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とぶまえに、はしろう。

またしても懐かしいものを落札してしまった。
グンゼの「おっとっとちびっこシリーズ」の「とんだれこーど」だ。パッケージを見ればお察しの通り、ホンダアコードのパロディーというかダジャレである。
当時は気づかなかったが、箱をよく見ると小さな文字で「このモデルはホンダアコードをマンガ化しました」と書いてある。
マンガ化とは…。
言わんとすることは分かる。つまりコミカライズと。でもまぁ当時のユルさだと思えばこれも愛嬌。

でもモーターライズって言葉を僕は当たり前に使ってた、というかプラモデルで知った言葉だ。
モーターがシャーシの上に載っかってるイメージで "Motor Rise" だと思ってたけどね当時の僕は。
でも実のところは「モーターによって動力化された」という意味の "Motorized" だと知ったのは、モータリゼーションという言葉を覚えた後だった。
なのでモーターライズよりもモータライズと表記した方がネイティヴ発音に近いと思う。

このシリーズでは他に「愛の誓いライン(スカイライン)」や「ヨタクリーナー(トヨタカリーナ)」などがラインナップされている。
のちにヨタクリーナーはのちに名称を変更したが「与太」という言葉があまりよくなかったのかな?
おっとっとシリーズを詳しく解説してあるサイトを見るとその名称を変更するたびにキレ味が鈍ってきたように思える。

当時価格は100円だったが、僕は"コレクション"するほど豊かではなく、どれを買おうか迷っていた。
当時R30型スカイラインはモデルチェンジしたばかりで大人気だったが、いわゆるチョロQ風のデフォルメとしては今風に言えばそれほど"映えない"車種だったし、愛だとかなんだを気恥ずかしく思ってた小学生でした。(それはあまり今も変わらないな)
かと言えば一方で、車検通らなさそうな…とまでは言わないが実走しなさそうな現実味の薄いキョーレツなアレンジも好みではない。
なのでこんなシリーズなのにもかかわらず無難な「とんだれこーど」を選択していた。

落札した「とんだれこーど」が届いた。
何十年ぶりの再会を果たしたそれは、想像以上に箱が小さいなと思った。てっきりこのシリーズはゴムタイヤとプルバックゼンマイが入ってるキットだと思ってました。

パーツはランナーに並んでいるし、パーツをはめこむダボ穴はあるけどあくまでもスナップキットではなく接着剤を使用するし、マークもシールでなく水転写デカールなのは、それがトイではなくプラモデルであると主張していている感じが嬉しい。

しかしフロントウインドウとリアハッチウインドウはスモーククリヤーの別パーツだけど両サイドウインドウは肉抜きされてなく、箱側面を見るとその浅いモールドの窓もタイヤも黒で塗装してくださいと指示がある。


Mr.カラーMr.カラーMr.うすめ液…といった具合にMr.ホットであたたかチョー!な程のミスター攻勢に、さすがグンゼ産業(現クレオス)だなと、当時幼心ながらに圧倒された。
いづれ別項で書くと思うが、初めてタミヤのプラモデルを買ってもらったとき、組立説明書にタミヤカラー(パクトラタミヤ)やタミヤセメントの指示攻勢にも圧倒された。
同じプラモデルなのになぜお互いに縄張りはってるんだろう…って。

しかし当時の僕は、友人がコレクションしているロボダッチの色とりどりの成型色に夢膨らませてたほどのピュワな小学生で、プラカラー(瓶)すら持ってなかったので、ホイールもタイヤも黄色成型のまま組み立ててた。
油性マジックで塗ると却って汚くなってしまうのよね。しかしこのとんだれこーどは、チョロQのように走らせたりもできなかったので、そのままシリーズの他のラインナップまでには食指が動かなかったのかもしれません。

だけど今度はタイヤもきちんとカーボン色に塗って、ディスプレイながらに今にも走り出しそうな雰囲気を出せるように作りたい。

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