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久々のマスタークラス〜肩を張らずにフランス175

 「忘れてた、ごめん」と言われながら先週頼まれたマスタークラスの伴奏。やる気はなかったけどその日は空いていたので(休みの日なんで当たり前)やらざるを得なかった。

 ご存知の方はご存知だろうが、マスタークラスというのは著名な演奏家から授業を受けられる貴重な機会。今回は前日コンサートのあったヴァイオリニストに翌朝のTGVまでの時間を割いて来てもらえた。

 生徒は3人。一応うちでは上級コースの生徒たち。

 急な話だったので3人の内1人とは合わせることもできなかった。あとの2人とは1回だけ合わせた。

 以前にも何度となくマスタークラスの伴奏はやってきた。なのでどういうものかは知っている。実は伴奏の必要はほとんどない。
 
 最初に通しで1回弾くくらいであとは細切れな授業となる。伴奏はしているがあまり弾いている実感がない。生徒にしても出来上がった曲でなくても特に問題にならない。

 このレベルの先生の目と耳は驚くほど細部にこだわるので、例え数小節しか弾かなかったとしても30分1時間の授業になってしまう。

 「弾く」という意味では伴奏には大して面白い機会ではない。生徒にしてもどこまで理解しているのかはなはだ疑問だ。

 マスタークラスの美味しいところは、こういった授業を間近で見られること。間近といっても聴衆からの距離ではなく1mほどだから細かいところまで全部見えるし聞こえる!「はは〜なるほどそんなことをしているんだ」と目から鱗の情報がてんこ盛り。生徒よりむしろ先生の方が教わることが多いんじゃないかと思う。

 久しぶりに高等音楽院レベルの授業を垣間見ることができた。

 こんな授業をこんな間近で2時間も受けられて、何か得した気分になった。

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