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DJソフトの人気3大メーカー。Serato、rekordbox、Traktorの音の傾向を検証してみた。

DJソフトで著名なSerato、rekordbox、Traktorの音の傾向を検証してみました。この音の傾向、一般的に言う音質とは別物と考えて下さい。実際問題、全く同じデータの数値・波形でも全く印象の違う出音の音楽は山のようにあります(感じた事ある方も多いはず)なので、データ上では同じとか、波形がどうとか、そういった音楽的ではない話には触れません。どのように聴こえたのかを中心に検証します。
個人的には人間の耳の能力には個人差があり聴こえる音が一人一人少し違う気がします。これにより好みが分かれると推測しています。辛いとか甘いとか味に深みがあるとか数値では表せない味覚に近いと思います。その時の体調にも左右されるでしょう。
間違った解釈・結論を出している可能性も高いので、鵜吞みにせず参考程度にして下さい。音の好みは千差万別です。人前でDJして少しでも良い音で聴いてもらいたいのは皆同じ気持ちです。最後は自分の納得出来る方法と耳で確かめて下さい。

検証ソフト①Serato DJ Lite➁rekordbox 6➂Traktor DJ 2
※経験上ライトバージョンで十分検証出来ます。
検証場所は自宅の音楽制作部屋です。

まず、自分の意見としてですが、結論から申し上げます。

Traktor > Serato >> rekordbox

第一印象ですが、これで間違いないです。
音楽のジャンルや好みによっては

Traktor = Serato >> rekorbox

この2パターンだと思います。

理由や特徴も含め軽く解説していきます。

①Traktor
流石はNative社、DTMで音楽制作してる人は全員知っている超一流メーカーです。特徴は音のバランスが良いのと劣化が少なく音像が大きく聴こえました。只、ソフトの普及率は高くなく現場でトラブル可能性があるのと、独特な操作で合わない人には合わないです。音楽制作系の音がしますから、素っ気ない・飾り気のないツマラナイ音に感じる人もいるでしょう。

推奨ジャンル:無難にどれでも合います。強いて言えば4つ打ち系全般、テクノ、ハウス等

➁Serato
少なくとも国内でもっとも普及しているDJソフトだと思います。中低域(100~400hz付近かな)が強調されると同時に高域はやや荒れます(更に音に少し立体感があり1000hz付近のトランジエントが強調されてるかもしれません※専門家ではないので予測です)Traktorと比較すると劣化し音像が小さく感じます(人によっては音の密度が高いと言う人もいるかもしれません)只、この特徴はベース帯域を強調したいジャンルにはハマります。何かパッション(熱量)とパンチ(音の強弱)があるので現場向きな印象ですね。HipHop等で支持される理由だと思います。

推奨ジャンル:とにかく現場主義、中低域に熱量や魂が必要な音楽、ヒップホップ、ベース系音楽全般

➂rekorbox
検索すると評判が良く期待値が高かったのですが、完全に期待外れでした。音の傾向はSeratoを真似したのでしょう。只、近年のスマートフォン等での再生を狙ったのでしょうか、ボーカル帯域が妙に強調されるので空間のある部屋、現場ではリアリティに欠けて鬱陶しいいと感じるジャンルもありそうです。逆にスマホを中心にリスニングされる方はクリアーで良いと感じるかもしれません。ソフト自体を外注でSeratoの物真似(要望付き)で創ってもらった印象でした。ソフト開発の歴史も浅いですから今後に期待しましょう。

