川辺トポロス

from Lakeside Reading Club

川辺トポロス

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最近の記事

『ポエティカル行路』 2024.01.22,01.24,01.27

2024.01.22,01.24,01.27(ゆっくり湯につかる旅) 1月22日 沈黙し、余白の中を歩く。 沈黙という言葉の(沈)を想う。 英語のSilenceとSoundには響きの感覚がある。 沈黙への応答としての音。 などなど想いつつ、江戸川橋から地下鉄で月島へ向かう。 カクカクしたコンクリートの島を歩く。 Cité 晴海埠頭で海の音を聴き、勝どきの風呂屋で湯を浴びて帰る。 1月24日 田端から王子の方へ歩く。 冬場に歩き、そのまま街の風呂屋で湯に

    • 『ポエティカル行路』 2023.12.19〜12.20

      2023.12.19〜12.20(隅田川沿い歩行の記録) 1. 隅田川まで歩く。 川辺に辿り着いた頃には陽も暮れていたが、ここからが目的の川べり歩き。 尾竹橋から海の方へ。 隅田川の静寂が身に心地良く、魂のトリートメントとなる。 ここに来てやっと呼吸が戻る。 深く呼吸をする。 川沿いを常に歩けるわけではないので時折迂回して、つきつ離れつ進んでいく。 夜の隅田川を眺めながらふと、天国は都市で街の中心には川が流れていることを思い出す。 黙示録の中に出てくるイメージだ。

      • 『ポエティカル行路』 2023.12.12

        2023.12.12(神田川を辿る旅のつづき) 家から街へと出かける前、ポストを覗くと二冊Amazonで注文した本が届いていた。そのうち一冊だけ選んで旅の道連れにすることに。 茗荷谷駅の方へ湯立坂をのぼる途中、封を開けてみると乗代雄介さんの『旅する練習』という本だった。 不思議な偶然で、この本の登場人物たちも川沿いを辿り歩くらしい。 『旅する練習』という言葉は今の自分にもしっくりくるところがあり、心に留めて今日は歩こうと思う。 茗荷谷駅を抜け、とりあえず江戸川橋を目

        • 『ポエティカル行路』 2023.12.11

          12月11日(新宿PITT INの昼のLIVEを聴きに出かける) 大塚三丁目から不忍通りを目白台の方へ歩く。 護国寺の辺りで、滝口悠生さんの小説に出てくるロケーションに出くわして、交番にいる警察のお兄さんは小説の中でこの場所が語られ、それが世に出回っていることを知っていたりするのかと尋ねてみたくなるが、フィクションと現実の間のややこしい話を勤務中の方に持ち込むのを躊躇。そのまま目白通りに出る。 道で誰かと話をする顔つきが外国人っぽい長髪の中年男性の話がすれ違いざま耳に飛

        『ポエティカル行路』 2024.01.22,01.24,01.27

          『ポエティカル行路』 2023.12.06

          2023.12.06(神田川に沿って歩く) 井の頭公園が今日のスタート地点。 水音を聴きながら、枯葉と土の道を神田川に沿って歩き始める。 素晴らしい天候に恵まれる。 始まりはとても素朴な自然の川が、500メートルを進むと石壁やコンクリートに囲い込まれる。川を見降ろすスタイルのよく知られた神田川の雰囲気はかなり早い段階で出来上がってしまう。 それでも街と川の語り合いは続いていることも感じられ、川の流れをところどころ狭くしたり、広げたり、くねらせてみたり、川を閉じ込めて

          『ポエティカル行路』 2023.12.06

          『夜のファンタジア』 2023.12.04

          2023.12.04 夢の視線がカーブして 夜のまがり角をいくつかまがっていった先で 樹木が芽生え、ふくらみ やわらかくダンスする そんな時間 実感する 夜の手ざわり 夜の裾のゆれのひらひら その隙間に 垣間見る 一角獣の白いシルエットと エメラルドの瞳    まなざしがすきとおらす光の 力 純真 無垢への憧れがもこもこ ここ ろ の中にも雲のように広がる

          『夜のファンタジア』 2023.12.04

          『ポエティカル行路』 2023.11.30

          2023.11.30 1.(中川を辿り亀有まで) 自分という軸の芯の部分へ立ち戻るようなこと、歩くとは僕にとってそのようなものである。 世界をそこから見渡す見晴らしの良い場所、それが自分という軸の芯の部分なのだと思う。 僕が語る言葉もそこから出るものであればいい。そう思う。 そこには世界と僕との間の不思議な循環がある。 春日通りを後楽園に向かって歩く。 白山通りに流れ、水道橋駅へ。 JR線で新小岩に到着。 今日はここから中川を辿って亀有の方まで歩くつもりでいる。

          『ポエティカル行路』 2023.11.30

          『ポエティカル行路』 2023.11.27

          2023.11.27(Tokyo Towerへ向かう) 千川通りを後楽園に向かい歩き始める。いつもの気心の知れた道。イチョウがキレイに色づいている。 後楽園、飯田橋を通過し、九段下へ。 目白通り。流れる車の音を波音のように心地よく聴く。ビルが共鳴板となって程よいエコーがかかっているのかもしれない。 朝の街では人々のエネルギーが方向づけられていて、それが快活なリズムを生んでいるように感ずる。 桜田門を通過したあたりで、先人たちが街をつくり、道をつくってくれたから、今、

