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ゆるゆると法律のことをメモがわりに書きます

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学資金・所得区分・必要経費該当性〜大阪高判令和5年7月26日の検討〜

はじめに司法修習生が国庫から受ける修習給付金(裁判所法67条の2)の課税上の取扱いについては、国税不服審判所令和3年3月24日裁決(以下「本件裁決」)が納税者の主張を斥けた後、大阪地裁・大阪高裁にて争われていました。 当該事案は、令和4年に第一審判決(納税者敗訴。以下「本件第1審判決」。余談ですが裁判長はヤフー事件の調査官です。)、昨年7月、控訴棄却判決(以下「本判決」)が出されていましたが、昨年12月に上告不受理決定により納税者敗訴の大阪高裁判決が確定するに至りました。

    • 租税法アップデート(2023.8)

      国税庁「令和5年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)の掲載(8月4日) 「源泉所得税の改正のあらまし(日アゼルバイジャン租税条約)」の掲載(8月4日) 令和5年中に相続等により取得した原子力発電所周辺の避難指示区域内に存する土地等の評価について(法令解釈通達)の掲載(8月10日) 消費税法基本通達の一部改正等について(法令解釈通達)の掲載(8月10日) 「消費税法基本通達の制定について」(法令解釈通達)の一部改正(案)に対する意見募集の結果につ

      • 租税法アップデート(2023.7)

        国税庁「令和5年中に相続等により取得した原子力発電所周辺の避難指示区域内に存する土地等の評価について」の法令解釈通達(案)に対する意見募集の結果について(7月3日) 確定給付企業年金の選択一時金の課税関係について(7月4日) 相続税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)の掲載(7月4日) 相続税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)のあらまし(情報)の掲載(7月21日) 輸出証明書システム操作マニュアル変更について(7月7日) 酒のしおり(令和5年

        • 租税法アップデート(2023.6)

          国税庁「消費税法基本通達の制定について」(法令解釈通達)の一部改正(案)に対する意見募集(6月1日) 変額個人年金の支払期間中にその一部が一時金として支払われた後の当該年金の必要経費の計算方法について(文書回答事例)(6月5日) 令和5年分の基準年利率について(法令解釈通達)の掲載(6月12日) 財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)の掲載(6月12日) 国税庁保有行政記録情報を用いた税務大学校との共同研究に関する有識者会議第5回有識者会議(6月13日)

        学資金・所得区分・必要経費該当性〜大阪高判令和5年7月26日の検討〜

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        • 租税法ノート
          4本

        記事

          租税法アップデート(2023.5)

          備忘用として、租税法・財政法の新着情報をまとめてみました。やれる限り続けてみようかなと思います。 国税:国税庁・財務省、 地方税:総務省、 政策税制・調査:経産省 その他:税制調査会、裁判所 あたりで、まとめていければと思います。 国税庁「個人の方が株式等や土地・建物等を譲渡した場合の令和5年度 税制改正のあらまし(令和5年5月)」の掲載(5月12日) 令和5年度法人税関係法令の改正の概要の掲載(5月18日) 「契約書や領収書と印紙税(令和5年5月)」の掲載 「印紙税

          租税法アップデート(2023.5)

          同時履行の抗弁権の存在効果の相殺阻止効についての若干の疑問

          はじめに大変ご無沙汰しております。このnoteもだいぶ放置していましたが、あることを書きたいと思い、再開しました(租税法の方も近いうちに再開します)。 というのも、民法・要件事実論を学習する中で自分ではわからなくなってしまったことがあり、読者の方に質問(or問題提起)をしたくなったのです。 そういう意味で、今回の記事は、何か自分なりの主張を書くものではありません。 私の問題提起の要点は最後に書いています。 なお、この文章の問題意識は、私の友人の1人の示唆によるところが大変大き

          同時履行の抗弁権の存在効果の相殺阻止効についての若干の疑問

          司法試験「租税法」の見取り図(所得税法編)

          司法試験「租税法」のうち,所得税法の理解がマストであるということは既に書きました。(参照:「司法試験「租税法」では何が聞かれているのか」) 今日は,所得税法学習の骨格を紹介して,見取り図を描いてみます。 これは,同時に,このnoteの見取り図でもあります。 所得税法に関する問題を解く際には,この見取り図のどの部分を聞いているのかという点を意識すると,学習の現在位置がわかっていいと思います。 見取り図租税法は,課税の法律です。 課税とは,ざっくりいえば,国が国民から金銭を徴収

          司法試験「租税法」の見取り図(所得税法編)

          なぜ私は租税法を選択したのか

          私がなぜ租税法を選択科目として選択したのかについて書きたいと思います。 選択の理由は主に3つです。   1.ロースクールで勉強していて楽しかった   2.対策がしやすい   3.法律家として必須の知識 そして,租税法に選択を躊躇させる幾つかのポイントについてもコメントします。 勉強していて楽しかった私が租税法に出会ったのは,学部時代に受けた講義でした。 世の中で行われる経済活動に課税が付き纏うこと,課税のありようによっては経済活動ひいては国民経済に重大なインパクトをもたらす

          なぜ私は租税法を選択したのか

          司法試験「租税法」では何が聞かれているのか

          司法試験「租税法」って結局のところ,何が聞かれるどんな試験なんでしょうか。 出題範囲,出題の形式等のイメージを掴んで,租税法へのモヤモヤを解消しましょう〜! (この記事のポイント)  1.「所得税法・法人税法・国税通則法」が出題範囲だが,所得税法がマスト  2.出題にはパターンがある 今日は,司法試験「租税法」の特徴について。 出題範囲出題範囲は,所得税法・法人税法・国税通則法の三つということになっています。 ここで強調したいのは,3つが均等に出題されるわけではないという

          司法試験「租税法」では何が聞かれているのか

          自己紹介

          はじめまして。ざわざわと申します。 これからゆるゆると法学関係の文章を書いていきたいので,ご興味のあるからは斜め読みしていただければと思います。 簡単な経歴自分の経歴を簡単に説明しますと,法学部から都内ロースクールに進学したのち,司法試験に合格しました。 なぜnoteを始めることにしたのか自分の経歴はロー生としては至って平凡です。 一点だけ他人と違う点があるとすれば,司法試験の選択科目で租税法を選択し上位で合格したことです(一桁順位合格)。 個人的には租税法は面白いと思

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