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ファンタジー小説/サンダーコレクター6

何だかんだで家に帰りついた。

疲れた。

そのままシャワーを浴びる。

部屋着に着替えて、スマホをいじる。
今って電気がないと何にもできないよな。
しみじみ思う。

ふと爪に目をやる。
さっきの爪につけられた、バッジが煌めいている。
何気なく触った。

そうすると、文字が浮かび上がってきた。

活動実績の総集のようだ。
きちんとログが取られていて、事細かにある。
解析もされているようで、次はこうしたらいいのではないか等や、次の気象情報とともにスケジュールの提案もあった。

また、他のハンターの登録情報も見れるようだ。

自己紹介の他に、ハンターの特徴をコレクターさんが分かりやすい言葉で表現している。

雷の収集の模様も見れるようだ。
ランクがS~Eのようだ。

Sランクの人をみる。

綺麗な女性だ。
その人は洗面所の洗面台に水を貯め始めた。

え?室内??

不思議に思った。
洗面台の水を貯めたあとに、くるくると水を撫でたら、コレクターさんたちがいっぱい出てきた。
一緒に水を弾いたり、コレクターさんにかけてあげたり、コレクターさんがコメントで様々問いかけていることに丁寧に対応していた。

喜怒哀楽が見てわかるほどの豊かさ。
水音と話す音声が合わさって、まるで音楽のように滑らか。
リズムがある。
キラーコメントが生成されて行く中で、コレクターさんが洗面所の水の中に潜り、何か投げていく。そうすると、ぼわんとまるで魔法のように色とりどりのものが現れる。
一定の時間経つと、収縮していく。
するとそれは白い気体のように変化していく。
雲が出来上がっていく。
あっという間に様々な物が映像として現れては、消えてを繰り返していく。
雲たちが摩擦を繰り返し、静電気のような物が発生している。

まさか、雷が生成されてる?

予想が的中した。
細かい雷が何度も落ちる。

こんな狭い空間でもできるの?
キラーコメントの隙間から、コレクターさんが本のようなものを投げた

ハンターに当たると思いきや、パラパラと開き、あるページを開いて、空中に浮いている。
すると文字が本から出てきて、1文字ずつ空中に浮いた。
シャボン玉のように、1文字ずつ。
歌詞みたい。
雷の音がまるでドラムみたいになっている。それに合わせて、文字を歌うように追っていく。
発音に合わせて、シャボン玉のように膨らんだ水が弾けて、雲に乗っていく。
そしてまた重厚な雲が生成されていく。

高さが構築できないからか、キラーコメントも何重にもなっていく。
広さがない分、雷の反発がすごくてテンポが早い。
コレクターさんたちは相変わらず両手をキラーコメントにつけて、猫耳をくっつけて音を楽しんでいる。
コレクターさんたちの人数は少ないけれど、活発な動きをしている。

「これアイテム投げられてるんだよ」

いつの間にかニャックが肩に乗って、耳元で囁いてきた。

「え!びっくりした!」

思わず肩にいたニャックを払い除けてしまった。

「痛っ!ひどいよ、るなてゃん。尻もちついたじゃんうう(*ΦωΦ*)」

「Sまで行くと、水があればそれで雷自体作り出せちゃうの。天候とか関係ないのよ。アイテムがあれば作り出せるんだよね。でも、コレクターさんたちの身銭なのよ。ここまでになれるように頑張ろうね」

すごい世界があるもんだ。

すごい壮大なコンサートホールみたいだった。
音ってこんなに良かったかなってなった。

あの情景が焼き付いたまま、いつの間にか眠りについてしまった。





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