ハンス・クリスチャン・アンデルセン原作「赤い靴」⑵/カーレンの慢心と欲:堪能しない残酷な精神
奥様は、カーレンが堅信礼で赤い靴を履いていたことを、皆から聞いて知り、「それはよくないことだし、またふさわしくないことだから、これからは教会へ行く時には、たとえ古いのでも構わないから、必ず黒い靴を履いて行くように」と言い聞かせました。
その次の日曜日は、聖餐式(せいさんしき)の日でした。カーレンはまた赤い靴を履いて教会へ行きました。王女様の靴とそっくりな赤い靴を履いたカーレンの心は、自分が王女様になっているかのようなのでしょう。教会の入口に、びっくりするほど長く赤いひげを