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ラジオから学んだ 『生理』 について。身体で何が起こっているのか?社会ではどういう影響があるのか?


このnoteは、あるラジオ放送がとても勉強になったので、いち身体の考察屋として多くの人に知って欲しい内容だと感じたのでシェアするために書きました。

聞きながら調べながら絵を書きながら内容確認しながら書いていたら、もう2週間前。汗

ただ、内容は時事的なものではないので、恐れずにアップします。


2019年6月25日(火)放送のTBSラジオ、荻上チキ・Session-22 【特集】「いまこそ学ぼう、生理の話」高尾美穂×西本美沙×荻上チキ


ラジオクラウドというアプリで聞けます。(radikoの放送期間は過ぎちゃいました。汗)

バックグラウンド再生に対応しているアプリなので、ぜひみなさんに聞いて欲しいと思います。

https://nhsw9.app.goo.gl/qE8R
#ラジオクラウド #TBSラジオ


なお、ゲストの産婦人科専門医/スポーツドクターの高尾美穂さんと、生理にまつわるサービスを行う「ランドリーボックス」編集長の西本美沙さんの画像は、

『荻上チキ・Session-22』番組のHP:https://www.tbsradio.jp/383338 にあります。


※追加
生理にまつわるエピソードを面白おかしくでも真摯に描いている漫画「生理ちゃん」。
この漫画の存在は知ってましたが、ラジオを聞いた後に読むと、分かりみが深かったです。

漫画[ツキイチ!生理ちゃん]
https://omocoro.jp/matome/113450/
※ラジオを聞いた後に読むのがオススメです。



まず、このnoteを書こうと思った理由から。


このラジオのことはFBで知り、生理についての専門的かつ実践的な説明を、第一線で活躍されている高尾美穂先生の言葉で聞きたかったから、というのがありました。

しかし聞いてみるとそれだけではなく、ライターの西本美沙さんがいることで、

生理について世間の人がどう考え、どんな印象で、どう向き合っているのか?という世間の話が同時に展開され、

日本社会における生理にまつわる事実と課題を立体的に学ぶことができました。


一方で『そもそも生理とは?』などの質問の部分が、音声情報だけではイメージしにくい(解剖学の知識がある程度ないと視覚化しにくい)と感じたので、

その補足ができれば、なんて僭越ながら思ってしまったので、書いてみたいと思いました。


コトの発端は、学校のプールの時間に生徒が先生に生理の日数を職員室で報告させられた、というニュースから

<01:10くらい>


この件は先生の対応のデリカシーの問題と生徒の人権問題なのでしょう。

興味深かったのは、この話から発展して『女性同士でも生理の情報の情報交換は意外と無い』という話でした。

まあ恋バナと違って面白くないですものね。汗


しかし、余計に一般男性からしてみたら全く見えない話ですよね。
学校の授業では、男女を分けて女子だけに教えているのですから。

余談ですが、この辺りからすでの未来の「旦那は家事・育児を手伝わない」資質を生んでしまっているな、と感じます。


女性の身体のことについて「よく分からない」のは実は女子も同じなようですね。

「自分の身体の中で起こっていることを分かってない」

なんて、文字で書くとダメな気がしますが、

いやいや身体の中で起こっていることを全部分かっている人は世の中に誰一人いませんからね。


それはトレーニング法やダイエット法の有象無象が溢れかえっている現状を見れば瞭然です。

誰も分からないから「◯◯ダイエット」などが次々に出してくるんですね。



生理とは?

<14:15くらい>


産婦人科医でスポーツドクターの高尾先生の説明は、正確なんですが、いきなりラジオでは難しかったように感じます。

このあたりは聞き手の知識がどれくらいかを把握していないと説明が難しいとご本人も自覚されているようでした。

こういうのって、出演者のみなさんが手探りで作っていくのでしょうね。

「生理という現象は、どうやって起こるのか?」

高尾先生はこう説明されてました。


排卵をして、妊娠が成立しないと生理がくる


分かりますかね?

これで理解できた方は、どんどん進めてもらって大丈夫かと思います。

そうでない方向けに、がんばって絵を書きました。


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まず、女性ホルモンの中で一番重要な『エストロゲン』がピークを迎えると排卵が起こります。

排卵とは字の通り「卵が出る」。
すなわち妊娠できる唯一のチャンスです。


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そして、妊娠したかもしれない準備を続けるホルモン『プロゲステロン』が赤ちゃんが乗るためのベッド=子宮内膜を維持します。

そして妊娠していないことを子宮が察知すると子宮内膜が剥がれ、

剥がれた時に起こる出血と共に排出されるのが月経、つまり生理です。



生理が始まるタイミングとジュニアスポーツ選手問題

<16:30くらい>


生理が始まる日本人平均は12歳。

日本の産婦人科学会では、18歳までには初潮を迎えていてほしいというガイドラインがあるそうです。(世界的には15,16歳まで)


