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そうだ、ティラピア食べてみよう

こんにちは。とても久しぶりに記事を書きます。

前回、8月に記事を更新してからもう3か月も経ってしまいました。時間が経つの早すぎてわろてまうし、下書きに残った”ラオスに戻れない待機隊員の陰鬱なささやき”の数々は、今読んだら自分でも可哀想になるレベルで、もっとわろてまう。

さてさて、あの後いろいろありまして、現在私は、以前活動していた村に戻ってこっそり生活しています。新型コロナで全世界の協力隊員一斉退避!となってから1年半待った結果、やっとこの地に戻ってくることができました。

実は戻ってきたのは3か月前なのですが、9月にラオスに来てから2週間隔離、隔離中に大規模なクラスターが発生してロックダウン強化、そこから1か月半、当初の予定にはなかった首都生活をしていました。

その間は「食」という私が一番ときめくコンテンツがそこら中にあふれかえっていたので、自炊は一切していませんでした。ホテル暮らしでもそれなりに道具さえそろえればできたんでしょうけれど、いつ任地に来れるようになるか分からないのに無駄なお金を使いたくなかったのと、フードパンダのプロモーション使って食べてるほうが結果的に安く済むし、市場に買い出しに行くこと自体が感染リスクが高いのでは、とあれこれ考えた結果、フードパンダ依存生活をしていました。

そんなこともあって、任地に来てから久しぶりの自炊が楽しくて、配属先からの帰り道、「今日は何にしようかなー、何食べたいかなー」と考えながら5キロの距離を自転車でえっちらおっちら走るのが日課になっております。

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配属先と家の間には、一か所だけこのような市場があります。お野菜、調味料、魚、肉、虫、色々なものが所狭しと並んでいて、あちこちからお姉さん、お母さんたちが「すーすわいめー」「あおにゃんぼー」「すーにゃんこー」と、響きがかわいい声かけをしてくれます。

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市場には、季節によっては春菊や青紫蘇など、見つけたらテンション上がるようなお野菜も売ってます。ちなみに春菊は「ຜັກຕັ່ງໂອ(ぱっくたんおー)」といいます。こんなにがっつり掴める束で50円ほど。野菜が安くて助かります。

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真ん中のピンクの皿は全部カメムシ、右のボウル・ザルと左のピンクの皿は「水辺の生き物アソートセット」です。幼虫から成虫まで、色々な虫がサポートされています。

ギャァ!!虫!!! ってなりますか?

ラオスはもともと食虫文化がありまして、来る食糧危機に備えて!とか、農村部での貴重なたんぱく源!とかいうよりも、シンプルに食材として美味しいから食べているような気がします。食材のカテゴリに「虫」が入っているだけ。

首都でのホテル待機中も、ホテルのおじさんからバッタを貰って食べましたが、本当にそんな感じで食べるんです。日本で、干し柿もらって食べるような感覚です。あるから食う。うまいから食う。で、前回赴任時も含めて出されたものは食べるスタンスでいましたが、一番おいしかった虫は今のところ「子持ちバッタ」です。結局子持ちはなんでもうまいんですよ、卵は、なんでも、うまいんですよね。

ちなみにですが、先進国では近年、昆虫食が見直されているそうで、日本でも大手メーカーが虫入りのプロテインバー、お菓子などの開発に取り組んでいます。私は上に書いたように、食料危機に備える、また、開発途上国での栄養不足の解消などが主な理由にあたると思っていたのですが、帰国中に聴講させていただいたウェビナーによると、養殖の環境負荷の少なさというのも大きな理由になっているようです。知らなかった・・・。生産量を増やすとか、”美味しい虫”を育てるとか、食中文化の薄い日本人にとっては異次元な話に聞こえるかもしれませんが、将来的には身近なものになっていくのかもしれませんね。

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またちょっと話が反れますけれども、実は、日本に一時帰国している間、今までは家族について行って仕掛けが組まれた竿を投げるだけだった「釣り」を、ちゃんと自分で完結させようと、1万円以下でマイタックルをひと揃えしていました。(ほぼ)尺キス、(釣るのもかわいそうな大きさの)マゴチ、(たまたまキス針に1度に2匹ひっかかったアホな)キジハタ、(引っかかってほしくなかった)タイワンガザミなど、何かしらの釣果があがると素人には楽しいもんで、最初は兄や彼氏と行っていたのに、最終的には一人で朝マズメ→車中仮眠→夕マズメ→坊主帰宅、といういかにも素人釣り人っぽい釣行も何度かやりました。

そしたら今まで見なかったおさかな系Youtuberのコンテンツにも自然と興味が向くもので、「地球遊び」「釣りよかでしょう」「きまぐれクック」「素潜り漁師マサル」「変な魚おじさんの寝言」など色々見るようになり、タックルの研究したり、さばき方勉強したり、、、まんまと釣りにハマりました。