:推奨ジャンル:J-Pop、アニソン等クリーンな音楽、スマホで再生する人

このような印象ですが、では、どうしてこのような傾向が出るのでしょう。ソフトのプログラムが違うからと言えばそうなんですが。敢えて深読みしていくと、出力で音割れしないように出口にリミッター、マキシマイザーが掛かるようにしていると予測しました。リミッター、マキシマイザーとはコンプレッサーの一種で音を圧縮させる機能があります(レコードのDJと交代する時に音量であれ?と思ったことありませんか?平たく言えばあの音量差※厳密には音圧差です)少し難しい話になりますが、帯域毎に掛かるマルチバンドコンプレッサーを使用しているのでしょう。これにより帯域バランスが変わります。コンプレッサーは種類によってキャラクターがありますので色合い・印象も変わります。TraktorとSeratoに関しては好みでしょうが、rekorboxはかなり落ちると感じました。理由は何度も書きますがソフトウェアの開発力ではないかと予測します。パイオニアは商品戦略的にスマホを意識したでしょうし、更にこの手の開発経験値も少ないのでしょう。音の傾向とは関係ありませんが、SeratoのPitch 'n Time、Serato Sampleを制作で使っていた事があります。ピッチ修正の制度は断トツです。世界中のDtmerがNative社の音源(特にKontakt)なしでは制作出来ないレベルです(自分は使わない派ですが)Serato社やNative社はソフト開発の歴史、蓄積されたソフト音楽への理解度・経験値が違うのではないかと推測します。


読み返すと、rekordboxをディスっている気がしてよくありませんのでフォローしておきます。自分は制作時のDAWは最弱音質と評判のFL Studioを使っています。以前は最高水準のPro Tools使っていたんですが、なんせバグが多い上に動作が重く1年の1/3はまともに動きませんでした。Windows/FL Studioに変更してから一度もおかしい挙動なく快適に制作出来ています。

実際、音の傾向なんて所詮微々たる差で、まずはご本人の環境で最適に動く事、自分のプレースタイルに合う事等を重視しましょう。音の傾向は最後のオマケでよいと思います。

(総評)

あれやこれやと人気3大DJソフトの音の傾向を言いたい放題書いてみましたが、機能的にこれが使い易いとか、これがないと困るとか、DJする現場ではSeratoが多くて交代が楽とか、ミキサーとの相性がとか、現場ではパイオニアのCDJにUSB刺してるとか、個人個人DJソフトの使い方は違うでしょうし、求める理想も違うでしょう。微々たる音の傾向差などは気にせず優先すべき事項を優先すれば良いと思います。
所詮、DJソフトはDJする為の只の道具に過ぎませんので、自分自身と相性が良い物を選ぶのが良いと思います。

最後に、自分の話になりますが、最近SeratoのSL4を売りました。次は何を使おうかなと研究しましたが、このままSeratoでいこうと思います。大好きなラッパーJoey Baddasが1番良く聴こえたんですよね。Boom BapにはSeratoのパンチと熱量が必要でした。使い慣れている上にSeratoのピッチ修正は信頼しています。

(追記)
想像よりも沢山の方に読んでもらえて賛否出そうなので追記します。

①環境:PC直、AIF、ミキサー、DJコントローラー等の接続なし(純粋にソフトの音の傾向を知りたかった。機材を通せばDAC等の色が付くので)各ソフトのGain Volumeは合わせてあります。

➁再生機他:JRiver Media Center、Windows meida Player、スピーカー2種類、ヘッドホン2種類、イヤホン2種類。他再生機器は趣味で沢山保持してるので色々と視聴。


正直、日記くらいのつもりで書きました(DJ仲間にメールで送って読んでね程度で考えていました)DJソフトユーザーの一意見だと思ってください。諸所不満を感じる方は、ご自身が完璧だと思うセッティングで、納得いく検証をご自身の耳でして頂ければと思います。

間違っていると思うのであれば、正しい情報を発信して頂けたらと思います。ソフトで便利になって以降、世間のDJへの見方も変わり、何が凄いの?的な意見もよく聞きます。「楽」も学ぶ事は大事だと思いますが、DJ皆さんの「音」への意識が高まれば世間的な価値も上がると信じています。DJは音楽に精通しててかっこいいプレーをする存在であって欲しいと思います。少なくとも自分はそこを目指してやっています。

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