ラオ子が選ぶ面白マンガ10選+α

こんにちは、マンガ大好きラオ子です。タブレットを真剣に見ているときはだいたい本かマンガ読んでます。3:7ぐらいの割合でマンガです。それぐらいマンガが好きです。

電子書籍で700冊、実家に置いてきた紙媒体も合わせると・・・、なかなかの量になるので数えませんが、最近読んだ漫画の中でオモローだったものをいくつか紹介したいとおもいます!!


1.古都こと/今井大輔

京都の大学を舞台に、『古都こと―ユキチのこと―』は男性目線、『古都こと―チヒロのこと―』は女性目線で、それぞれが主人公になって同じストーリーが描かれた、内容も、企画自体も面白い作品。

どっちを先に読むかで作品の印象も変わりそうですが、ユキチを読んで、チヒロを読んで、もう1回ユキチを読み直すと、すれ違いがもどかしくて、まっすぐ惹かれ合う二人が甘酸っぱくて、大学生活に戻りたい病を発症します。バイクとライブとバイトで大学生活をおざなりにしていた私には訪れることのなかった、高校生でもない、社会人でもない、大人な子どもの青春物語です。

頭の回転が良くて弁が立ち、常に自分を正当化して生きてきたユキチと、そんなユキチの一言に長年抱いてきたコンプレックスを打ち砕かれ、新しい世界を拓いていくチヒロ。この主人公二人も素敵なんですが、サブキャラたちもそれぞれ魅力的に描き込まれていて、かなり読み応えがあります。特に、チヒロの恋敵の「京女のいけず」感が、たまらなく好きです。

今井さんの作品は私の中で『おやすみプンプン』の作者である浅野いにおさんと同じカテゴリで、良い意味で読後感が悪いのですが(なんか辛い気持ちになる)、この作品はすっきり終わります。すっきり終わらない「ヒル」と、連載中の「ヒル・ツー」は、ありそうでないような、でもあってもおかしくないような、アングラな「闇っぽさ」がクセになります。ぜひ。

2.ゴールデンカムイ/野田サトル

某JICA協力隊モンゴル隊員同期にすすめられてアマプラでアニメを見たら、まんまとハマッていつのまにか原作に手を出し始めてしまいました、ゴールデンカムイ。タイトルからはどんなマンガか全く想像つかず、すすめられるまでは全く興味が湧かなかったのですが、ストーリーを知っていくとめちゃめちゃ面白い。とにかくアシリパさんが可愛いです。

このマンガの舞台は日露戦争直後の北海道。帰還兵、屯田兵、網走に収監されていた罪人たち、元新撰組などなど、アイヌが隠した軍資金を巡って命を取りあう物語です。・・・と聞くと、なんか難しそうだなァ・・・と思ってしまうかもしれませんが、金塊に関わって死んだ父の真相を知るために主人公「不死身の杉本」とタッグを組むことになったアイヌの子「アシリパさん」が本当に良い味を出していて、歴史だけでなく、文化人類学的な観点からも大変興味深い作品となっております。特に、アシリパさんが可愛いです。

今出ている巻まで全部読み終わったころには「リスのチタタプのオハウってヒンナヒンナだよね~」の意味が分かるようになっていると思います。アイヌの精霊信仰や狩猟民族、北の大地に生きる動物たちの習性、極寒の北海道で生き抜く知恵を知りたい人にも大変おすすめです。とにかく、アシリパさんが可愛いです。

このマンガを読むとヒグマの怖さもよく分かります。『シャトゥーン~ヒグマの森~』というマンガを読んだときは「そんなアホな」と思っていましたが、ヒグマは、思いのほか怖そうです。一発でやられるみたいです。

ラオスに来る前、地元のドラッグストアでパートをしていたときに「昨日●●で熊出たんやて。」と言ったら、「ツキノワグマやろ?ヒグマでなかったらどうもあらへんわ」とオバ・・・お姉さんに言われたことがあります。あの人は多分ゴールデンカムイです。

ちなみにですが、アニメ版のシーズン1のOPはMAN WITH A MISSIONのWinding Roadです。最高です。とにかくアシリパさんが可愛いです。ヒンナヒンナ。

3.百姓貴族/荒川弘

北海道の百姓の一族に生まれた作者、荒川さんのエッセイまんが。北海道の大自然を相手にした酪農家の暮らしを「あるある」風に描かれていますが、異世界すぎてさっぱり意味が分かりません。それがまたクセになります。そして、低温殺菌の美味しい牛乳をガブガブ飲みたくなります。

ゴールデンカムイを読んだ後だとヒグマの恐ろしさが良く分かるのですが、そんな動物たちを相手にしながら私たちの食べ物を作っていてくださると思うと、畜産や農産に関わる方々には頭が上がりません・・・。

