見出し画像

スマホ遍路日記(211:六十五番三角寺〜六十六番雲辺寺 ⑥)

【2023年11月15日(水曜日) Day 222】


 今日で漸く札所六十六番雲辺寺を打つことができた。雲辺寺は四国八十八ヶ所の中で最も高い場所にあり、ロープウェイでも行くことができる。まさに高原にある札所だ。

 遍路道の曼田まんだ越えで来た場合、お寺の手前に駐車場がある。その先杉並木を歩いていくと左手に伽藍が見えてくるが、かつてこの道には山門があった。車の人もバイクの人も駐車場から先は歩きなので山門の存在は誰でも知っていたと思うが今から10年くらい前に撤去されてしまった。

 その方面から寺の中に入ると本堂の横に出る、なのでここは入り込まずに道なりに真っ直ぐ行くと仁王門があり、ロープウェイで来た人も五百羅漢を通ってこの門の前に来ることができる。

 山門をくぐるところから順序よく打つことにこだわる人はそこから始めるだろう。山門の先石段を登るとまず大師堂が見えてくるのでその脇を通って緩やかな坂を下ると先ほど最初に見たお寺の入り口の横に出る。

 この緩やかな坂には段がついているのだが一段あたりの高さは10センチもなく一歩一歩踏んで上り下りすると確実に時間を取られる。不瞋恚ふしんに(怒ったりイライラしたりしてはいけない)を常に問われる境内の中であの石段はまさに修行だ。ただしわんこ連れの場合はわんこには優しいのかも。この石段は最初の参道から山門がなくなったのと頃を同じくして現れたものだ。

 雲辺寺が他の札所と明らかに違うのはお参りに来た人に授与するお守りにいろんな種類があることや、特別な御朱印、さらにはロープウェイ山頂駅周辺にカフェが出店したりとわりと商魂逞しいところと、恐らくは担当する坊さんが若いのか、SNSウケをする発信が上手なこと。たとえばInstagramやfacebookのリール配信、ライブ配信、さらにはTwitterやスレッズなどの投稿に至るまで映え写真と一緒に本当にこまめに配信をしている。

 こうしたネットを利用した配信としては札所二十二番平等寺に次ぐほどの配信情報の多さだと思う。ただし平等寺はあのシステムに相当な予算を費やしていることと、SNSよりは本格的にYouTubeなどでライブ配信をしているのに対し、雲辺寺はあくまでSNS主体なところに違いがある。

 以前に比べるとTwitter、facebook、Instagramのアカウントを持つ札所は増えたと思うし、上手に利用しているなと思うのが六番安楽寺、二十三番薬王寺、七十番本山寺、そして八十三番一宮寺などを筆頭に数ヶ寺ある。そんな中でもこの雲辺寺は上手に情報を発信していると思う。

 後ろ髪引かれる思いで雲辺寺を後にすると次の札所六十七番大興寺へのルートもかなりキツイ。それに関してはまた明日にでも書こうかと思う■

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?