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ラオスに来てからもBGM代わりにずっと見ていて、ほくほくの白身魚が食べたくて仕方なかったんですが、ほくほく白身欲があまりにおさまらないので、市場に行ってやってしまいました。

こちらの赤いヒレの魚は、コス〇コでも売られているらしい、パンガシウス。パンガシさん、この写真撮らせてもらって以来見てないんだよなあ。次回見たら絶対買います。

というわけで、満を持して、ティラピアを購入!ラオ人との食事の場では、結構な頻度で食べているような気がしますが、自分で買って何か作ろうと思ったのはこれが初めてです。恐るべし、おさかな系Youtuberの影響。

何でこんなに動画がぶれている(魚が撮れていない)のかといいますと、私が注文する前に頼んだ別のおじさんのティラピアは、鱗と内臓を取ったあとヒレを落としてぶつ切りにされていまして、そうなると私的には食べるときに骨多すぎてハードモードなので、「あぁぁ・・・お母さん身は切らないで!鱗と内臓だけ取って!!」っていうのを必死で伝えていたからです。

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そしていよいよ、我が家に初ティラピアがやってました。えれぇところ裂かれて、内臓の残りがちょろっと出てるティラピアさんが。ぬるぬるしててとにかく臭いし、骨固いし、尻尾切られてしまってて持つところないから3枚におろしにくいし、包丁全然切れへんしで、結構苦戦しましたが、なんとかさばきましたよ。すごい言い訳ですよね。わかってます。多分堺や関のキレッキレの包丁持ったところで自分の指1本落として終わりです。腕の問題です。

変な魚おじさんぐらい、スムーズに切り身がつくれるようになりたいなあ。変な魚おじさんは、100均の包丁でやってるんだよなあ。

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そして取れたのはこの2枚。ちっちぇ!さばき方悪いし、歩留まりも悪い!(覚えた言葉はすぐ使いたい系ミーハー)刃こぼれしかしていない包丁で切ったにしては・・・どうですか?割と綺麗に皮ひけたと思いませんか?

まあ、ティラピア皮分厚いですからね。あっちにこっちにひっぱってギコギコしても全然千切れませんでしたよ。偉いなティラピア。そこだけは評価する。

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さて、骨抜きなんてもってないので血合い骨のところは大胆にカットしまして、日本酒がないのでとりあえず酢洗いして、塩摺り込んでしばらく放置してみました。そして匂いをかいでみる。まだくせぇ。

琵琶湖生まれ琵琶湖育ち、祖父母と一緒に住んでいたので、例の臭い発酵食品から煮つけ、鯉のあらいなど色々食べて育ちましたが、作る前から分かる、これは「うん、海の白身魚と変わらないぐらい気にならない!」とは、ならない!

貴重な国産片栗粉使って美味しくなかったら腹立つので、市場の隣の商店で買ったタピオカパウダーをうすーくまぶして焼いてみます。同じでんぷん粉やしいけるっしょ。

両面に焼き色がついたところで、あらかじめ作っておいたウナギのタレ風の調味料(みりん、しょうゆ、砂糖を煮切っただけ。酒がほしい)をかけて水分を飛ばして、できあがりです。

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奥にちらっと見えているのは、大量に作ったきゅうりの浅漬けと、さっき鷲掴みにしていた春菊のおひたし。

そして手前に見えまするは、そう、ティラピアの、蒲焼丼です!!!

お味のほどは・・・

食べた瞬間は、蒲焼ならではの香ばしさと、あまじょっぱいタレのおいしさで一瞬テンション上がるのですが、咀嚼とともに「池」または「沼」を感じる味です。きゅうりの浅漬けに柚子胡椒塗り塗りしたものと、春菊のおひたしにかつおぶしどかっとのせたものと、香りが強くて間違いのないものを添えて正解でした。「あっ、くs...」ぐらいでこれらのお野菜を口に入れたらぎりぎりセーフです!

個体差もあるでしょうし、育った場所にもよると思うので、ティラピアが一概にめっちゃ臭い魚だとはもちろん言えませんが、今回食べたのは結構しっかり匂いました。ラオスの人たちが、レモングラスの束口からつっこんで炭焼きにする気持ちが分かった気がしました。

家族が川で鯉釣ってきたときは、数日間真水で飼って泥抜きしてから食べていた記憶があるんですが、同じようにしたらもう少し美味しく食べられるでしょうか。そこまでやってみたいような、一旦別の魚にチャレンジしておきたいような。

ラオカオ(ラオスの焼酎)で臭み消ししてみようか・・・アルコール濃度が上がると他の調味料が日本酒の場合よりも染み込みやすくなるようですが、それも含めて、もう少しリサーチしてみたいと思います。

今回得た一番大きな学びは、「尻尾切り落とすと3枚おろしが地獄」ということでした。次回以降、気を付けたいと思います。

そして、家から徒歩数分のこの川にどんな魚がいるんか...猛烈に気になっているッ!!!


というわけで、今日はラオスの市場事情と初ティラピア調理のお話でした。

おやすみなさーい!

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