食物自給率の話や牛乳余剰、バター不足など、酪農をとりまく社会問題についてもライトに描かれていて勉強になりますが、やはり一番面白いのは畜産農家に生まれ畜産農家に育った親父殿をはじめとした荒川家一族の「ふつう」の基準を超えた言動の数々と、あらゆる動物たちに翻弄され続ける日々の暮らし。

牛、馬、鹿、猫、犬、熊、リス・・・いろんな動物が毎回毎回当たり前のように出てくるんですが、そんな状況なかなか出会えません。それを「食べられるか、食べられないか」で判断するあたりが、自然の中で生きている感じがするというか・・・。あ、なんか、ラオスの人に似てるかも。

4.Under the rose/船戸明里

さて、北海道の話から逸れまして、Under the rose(以下アンダロ)はイギリス貴族のお話です。一見美しい家族に見えて、実はドロドロと愛憎や嫉妬が渦巻く、大変、大変しんどいお話です。登場人物が多く、しかも名前が全部英語なので(当たり前)、1回読んだだけでは相関図が見えてきません。数回読んでようやく理解できるようになりました。

アンダロは最初の作品『冬の物語』が完結しており、今はその後の話『春の賛歌』連載中。『冬の物語』は、貴族のもとに生まれ、大人の都合に翻弄される、賢すぎる兄と無邪気な弟の不遇な幼少期について描かれた作品。その後の『春の賛歌』は、その兄弟が母の死後に引き取られた先のロウランド伯爵の屋敷で繰り広げられる、ドロドロ、ばちばち、ぐるぐるの、人間の歪んだ愛と美しさが描かれています。

ロウランド家当主のアーサー・ロウランドと妻アンナ(リッケンバッカー侯爵令嬢)のもとには、アルバート、ウィリアム、グレゴリー、アイザックの4人の子どもが居ますが、それとは別にアーサーには妾が二人居ます。そのうち一人、グレース(キング侯爵令嬢)の子どもが、『冬の物語』の主人公だったライナスとロレンス。もう一人のマーガレット(爵位なし)との間に生まれたのがヴィンセントとディック。と、アーサーには合計8人の子どもが居ます。

ネタバレになってしまうと面白くないので書きませんが、全員何かしらのどろどろを持っているところがこの物語のすごいところ。アンダロの前作でありアーサー・ロウランド死後の話である『Honey Rose』では、最終的にこの兄弟は13人に増えていて、本当にわけがわかりません。冬の物語を読んでからHoney Roseを読むと、その後の春の賛歌を読みたくなります。しかし春の賛歌は未完結ですので、完結するのを気長に待ちましょう。

5.イノサン/坂本眞一

未完結の続編『イノサン Rouge』と共にオススメしたいのが、フランス革命の時代に人々に虐げられながらも罪人の首を撥ね続けた処刑人一族の話。絵のタッチで好みが分かれるマンガですが、私は一瞬食わず嫌いしたあとずぶずぶとハマりました(笑)

当時の処刑は、貴族に不満を持つ民衆たちの娯楽。関節を打ち砕き、臓物をえぐり出し、溶かした金属を流し込んで、最後には首を撥ね、エンターテイメントとして消費される存在であった「処刑」のシーンがあまりにコミカルに描かれるので、読んでいてあまり気持ちが重たくなりませんが、グロが苦手な人には目をそむけたくなる描写も多々あります。どうしてこういうコンテンツにおいて、エロとグロはセットなんだろう・・・。寝る前に読んで、処刑された人に夢の中でうなされたこともあります。辛い。

マリーアントワネットとルイ14世、処刑人のサンソン一族、その他大勢の貴族と、上流階級に不満を持つ平民たちとの、騙し、騙され、はめ、はめられる、そんなドロドロの中、「新しい時代」を勝ち取りたいという強い思いが徐々に民衆を動かしていく、その英雄感がたまりません。

『イノサン』では、サンソン家当主のシャルル・サンソンの、幼少期から慈悲深い処刑人になるまでの様子が描かれ、『イノサン Rouge』では、王家に忠誠を誓うシャルルと兄弟と、その中で唯一、王家に背くかたちで真の平等を得る為に声を上げるマリーの、ときに反発し合い、ときに処刑人一族として生まれた定めを背負う者として肩を並べる姿が描かれています。自由と平等をかけたフランス革命裏の立役者たちを取り巻くストーリーが、今後どのように発展していくのか、こうご期待!

