見出し画像

意味がわからない。

謎の生き物だった。
夢の中に凄く嫌な人が出てきて、イライラして目が覚めた。トイレに行ってもイライラは消えない。まだ深夜一時過ぎ。もう一度、寝直そうと布団に潜っても、嫌な言葉を思い、感情を怒りで満たすような状態が続いた。たかが夢なのにだ。
その人は現実でも嫌な人なのだが、今感じているのは夢の中の出来事。それでも腹が立つし、こんなに無駄な時間を過ごすのは物凄く嫌なのに、止まらない。
そんなことの後は、なんだって失敗に成り下る。
止めたはずのない目覚ましも、果ては、明日の休日出勤までも嫌なことになってしまう。

「何だろう?」。それが最初で、一番綺麗な感情をだと思う。それだけ感じていれば良かったのに、2つに分裂した。
「何だろう」、面白い。
「何だろう」、嫌だ。
それから、ずっとシーソーゲームをするんだ。互いを楽しませる遊びか、同時に対極を生み出す危険な技術か。
良いことに名前が付けば、悪いことが必ず生まれてしまう。嫌なことを定めないと幸せが感じられないから、取らなくてもいいバランスを気にして、捨てたくないものをどんどん捨てている。そして、それが気持ちが良いことに気がついた人は、その行為に新しい名前を付けるんだ。
名前で溢れた世界を、人間だけが笑って過ごす。これから先も、きっとそうなるから仕方がない。

誰かが、「人間」と名前をつけるから、謎の生き物で居られなくなった。
だから、ぼくは音を聴くことにする。
音に意味はないから。
音だけは、意味がなくても存在していられる「謎」だから。そんな謎の側に、今は居たい。

頂いたサポートは、知識の広げるために使わせてもらいます。是非、サポートよろしくお願いします。