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【ファンタジー小説】サンダーコレクター12

チャーリーとチョコレート工場みたいな人がいる。
ジョニーデップがしてた役みたいなひと。
いや、アリス・イン・ワンダーランドか。
んー、どっちもだな。

黒いハットに、白い長そでのフリルのシャツにサスペンダーを着けた赤と緑のストライプのパンツ。

黒い傘をさしてる様は、サーカスの曲芸師みたいだ。

「るなさん!待ってたよー♡やぁあん、可愛いー♡」

バルたんさんだった。
なんかキャラ濃いやん。

「ストーン付けてるんだね。あたしもつけてるよー可愛くない?これ」

♤の形のストーンだった。

「ちょっといじって形変えたんだ。可愛くない?」

こういう時にもハンターの証が見えるのは、有難いと思った。
バルたんさんはストーンを触り、自分のハンターレポートを私に見せてくれた。

「今日はあたしのハンティングに付き合ってくれてありがとうね。あそこの木の下でレコードいじってるのが、私の親のペッパー、よ。」

ニャックと同じ( *ΦωΦ* )の顔に、猫耳ついているけれど、ヘッドホンを首にかけてる。
ヘッドホンしてもブルーハムハムみたいに変なところにセットされて、聞けないしなぁとは思ったけど。

大雨の中で、木の下でレコードいじってる様は映画みたいだけど、レコード濡れても大丈夫なのかなって心配なった。
いじけた子どもみたいになってるやん。
親っていう名称の立場なのに。

とりあえず、音楽が好きなのね。
それは伝わった。

ペッパーがこちらに寄ってきた。
なかまにいれてほしそうなめをしている、とは言いたがいがこちらを見てる。

バルたんさんが声をかける。

「じゃあ、始めよっか!ペッパー、出てきたところ水たまりに戻ってよおう。」

そういうとペッパーさんは、「分かりました」と、とことこと向かっていった。水たまりの上には立たずに、水たまりの外でしゃがんで水たまりを指を付ける。指を付けると、レコードの円盤が重なっていくように波紋が出来る。まるで、指がレコードの針みたいだ。それを何度も繰り返す。

次第に、コレクターさんたちが出てきた。
召喚の仕方もひとそれぞれなんだなと思った。
木の下ではレコードが置いたままになっているので、レコードでかかる曲が響いている。
雨音とレコードの音。
即興のジャズにようになっている。

コレクターさんたちは即興で歌詞を作り、これを即興でバルたんさんが歌っていく。ペッパーさんとバルたんさんは、すごく組み合わせの良いペアのようだ。

コレクターさんたちの足元で文字が生成され、シャボン玉のように浮き上がり、バルたんさんが声を発すると、一文字ずつまた水たまりの中に落ちていく。
生成されるときにも、コレクターさんたちの可愛らしい足元が細かく動くから、ぴちゃんぴちゃんと音を弾く。そして、文字が落ちて、水たまりに戻るときもぴちゃん!と音を弾く。まるで、ピアノのようだ。

この音も組み合わさって、ひとつの音楽になって、熱狂が生まれ、キラーコメントが大量に生成されいった。
あっという間にキラーコメントが下から押し上げられ、高さが出来ていった。色とりどりのキラーコメントがくるくると水たまりを囲み流れるように舞っていく。あ
色とりどりで、様々なモチーフを用いたキラーコメントは、カラフルな装いをしたバルたんさんに似合っていた。

すごい。こんなにも人によって変わるものなんだなと感じた。
やっぱり男性だからか、力強さを感じる。
格好もそうだし、魅せることも特化している。

どこか、ペッパーさんもうっとりしているし、楽しそうだ。
ひとつのショーに参加している気分になった。


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