見出し画像

メディア(その1)〜肩を張らずにフランス6

今でこそインターネットそれも光ファイバーが日常になったが、フランスに来た当初はPC自体が出回っていなかった。年がばれるが(ばれてもいいけれど)Windows 95さえ市場になかった。

平成に変わって間もない時期なので、情報手段としては電話(線付き)、テレビ、ラジオが存在するだけだった。道のあちこちに立つ公衆電話。ブラウン管テレビの12型を愛用していた。Dartyで買ったラジカセは現在も現役で活躍することがある。何しろ日本から持ち込んだカセットテープが300本以上あって、今でも貴重な資料として聞き返すことがあるからだ。

どれから話そうか?

ホームシックを感じることはなかった。むしろ独立生活に憧れていた。それでも実家との連絡を取ることは一つの楽しみだった。

あの時代まだ、普通に手紙を書いて送っていた。行き来した書簡は保管してある。それから月に一度公衆電話から電話した。Télécarte100を100フラン(2500円)で買い、10分間だけ話をした。実家に留守番電話の機能がなくて良かったと今になって思う。

余談になるが、今でも初めて実家から着いた小荷物の中身の一部は覚えている。味噌ラーメンとカレールー。今でこそフランスでも(うちの街でも!)手に入るようになったラーメンとカレー。当時は飛び上がるほど嬉しかった(余談の余談になるが、現時点では味噌ラーメンを入手することは非常に困難になった。コロナ以降の衛生規制で食品がフランスに入りにくくなってしまったため)。

テレビとラジオは耳慣らしのために持っていた。
テレビも部屋にいる間はほぼつけっぱなしにしていた。バラエティ番組、日本のアニメ、ドラマ番組、映画、それから勿論ニュース。
率直に言ってフランスのテレビは面白くない。面白くしようと思って作られていない。当時民放は2局、公営が3局だった。本当に面白くない(2回言った)。

現在はどうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?