6.まいりました、先輩/馬瀬あずさ

がらっと毛色が変わりまして、読んだだけで何かの病気にかかりそうなぐらいの激甘少女漫画です。今まで紹介した作品とは違い、どろどろも、妬み嫉みもない、the☆少女漫画です。

先輩が世里奈の机に書いた落書きをきっかけに急接近して、世里奈がラブアタック。押し負けて付き合うことになった二人の、読んでるこっちが恥ずかしくなるような激甘仕様となっております。

あえてずっと出てこない水川先輩の下の名前を気にしつつ(実はテストの右上にちろっと名前が書いていますが、本編では名前は出てきません)、ちょっと大人な先輩と、一途な世里奈が永遠にイチャイチャし続けるだけの漫画なので、ストーリー自体は普通の学園モノなんですが、読後感は、今まで紹介した中で一番しんどい。

なぜかって・・・、こんな美しい青春、いくらお金を積んでも手に入りませんからね。アラサー女子には毒です。否、猛毒です。お気を付けください。

7.ショートケーキケーキ/森下Suu

猛毒第2弾(笑)

今まで紹介したもの全部完結してないんですが、こちらはつい最近最終巻が出ました!!嬉しいような、寂しいような・・・。終わっちゃったー。

複雑な家庭に育った、血の繋がっていない兄弟の鈴と理久、イケメン読書男子の千秋、そして恋を知らない純粋女子、天ちゃんのラブストーリーです。

天ちゃんがとにかく可愛い。天ちゃんが、とにかく可愛い!!そりゃ理久も千秋も天ちゃんのこと好きになるわ、取りあうわ!!!

最終的には、恋のことも家の事もま~るく収まります。一気読みしたら11巻で泣けてしまう・・・。

森下Suu作品は前作の『日々蝶々』も読みましたが、断然こっちが好きです。日々蝶々は、主人公の女の子の魅力が薄いというか、静かであんまり話さない主人公と寡黙な男の子の話、読んでて途中でしんどくなってしまって。

このマンガを読んで、舞台になった宮崎県の高千穂という場所に行ってみたくなりました。『orange』の聖地(?)である長野県松本市にたまたま旅行で行ったときに「スゲーーー!!」って興奮して、なるほど聖地巡りってこういうことか!と思ったので、高千穂にもいつか行ってみたいと思います。

8.ダメな私に恋してください

『まいりました、先輩』『ショートケーキケーキ』のようなアラサーに対する劇薬とは違い、こちらはアラサーカップルのコメディーマンガ。『ラブ★コン』の作者、中原アヤさんの作品です。

『ラブ★コン』は身長が高い女子とちっちゃい男子の関西弁ラブコメで、声に出して笑いそして何故か泣いてしまう、感情ゆすぶられがちな名作ですが、こちらも会話のテンポは全く負けてません!

大学生に貢いで騙され、一文無しになったアラサーダメ女『柴田』と、その元上司で今はワケあって食堂を経営している『主任』の、ボケとツッコミがテンポ良すぎてすぐ読めちゃう。二人に関わるあらゆる人が、みんなキャラ濃くて魅力的で、誰も悪い人が居ない。なにより、ほのぼの進んでいくストーリーがたまらなく良いです。処刑ものとか、ドロドロイギリス貴族とか、そういう重~~~~~~い話のチェイサーとしても最高です。

ダメ恋の続きの作品、『ダメな私に恋してください リターンズ』も変わらず面白いです。さすが。そして実写化されたダメ恋のキャストもハマり役ばっかりで最高でした。DEAN FUJIOKA、二度と眼鏡外さなくて良いと思います。ごちそうさまでした。

9.虹ヶ原ホログラフ/浅野いにお

言わずと知れた名作『おやすみプンプン』、『素晴らしい世界』、『ソラニン』、そして(読んでないけど)『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』の作者である浅野いにおさん。その中で私が一番好きなのがこの『虹ヶ原ホログラフ』です。サスペンス?SF?メンヘラ?いやもう、何もかもや。全部や。

浅野いにお作品って、どれも共通して、読者を傷つけたがるというか、絶望や皮肉が堂々と描かれる中にほんの少し希望をちらつかせて、最後はやっぱり裏切る感じがあります。

この話は、何回読んでも伏線を回収しきれないぐらい、時間軸も主人公の視点すらもころころと入れ替わります。そして残るのはヘビー級の「胸糞悪さ」と、「まぁでも、我々の愛すべき世界ってのはそんなもんなんだよな。今日も空が綺麗だなチクショー。」という、なんとも中二病っぽい読後感。全てのコマが暗示的で、何回読んでも新しい発見があり、そしてやっぱり最後は絶望します。誰も悪くないのに誰も幸せになれない、みたいな。そんな話。そして1巻で完結しているだけに、密度が濃すぎて意味がわからない。

