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Chômage technique「開店休業」〜肩を張らずにフランス107

10月に入って1週目も終わる。秋休みが2週間後に迫ってきている。

新学期が始まって1ヶ月以上が過ぎたにも関わらず生徒が来ない。いや、全くないわけではない。上級クラスの生徒が一人だけいた。ヨーロッパ学生オーケストラとやらのコンクールがあるということで、この2週間は2日に1度合わせ練習をしていた。

不思議なのは今週に入っても他の生徒が来ないこと。普通なら1ヶ月も経てば何かしら出来上がるものなのだが、今年は一体どうしたというのだろう?長年やってきたが、ここまでないのは珍しい。毎朝のように事務に電話でその日のスケジュールを確認しても何もない。まるで避けられているかのようだ。

何もないと出かける意味がないので家にいる。準備しなければならない作品もない。完全に「開店休業」。上の人間がどう思っているかは知らない。仮に出てこいと言われるなら出て行くことも吝かでないのだが、言われないこともわかっている。なぜなら伴奏という仕事の特殊性を一応理解している(はずだ)から。

ない時にはとことんない。反対にある時にはあり過ぎる。そんな状況で「ちょっとストップ!」と言えなくなることもある。

具体的にはまず12月の3週間。クリスマス前でもあり9月の新学期から十分時間が経っているので生徒も先生も準備ができている。この時期は発表会ラッシュとなる。

それから学年末の4月5月6月。この時期は以前に何度も話したように学年末試験のラッシュで息を付く間もなくなる。

ヴァカンス明けの2週間はどのヴァカンスをとっても暇にならざるを得ないが、今年の9月は生徒のできあがり方が異常に鈍く感じる。気候変動に伴って生徒のモチベーションまで下がったということでもないだろうに、一体どうしたというのだろう?

ここで愚痴を言っても始まらない。仕事がないのなら自己投資をすればいい。

ということで夏休みから現在まで、これまでにはやらなかったような純粋な練習と暗譜に時間をかけている。体の良い暇つぶし。自己満足にもなっているので一石二鳥。

夏休みが明けて9月は暇だろうな〜くらいに思っていたのが想像以上だった。

まあ黙っていてもそのうち忙しくなるので、今は自由な時間を満喫することにするかぁ…

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