12月13日:日誌「刀剣男士作成ルールについて」

近況

初めまして。Larusです。
先日ようやく7版を入手したため、コンバート作業に取り掛かる前にルールブックを読み込んでいるところだったりします。

私自身、TRPGも好きなんですが、クトゥルフ神話の世界観そのものについても大切にしたいなと思ったりしています。そのためにはまず、知ることから始める必要があるかな、と思うので、焦らずぼちぼちやっていきます。

雑記

TRPGに限って言えば、私はクトゥルフ神話よりはトーキョーN◎VAやネクロニカの方が馴染みがあります。クトゥルフ神話も遊んだりしますが、中々好みのシナリオもなければ、クトゥルフ神話TRPGのコンセプトである「コズミックホラー」について、そこまで熱狂的ではありません。

好きですが、それだけをやってきたわけではないので、人によっては反感を持つ方はいるのかなと思います。ただ1つ言いたいのは、何か一つそれだけを遊ぶことだけが「好き」の形ではないということです。

私は刀剣乱舞の設定が好きで、同好でもある私の友人から、クトゥルフ神話TRPGで刀剣男士を使ってみないかという話を頂きました。
昨今、CoCにおける刀剣男士作成ルールは有志の方々の作られた素晴らしいものが沢山あります。そして当時、確かに面白い試みだと感じて、私は、先達の方々の作成ルールを使って友人と卓を囲むことになります。
しかし次第に違和感を覚え、モヤモヤした気持ちを抱えるようになりました。私は刀剣男士をクトゥルフ神話に適用することに対して積極的にはなれなかったのです。

刀剣男士は、人間にどれだけ近しくともその本質は人間ではありません。そしてその事実は、クトゥルフ神話TRPGのメイン要素である人知外の脅威に対する無力感を帯びた本質的恐怖、「宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)」を楽しむというコンセプトから外れる、言わばレギュレーション外の遊び方ではないでしょうか。キャラクター作成ルールを自分自身で作成している今でも、それに対し無視できない葛藤があります。

さて。
様々な先達の作品がある中で、なぜ新しく刀剣男士作成ルールを作ったのかという話になりますが、単に「私が納得のいく刀剣男士PCを作るためには必要だった」ということに尽きます。

どうにも、既存の作成ルールでは刀剣男士はあまりにも「人間的」過ぎるように思います。長い時を過ごしてきた(或いはそう思っている)彼らが、果たして単一の死を過度に悲嘆するものでしょうか。別れを何度も経験してきた彼らは、喪失ひとつに希望を失うほど弱い存在なのでしょうか。

そうですね、分かりやすく強い言葉を使いましょう。
刀剣男士に、人が理解できる程度の力しか存在しないのであれば、そもそも、刀剣男士など時の政府には必要ないではありませんか!

刀剣男士は、人の形をした武器だと考えています。人間にはけしてなり得ない異形。

刀剣乱舞の世界において、歴史そのものを改変する、個人ではどうすることもできない災害のような強大な力を前に、時の政府は「刀剣男士」と呼ばれる人知外の異形を使役することで対抗しようとしています。
つまり、刀剣乱舞の世界において、人類は「刀剣男士」を使役し、宇宙的恐怖に対抗する手段を得ようとしているのです。

私が人間的過ぎることについて違和感を持つのは、それは上記の刀剣男士の存在意義にすら反する要素なのではないかと思うからです。
人と同じでは刀剣男士が特別必要とされる特異性はなく、そして、(現実世界での意義がどれだけあったとしても)刀剣乱舞世界における社会的意義はないのです。

まあ、私個人、このように気になりだしたら止まらない面倒な人間ではあります。細かいことを気にせずに楽しめば良いと人は言うかもしれません。それもそうです。単なる趣味なのですから。

……ですが、考えてもみてください。その問題を解決した上で、更に上を行く脅威が現れた時の絶望感は、正しく「コズミック・ホラー」と言わしめるものではないでしょうか。
人を凌駕する精神性と能力を持った刀剣男士ですら対抗できない、圧倒的脅威を前にすることができたのなら、「ホラーゲーム」というジャンルにおいて、凄く面白い試みだと思いませんか?

私はそう思い至り、自身の発想への興奮に手に汗握りながら、次の瞬間にはPCへ向かいキーボードを叩いていました。

刀剣乱舞世界という価値観の中でのリアリティを追求した上で、クトゥルフ神話的面白さを発掘する。その作業に、ただ、ただ、狂ったように時間を費やしていました。

刀剣男士のステータスをデータ化し、その能力の分布と相対差を分析し、神話生物の能力と見比べながら能力分布と立ち位置を考察し、新しくデータに書き起こす。書き起こしたデータをテキスト化、先達の作成ルールを参照し、ルールの体系として過不足がないか見比べ修正する。
そして最終調整として実際に戦闘やダイスロールの試行を行い、ゲーム体験として違和感がないかを確認し、疑問を感じれば適宜修正していく。

膨大なデータを前に生活の余白全てを費やしたあの時の私は、思い返せば狂気的と言ったほどに没頭していました。

そして、友人と遊ぶために作成ルールを作り、共有しやすいようにnoteを残しました。
私が、たった数人の友人と遊ぶためだけに作った自分の解釈を元に構成した刀剣男士作成ルール。それが全ての始まりです。

現在、第7版用のルールを作成しているのには、友人と遊ぶ上で必要に駆られたというのに加えて、別の理由があったりします。また、ルールの全体公開についてもまた一悶着あったのですが、それらについては、また機会があれば。

まあ、この文章から察して余りあるほど、私は面倒かつ扱い辛い人間なので、今でも親しくしてくれる友人には大変感謝しています。
偏屈な人間ではありますが、私の趣味と執念の産物が誰かの目に留まり、役立つことがあるのなら幸いです。

Larus

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