ちなみにプンプン、ソラニン、素晴らしい世界もそうですが、設定が細かすぎて理解しきれず、1回読んだだけでは分からない変化がそこかしこに隠れています。ゆえに、読めば読むほど味が出ます。スルメマンガ。

10.はたらく細菌

最近のなかで一番の、ラオ子的ドツボ。腸内細菌や表皮の常在菌を擬人化した、ちょっと賢くなるマンガです。擬人化マンガってなんとなく食わず嫌いしていましたが、自分が興味ある分野だとこんなにすんなり読めるものなんですね。

これを読むと、「ごめんね、お肉ばっかりで!ちゃんと食物繊維とオリゴ糖とるね~~~」と自分の腸に向かって話しかけたくなるぐらいには、細菌に詳しくなります。ドラッグストアで働いていたときに読んでいたかったです。そしたら、もっとやさしい説明ができたのではないかと。

1巻で一番勉強になったのは、胃酸でも死なない、熱湯でもマイナス100度でも死なない、最強の納豆菌は、腸内に留まる力は無いということ。へえ~~~そうなんや!!と声に出して納得しました。だから摂りつづけないとダメなんですね、納豆。任地にはもちろん納豆なんて存在しないので、ザ・ガードコーワ整腸錠α3+を飲むようにしています。アメーバに負けない腸内環境作っていこうぜ~。

そうそう最近、JICA協力隊の先輩隊員(理科教員、養殖、小学校教諭だけどカメムシ博士)という濃すぎる3人と集う機会がありまして。私と同期2人であらゆる生き物のことを質問しまくるという大変有意義な飲みだったのですが、そこで色々話を聞いてから、同じ作者の『はたらく細胞』が気になって仕方がありません。一気に全部買うと破産するので、徐々に、攻めていきたいと思ってます。徐々に。

+αなマンガたち

10選から外したけどおすすめの漫画たち。

『さよならミニスカート/牧野あおい』

本当は一番女の子で居たい女の子が、男性に傷つけられたことをきっかけにスラックスを履いて学校に通う、という、10年前は絶対なかったであろう作品。問題定義は面白いし、「女子の目」「男子の目」がうまく描かれていますが、展開がジェットコースター的というか、出てくる女子たちのテンションがアラサーにはあまりにしんどい。

『コレットは死ぬことにした/幸村アルト』

先におすすめした『参りました、先輩』に次いでアラサー女子の猛毒になる、ゆるゆるほんわか純愛マンガ。神様と人間が恋をするという非現実的設定なのに病気になるほどキュンキュンします。

『ちはやふる/末次由紀』

誰もが知る名作だし、あえてすすめるほどでもないので外しました。あと何巻で完結するんだ一体・・・。千早はどっちとくっつくんだ・・・。

『この音とまれ!/アミュー』

ちはやふる系、青春文化部マンガ!アミューさんは絵がとっても綺麗です。音楽という目に見えない題材を扱っていますが、その表現が素晴らしい。音はもちろん聴こえないのに、聴こえるような気がしてしまうから不思議。

『青楼オペラ/桜小路かのこ』

両親を殺され武家を取り潰された女の子が吉原遊郭に潜入して仇を探すうち、同じく元武家の若旦那と出会って恋に落ちるー・・・というお話。10巻でようやく大きく動きましたが、これから先どうなっていくのかまだまだ目が離せません。若旦那かっこいいー!

『僕と君の大切な話/ろびこ』

『となりの怪物くん』で私を泣かせたろびこさんの最新作。ただただほのぼのするだけの、ギャグ・・・ではなく少女漫画。系統は『セトウツミ』っぽいなって勝手に思ってます(ごめんなさい)。

『椿町ロンリープラネット/やまもり三香』

『ひるなかの流星』の作者やまもり三香さんの最新作。イケメン作家とピュアJKが同棲し、人間に興味が無さそうだったイケメン作家が徐々に心を開いていくー・・・という、少女漫画ならではの設定のほんわかラブストーリー。ひるなかの流星のどんでん返し感がたまらなく好きだったので、どうやって終わるのか期待してます。家族が紙で買ってる作品なので、日本に帰ったときにまとめ読みです。わくわく。

『バガボンド/井上雄彦』

言わずと知れた名作!・・・・いつ新刊出すん?

以上!

気になったのがあったら買ってみてね。

こんだけすすめといて何ですが、私ひとにすすめられたものにはあまりとっつかないタイプです。でも新しいものに出会ってみたい気持ちはあるので、「これは面白い!」っていうのあったら是非教えてください。できれば数巻で完結するやつ・・・。

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