川沿いを辿り歩くらしい。
『旅する練習』という言葉は今の自分にもしっくりくるところがあり、心に留めて今日は歩こうと思う。
茗荷谷駅を抜け、とりあえず江戸川橋を目指す。
儀式のはじまりのように江戸川橋から神田川を一二分眺め、歩き出す。
首都高の高架下、あまり綺麗とは言えない。
川も澱み少しどぶの匂いがする。
川を辿る旅は地図をあまり見ずに歩ける気楽さがある。
川沿いの道に、ただそこに佇んでいる人たちが時折現れる。
この辺り、川の流れがとてもゆるく、それで川が澱むのだろう。
何も変えないこと、現実をそのまま受け入れること。
抗わない美学が大切だと身体的情報に関してそのようなことを思う。
表面をいくら取り繕っても、芯の部分に染み込み変化するようでないとダメなのだ。
と、哲学的だが、今の自分にとっては凄く現実的なことを歩きながら認識していく。
飯田橋駅付近で厚肉そばを啜る。
ArtのまわりにそれなりにArtを理解し、リスペクト出来る人が存在しないと、変な扱われ方をして、風景がおかしなことになる。
もちろん街の中には人の狙いを超えた偶然で生まれるArtisticな光景も存在し、僕はどちらかといえばそれを好いているように思う。
お茶の水まわりの独特な抒情。
秋葉原から川の側の露路、少しひっそりとした道を歩く。
浅草橋界隈。
川沿いに釣り船、屋形船、花火船の店が並ぶ。
道の真ん中でねずみが一匹うずくまっている。具合でも悪いのだろうか。
柳橋。
ここで神田川は隅田川へ流れ込む。
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