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【フラメンコ公演レポート】〜CON-CIERTO FLAMENCO〜 (2023年9月1日)


スペインのマドリードで約二週間にわたって行われている

ファルキートFarruquitoと彼の息子エル・モレノEl Morenoの公演を見に行ってきました

最初この公演の話を聞いた時、

「二週間丸々同じ公演をやるの?」

って不思議に思ってファルキートに聞いたら


「フラメンコはナマモノ。同じ公演でも毎回違うんだよ。」

っていうお言葉が返ってきたので、


それでも🤔❓❓❓

と不思議に思いながら、

とりあえず自身のスケジュールを鑑みて、

事前に購入できるいくつかの公演のみ

とりあえず我が指定席(笑)の

最前列のど真ん中を確保しておいた



インターネットでチケット購入出来るので、あとは様子見ながら、ということで




8月23日の初演

ファルキートのステージは基本的に歌い手さんのカンテさんが多い


今回も男性カンテ2名、女性カンテ2名の4名

そしてパーカッションとピアノとギタリスタ、そしてファルキートとモレノの踊り手という構成


初日にまず驚いたのが、ファルキートが手に白いギブスはめていた

おそらく手を骨折していてパルマが叩けない

見ている方も心配でハラハラしてしまう



そして今回のもう1人の主役モレノはちょうど今11歳


今までのフラメンコ公演の最後によくある

フィン・デ・フィエスタという締めの賑やかしにはステージに出てきていたけど、

おそらくアーティストとして公演に参加するのは、この夏が初めて



初めはものすごい緊張が伝わってきて、今思うと初演の日はかなり堅かったイメージがある


2日目は予定があり見に行けなかったのだが、

3日目の公演はファルキートの手のギプスも目立たない色になっていて、

音響、照明の技術面もだいぶ安定してきていた


そしてモレノもだいぶ硬さが取れて動きが大きくなってきた


その進化ぶりが面白くて、4日目、5日目の日中の予定を相当な過密スケジュールに変更して
夜の公演を見に行くことにした



確かにファルキートが言っていたように、毎日毎日ステージは何かの調整が入っている


そして観客によって会場の空気も変わる


何より日々自信をつけて「魅せる」事を学んで行くモレノを見ていて思った


「ああアーティストってこうやって育って行くんだな。これが親子伝承のフラメンコなんだな」



おそらく彼のお祖父さんファルーコがファルキートにしてくれた事


それをいまファルキートが自分の子供であるモレノにしているのだ


改めてものすごい物を見せてもらったんだと理解した




この公演ではモレノがファルキートと同じサパテアードを踏んでいる


ファルキートは事も無げにあのサパテアードを踏むから見てるだけだと分かりにくいけど、


あれだけの音取りを正確に実現するためには相当な訓練が必要となる


モレノは小さい頃から類い稀な才能を持っていると言われていた


しかしこの公演のためにどれだけの努力をしたんだろうな、頑張ったんだなって

小さい頃から彼を見てきた私は感動を覚えずにいられなかったよ😭



これから羽ばたいて行くであろうモレノの将来がとても楽しみである



そしてモレノがやっていたように

双子の妹達が最後のフィン・デ・フィエスタに出てくるようになった


きっと彼女達も

そのうちアーティストとして歩み出すんだろうな

先がとても楽しみである😊




公演自体は美しい歌声とピアノ、パーカッション、足音、ギターの美しいハーモニーで構成されている


2日間のお休みを挟んで突入した2週目最初の公演では、もう子供とか関係なく一つの公演として完成していた


ファルキートも公演の最後に挨拶で、

ステージは観客と一緒に作られてると言っていた

そう、いつも思うがファルキートのステージは会場全体が音楽で包まれる

観客を音楽の世界に引き込んでくれるのだ



その音楽は心地よく

だからファルキート公演はやめられないんだな😂って思った



フラメンコの真髄ここにあり💃

もの凄く貴重な経験をさせてもらいました

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