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鎌倉

【療養日記2023 2月25日(土)】

 鎌倉に久しぶりに行く。今年に入ってから初めてだ。自分にしてはこれだけ鎌倉を留守にするのは珍しい。厳密にいうと先日江ノ電に乗った時に鎌倉駅は利用したが駅から外には出ていない。

 今日は妻が鎌倉にある「きゅーぶ屋」に「流れ星みっつ」として納品をするために鎌倉に出かける。流れ星みっつというのは妻のハンドメイドで作るわんこ服のブランド名で、ハンドメイド専門店に置かせてもらっているだけでなく、ネットの通販もしている。妻の好きでする事だから僕はあまり口は出さない。

 昼前には家を出てまずは鎌倉で妻の用事を済ませる。「きゅーぶ屋」というお店で待っていてもよかったのだがケータイの電波が極端に弱くなる場所で若宮大路沿いにあるベンチでわんこと一緒に待っていた。日中はよく晴れて適当に暖かかったが花粉も結構大変だった事だろうと思う。

 まずはお昼を食べようということでわんこと入れるうどん屋が豊島屋の近くにあるのでそこで昼食。前回去年の雪洞祭の時に行って冷たいうどんを食べたが今日は鍋焼きうどんを食べる。二回目で初めてこの店のうどんが美味しいことに気がつく。

 その後は妻が行きたい店にあれこれと連れ回され、小町通りでいつも行く「プリンセスきのこ」と「腸詰屋」にも寄る。「プリンセスきのこ」は小町通り沿いの雪の下ガーデン内にあるお店でここの「あげまっしゅ」という椎茸のフライがとにかく美味しい。そしてその雪の下ガーデンに近くにある「腸詰屋」ではソーセージをホットドッグにして出してくれる。昔は由比ヶ浜にあった店だがこのところ鎌倉の賑わってるあたりにお店を出している。鎌倉に行くといつも楽しみにしていたものでもある。

 腸詰屋の後は鶴岡八幡宮にも行くがわんこも一緒だったのでお参りはせずに戻る。若宮大路の段葛を歩いて駅近くまで戻るも、妻がもう1箇所行きたい場所があるというのでまた芋洗小町を歩いて目指す店へ行く。

 お店は「茶凛」という本格的な茶房。メニューも日本茶ばかりで抹茶や玉露茶と日頃は馴染みのないお茶ばかり、しかもいいお値段だ。最初は戸惑うがこのところそれほどまでに高級な玉露茶なんてものもご無沙汰しているので上菓子と共にオーダー。わんこ連れは店内のお座敷か外にあるこたつルーム(テントの中に椅子のこたつがあるちょっとした空間)があったのでこたつルームに入る。

鎌倉の茶房「茶凛」

 妻は抹茶、僕は八女の玉露茶を注文したが、この八女茶がこれまでの日本茶のイメージを根底から覆すような複雑な味だった。お茶のことはよくわからない。しかし静岡の川根や掛川に行った時にそれなりに美味しいお茶は飲んだ。その時の美味しいお茶はこれまでに飲んだ日本茶の中でも味が整っていて品よく自分の知っているお茶の味が美味しいと感じるものだったが今日の八女の玉露はそういったお茶とはまた違ったこれがお茶かと思うような複雑で奥深い味わいのものだった。まさに味覚を通して頭の中をぐるぐるかき回してくれる飲み物。

 こんな飲み物がこの値段で飲めるのであればそれはそれはリピーターになってしまう。というのが正直な感想だった。すごいお茶を飲ませてくれる店が登場したなと思った。今日一番の衝撃間違いなしだ。

 ちなみにお値段は上菓子つきでクーポンを使って一人当たり1,300円くらいかな。しかしこの値段が安く感じてしまうくらいのお店だった。お店は日本茶ソムリエというお茶のプロが監修していて高いお茶は5,000円もする。流石に怖くて飲めないがこの店はリピートするだろうと思う。小町をしばらく歩きキャラウェイに向かう道に右折し、しばらく進んだ左側の路地の奥の方にあるちょっと分かりにくいところにある。

 この後あまりに小町が人でごった返しているので裏駅に移動し御成通りを歩いた。今日はいつも行くカフェには行かなかったが御成通りはやっぱり落ち着く。いつも行っていたトルコ雑貨店「ミモザ」はなくなってしまったが、代わりに妻が入ったブティックやパン屋などでわんこが愛嬌を振り撒いてまた新たに行くのが楽しみになる店ができた。御成通りというのはそんな感じで通い続けるものなんだなと思った。このところお店の変遷が急になって来始めた感じもするが、それでも小町よりはずっと落ち着く。

 御成通りで買い物をするといい時間になったので電車で帰る。鎌倉ってのは本当に行けば行ったで楽しいものだ。鎌倉に気が向けばすぐにでも行ける我が家はちょっと恵まれているのかも知れない。

 昼間昼食も食べすぎたし夜は昨日の鍋を雑炊にして簡単に済ませた。今日はわんこも人混みの中を歩いて疲れた様子だ■


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