          『ポエティカル行路』 2023.11.27

          『ポエティカル行路』 2023.11.22

          2023.11.22 行ってきますと誰もいない部屋に語りかけて、今日の旅へ出発。 気になる場所を脳内でマークしながら上野の方へ歩を進める。 団子坂下柳通りを抜けると台東区に入る。 谷中の露路を歩いていると、おばあちゃんに呼び止められた。 何やら鍵の入った鍵ボックスが開かないので困っているよう。 四桁の数字を合わせて開けるタイプのものだが、数字が少し上にズレて並べられているため開かないのだ。 言われた四桁の数字を規定の線に合わせてな並べると、カチャっと開いて鍵が出

          『ポエティカル行路』 2023.11.22

          『ポエティカル行路』 2023.11.21

          2023.11.21 (スモールウォーク) 勤務の間の一時間休みにスモールウォークを敢行。 純粋な歩行のリズムを楽しむ。 目白台運動公園に缶コーヒーとサンドイッチを持ち込み昼食。 鳥たちがよく鳴いていて、美しい光が緑に注いでいる。 日向での昼食を終え、肥後細川庭園を抜け、胸突き坂を登り職場へと戻る。 体が少し汗ばむくらいに今日は暖かい。 暖房の効いた職場での仕事に戻る。

          『ポエティカル行路』 2023.11.21

          『ポエティカル行路』 2023.11.20

          2023.11.20(川沿いの道を行く) 今日は荒川沿いの道を歩いてみようと思う。 あまり進んだ距離には縛られずに歩いてみる。 視覚的なことよりも歩いている時の体の感覚を大切にしたい。 江戸川橋で肉そばを食べて腹ごしらえ。 有楽町線に乗り込み新木場へ。 新木場に着くと、湾岸線の誰もいない道を歩き始める。ここは普通歩行者は歩かない場所なのだろう。 海の匂いがする。 歩道が閉鎖されているため湾岸橋を渡れないかと思ったが、反対側の歩道を歩くことが出来た。 さぁ、川を

          『ポエティカル行路』 2023.11.20

          『ポエティカル行路』2023.11.19

          2023.11.19 1. 東久留米にある教会の礼拝に出るため、湖畔から東村山駅までの道のりを歩く。 朝は神聖な時間だから、その時間をどう過ごすかで一日の質、人間の質が変わってくるのではないだろうか。 歩くとは世界という本の頁をめくって読む、そんなことでもある。 いつものバス道も歩いてみると印象が違う。 そもそも、その日その日の歩行での出会いは一期一会なものであると思う。歩行による旅の繊細さがそれを可能にする。 僕は生きている、そう感じられる時間を歩行は与えてく

          『ポエティカル行路』2023.11.19

          詩日誌 2023.11.19

          2023.11.19 久しぶりで椅子に座り、机の上にペンとノートを置いて、何か文章を書いてみようということになった。 物語を書いてから久しく時が経過してしまった感じがする。昨年、今年とフィクションのお話を二つ書いたのだが、ずっと草の根的に続けていた日誌が今ではメインフィールドのようになっている。 最近特に力を入れているのは、歩行しながら思ったこと、感じたことを書き留めていくスタイルで、これがこれからの中心的活動となっていきそうな予感がある。 イギリスでも湖水詩人(La

          詩日誌 2023.11.19

          ポエティカル行路 2023.11.18

          2023.11.18 (Along the Yokota Air Base+α) 1. 拝島駅から少し歩いて国道16号を北上。 U.S AIR FORCE YOKOTA AIR BASE 僕はベースサイドを歩いている。 基地の中にはまったく植えられていないのだが、街路樹にヤシの木が植樹されていて、異国の雰囲気が煽られている。 演じられたアメリカと本物のアメリカ、日本やNIPPON、いろんな要素が重なりベースサイドは構成されている。 ベースサイドの俗的な賑わいと壁

          ポエティカル行路 2023.11.18

          『ポエティカル行路』 2023.11.17

          2023.11.17 (SIDE STREETS 探訪) 1. 雨が降っている。 感覚的に、ジグザグに露路を掘り起こすように歩く。家からそう遠くない場所でも知らない道はあるもので、半分道に迷いながら発掘するような感じ。 雨が街の雰囲気を変えるので、変化があっていい。 ラーメンにおける味変のトッピングのようだ、などと思うのはお腹が減っているせいかもしれない。 小さな露路が行き止まりにぶつかるか、別の道へと抜けられるかはちょっとしたギャンブルでもあって面白かったり、気持

          『ポエティカル行路』 2023.11.17

          『ポエティカル行路』 2023.11.16

          2023.11.16(荒川を眺めに) 1. 不忍通りを北西に上がる。 今日の世界へあいさつ。 新鮮な朝の手触りが好きだ。 クリスマスイリュミネーションをイチョウの木に取りつける作業が行われている。 準備中のラーメン屋からは麺をゆでる匂い。 動坂下の交差点を左に折れ、田端駅へ、もう北区にいる。 どの道を進むか、人生の小さな選択を歩いているこのささやかな時の中に感じる。 ぽかぼかと陽の光を背に浴びて扇大橋までの道を歩く。 ここ数日、やっていると心に詩がうまれるよう

          『ポエティカル行路』 2023.11.16