音楽:ザ・キュアー

ザ・キュアーを聴くと、昔、日本で流行ったビジュアル系を思い出します。実際、ラルク・アン・シエルのハイドやプラスチック・ツリーはザ・キュアーの影響を受けていることを公言しています。個人的に思い出す日本のバンドは、デザビエというインディーズのバンドです。歌詞、歌い方など、偶然かもしれませんが、雰囲気がそっくりです。
ザ・キュアーのサウンドは、つぶやくような歌い方に、ギターはコーラスとディレイがかかったような広がりのある音をアルペジオで奏でます。ハードロックではあまりなかったスタイルです。イントロ、間奏やアウトロも長く、雰囲気や余韻を楽しむことができます。ただし、決して、楽器同士のバトルといった見せ場はありません。後にポスト・ロックに影響を与えたと言われる理由はこの辺にありそうです。
「ゴシック」に分類される限りは、耽美なところがあり、熟れすぎた果実と言いますか、雰囲気に酔っているといえばいいのでしょうか、内向的で前向きじゃないようにも見えますし、「ネガティブなこと言っている自分のこと実は自分が一番大好き」のようにも思われがちです。
ザ・キュアーの音楽性はそういう雰囲気も多分にあります。しかし、ロバート・スミス本人にはそれだけではないようです。自分のビジョンが常にあり、ライブではオーディエンスを楽しませることをしっかりと考えているそうです。野外フェスでもヘッドライナーに抜擢され、必ず盛り上がります。多くは語らず、音楽に全てを託しているのです。その心意気が男前ですね。
ちなみに、映画「シザーハンズ」でジョニー・デップ演じるエドワード・シザーハンズはロックバンド「ザ・キュアー」のロバート・スミスがモデルと言われます。

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