なお、運動している人は15歳までに来ることが望ましいとされているそうです。

これは、生理が来ないということが身体に与える影響が大きいということです。


特にジュニアアスリートにとって生理が来ないことは、先に書いた女性ホルモンの『エストロゲン』が皮膚や筋肉、血管、骨の育成に関わることから、身体づくりに深刻な影響を及ぼすそうです。

今では脂肪細胞から作られる『レプチン』というホルモンが生理を起こすことが分かっており、またBMI(体重指数)が17.5~17.7を超えないと生理が来ないそうです。


つまり、パフォーマンスを向上するためにたくさん運動することが、

『体重と脂肪の増加を抑制』してしまうと、

生理が来ず、身体の発育に悪影響を及ぼし、結果的にパフォーマンスが上がらない、という結果になってしまうということです。


このあたりは、選手、指導者、家族の関わる全員の基本的な知識が足りない状態が問題とのこと。


子どもの肥満も社会問題になっていますが、痩せすぎも問題であることも認識したいですね。


生理痛や月経前症候群(PMS)などで病院へ行くべきか?

<20:40くらい>


生理周期は個人差があるらしく、教科書的には28日とされていますが、実際はもっと幅があるそうです。

月経不順が続き、なかなか来なかったとしても『自分はゆっくり』なくらいの気持ちを持つことをオススメしていました。

ただ3ヶ月生理が来ない場合は希発性月経から『無月経』となり、病院での受診を勧めていました。


生理前症候群や生理痛に関しては、ホルモンが実際にそう身体に影響を与えるから、どんな症状が出るのか、ということを具体的にお話ししていて、とても勉強になりました。


なぜ生理前にむくむのか?便秘がちになるのか?頭痛が起こるのか?

これら、原因は実は同じだそうです。ぜひ聞いてください。


生理に関わる体調の変化は、言い換えれば『排卵が起こったサイン』なのだな、と理解することが大事ですね。


これらは生理周期が巡っている証拠。

体調の変化、メンタルの影響、調子が良い時期は人それぞれ。

観察して、ぞれぞれの理由を探すことが大切だそうです。



社会的な問題。生理休暇/ピル/他者への理解/Femtech(フェムテック)

<27:00くらい>


生理に関する悩みや痛みは人それぞれ。

自分とは違う経験をしている人がいる、という理解が大事です。


生理痛が辛くて生理休暇を申請する人を、生理がそんなに辛くない人が疑問に思ってしまうことや、

運動現場において、特に女性指導者が自分自身が通ってきた道だからこそ、選手への理解をしにくい状態にある、などのお話をされてました。


生理痛の対処法についての話の中でピルの話題もありました。

ピルが何でできていて、どう利用して、どんな効果があるのか?

女性の身体に大きく関わるからこそ、ちゃんと知っておきたいことでした。


また、テクノロジーによるサポートも始まっているようです。

Femtech(フェムテック)といって、女性の性に対する問題についてテクノロジーで解決しようという動きも起こっているようです。

Femtechについて、まとまっている記事をネットで見つけたので参考に。
https://www.buzzfeed.com/jp/badge/femtechjp



男性と女性の身体の仕組みの違いを知ることは、お互いにとってとても重要だと考えます。


なぜから人間のマインドは身体に影響されることがとても大きいからです。

毎月、生理による痛みや体調の変化や処理の手間などを掛けている女性と、

基本的に年中一定の身体状況にある男性で、心の状態が同じなわけがないわけですよ。


男性が女性を理解するには、

「風邪を引いたり献血をした後のダルさ」や「自分を嫌な気持ちにさせる/できれば避けていたい人」が、

毎月『強制的に』やってくる状況くらい、想像することだと思います。

まあ、そもそも『生理が嫌なもの』という先入観を持つのが良くない、という論点もあるかと思うので、完璧な策ではありませんが。


男性にとって生理に関する知識は当事者意識を持つのが難しいことなので、定期的にこういう話題に接して、自分なりの知識や考えをアップデートし続けることが大事だと思います。
(でなければ、ウッカリ忘れてしまうかも知れませんから)


とにかく男性としては、女性の身体のことを知り、想像する/慮る姿勢を持つことが、世界平和につながると思います。

男性も女性も、相互理解、深めていきたいものですね。

アスリートでもなく、マッチョでもない、一般人視点って大事だと思うんです。 なかなか運動の第一歩を踏み出せない人に、身体、筋トレ、ヨガ、その他フィットネス界隈のことについて、日々の気づきをシェアすることで、何かしらのヒントやキッカケになれば幸いです。