コロキウム構造形態の解析と創生2019 コンテスト参加レポート

10月31日にコロキウム構造形態の解析と創生2019(日本建築学会主催)に参加し、形態コンテストのプレゼンテーションと公開審査に挑み、出展作品が最優秀賞を受賞しました。コロキウムは10年以上前から続いている形態創生系のコンテストと論文発表で、建築構造の最適化系研究者にとって年に一度の国内メインイベントです。

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今年のテーマはバイオミミクリーで、このテーマをヒントに様々な形態解析を使って新しい構造デザインを考えるというもの。コンピュテーショナルデザインに興味を持つ学生を集め、4月から勉強会(構造系コンピュテーションスクール)を行い、その集大成(卒業試験?)として今回のコンペに出展しました。

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20作品程度の応募から二次審査として5作品が入選し、ここから最優秀賞、優秀賞をプレゼと公開審査で選定されていきますが、提案内容、シート、模型も含め、例年以上に力作揃いで相当の苦戦が強いられました。相手はスーパーゼネコン2社と東大、東京理科大なので、我々は地方チーム。バイオミミクリーとして昆虫、植物をヒントにされていました。

最近は構造系でも本当にレベルが高くてCGや3Dプリントは当たり前、動くキネティックな模型やスケールのでかい模型などなど、年々戦いがつらくなっています。来年挑もうとしている方はこのあたりのプレゼ方法はぜひ参考に。

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テーマはカイロウドウケツという深海生物の構造を模倣し、外圧に対して柔軟ではあるけども押しつぶされない(座屈に強い)骨格デザインとし、極小曲面や断面最適化を使ってメインフレーム形状をコントロールし、ファイバーの本数や配置で座屈耐力をコントロールするなどの一連の形態シミュレーションを行いました。

カイロウドウケツ

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審査員の加藤史郎先生、佐藤淳先生から構造的な観点で海洋構造物の座屈耐力や基礎に関する厳しい指摘や座屈をファイバーでコントロールする面白さなどコメント頂き、また、藤村龍至先生、杉田宗先生、市川創太先生からは環境問題と向き合って消波効果作用や、集落的なボリュームを極小曲面を使った屋根で覆うところなども評価頂き、順調に選考に残っていきました。

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決戦投票では3つの作品に順位付けし、その合計点数で競いましたが、11,10,9と僅差な点で僕らの案が1位となり、そのまま最優秀賞。過去2回(2014年,2015年)コンテストに参加し、入選止まりでしたが3度目の正直で最優秀賞を頂くことができました。
過去の挑戦を知っている分いろんな先生からお祝い頂き、ありがとうございました。(写真は藤村先生のFBから拝借させて頂きました。念願の藤村さんの自撮りに映れて光栄です)

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今回は学生のコーチ的な立場で挑みましたが、構造解析、質疑対策、プレゼおよび模型指導などなどかなりのレベルを要求しましたがそれを素直に受け止めて作品をまとめていった河野君(中部大)、久保君(千葉大)、芹川君(名工大)が頑張ったおかげだと思います。スラック、ZOOMとリモートでよくやれたなと思いましたし、GH形状シミュレーションや3Dプリントモデルおよび周辺模型の作成も精度よく、Lumionを使った動画作成などハイクオリティだったので、このチーム名古屋で戦えたことがとても楽しくもありました。残念ながら入選できなかった他チームも模型作りに協力頂きありがとうございました。

キャプチャ

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とても貴重な経験ができたコンテストでした。相当粗削りな作品でもあったので今後ブラッシュアップしてモックアップを作ったり、何か論文にも出せればよいなと思っております。

懇親会でも川口健一先生、佐藤淳先生からいろんなアドバイス(ダメ出しもありました・・・)頂き、今後の励みとなりました。また今後もこういったプロトタイピングや実践をしながら新しい可能性を追求していきたいと思います。
特別講演では杉田先生、藤村先生から興味深い話がきけたのもよかったです。また来年も参加しようと思います。


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