司法試験・民法択一の解き方

※ 本記事は、旧司しか受験したことのない筆者が、今の司法試験を全体的に検討することもなく、ほんの軽い気持ちで、旧司のテクニックを使って今の民法択一にトライしてみた、というものです。そのため、的外れなところもあるかもしれません。あらかじめご容赦ください f(^_^;

受験時代(旧司)の解き方が今でも有効か気になったので、試しに、平成29年の司法試験のうち、民法択一を2問だけ解いてみることにしました(うち1問は同年の予備試験でも出題されていました。)。
実務でよく取り扱っていて、今でも受験時代と同じように基本がしっかり身に付いているテーマということで、第19問(予備試験では第8問)と第20問を取り上げてみます。

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〔第19問〕
債権譲渡に関する問題。誤っているものの組合せを選ぶもの。

パッと見て文章の短いア又はイから検討。今回は一番短いイを検討してみた。 

イは基本から確実に正しい(◎)と判断できる。したがって、イを含む選択肢1と3は絶対に正解にならない。 

残る選択肢のうち、複数の選択肢に登場するものはウ(選択肢4と5)とオ(選択肢2と5)なので、そのどちらかを次に検討する。今回はオを検討してみた。 

オは基本から確実に誤り(××)と判断できる。そうすると、オを含む選択肢2と5のどちらかが正解ということになる。 

そこで、次に、2に含まれるアか、5に含まれるウを検討してみる。今回は短いアを検討してみた。 

アは基本から確実に誤り(××)
と判断できる。

よって、正解は確実に選択肢2ということになる(そのため、ウ・エは一切検討しない。)。

上記のとおり、私の受験時代の解き方というのは、要は、ガチガチに固めた基本から正誤を瞬時に判断するとともに、消去法を駆使することで、最短距離(最低限の検討)で確実に正解にたどり着こう、というものです。
本問で正解にたどり着くまでに要した時間は、わずか45秒でした。

ちなみに、アから検討した場合は、以下のようになります。

アが基本から確実に誤り(××)。そうすると、アを含む選択肢1と2のどちらかが正解である可能性が高い。 

そこで、次に検討すべきは、1に含まれるイか、2に含まれるオということになるが、ここでは、アからより遠いオを検討する。 

すると、オも基本から確実に誤り(××)と分かる。 

よって、正解は確実に選択肢2ということになる(そのため、イ・ウ・エは一切検討しない。)。

これだと、解答のスピードは更に上がるので、30秒もかからないかもしれません。
ここで、なぜイではなくオを2番目に検討するかというと、アとイの両方が「基本から確実に誤り」と判断できる確率が低いからです。
なぜ確率が低いのかというと、それは、仮に、そのような問題を作ってしまうと、受験生の多くはアから順番に検討するため、誰もが自然と最短距離で正解にたどり着けてしまい、問題が簡単になり過ぎてしまうからです。
もちろん、常にそうだ、ということではありませんが、問題を解く際には、上記のように、アから律義に順番に検討していくよりも、飛び飛びで検討したほうが解答のスピードは上がります

あと、大事なこととして、基本と消去法から確実に正解となる選択肢を選べた場合は、残ったもの(上記ウ・エ又はイ・ウ・エ)は絶対に検討してはならないということ。
その理由は、(1) 検討することで時間が余計にかかってしまうことと、(2) 残ったものの中に正誤の判断がつかないものがあると、悩みが出て、それまで基本から確実に正誤の判断ができていたものについてまで、その判断を疑うようになってしまうことにあります。特に、(2)の事態に陥ってしまうと、一度検討したものを再度検討する羽目になり、徒に時間をロスしてしまいます。
「残ったものも検討して、自分の答えが合っているか確かめたい。」と思う気持ちは分かりますが、優先すべきは未解答の問題を解くことです。また、私の解き方だと、絶対に時間が余るため、全問解いた後に戻って見直すことが可能なので、特に問題はありません(しかも、既に全問解答済みであることから、落ち着いた気持ちで再検討できます。)。
※ 言わずもがなですが、普段の勉強で過去問を解く際は、アからオまでを全部検討して、その全てについて正誤の判断が瞬時にできるようにしておく必要があります。そのため、消去法で答えが出てしまわないように、選択肢は隠して検討すべきです。このように過去問を解くと、わざわざ肢別本を別に買う必要はないと思います。

〔第20問〕
債務引受に関する問題。正しいものの組合せを選ぶもの。

パッと見て文章の短いアから検討。 

アは基本から確実に誤り(××)と判断できる。したがって、アを含む選択肢1と2は絶対に正解にならない。 

残る選択肢のうち、複数の選択肢に登場するものはエ(選択肢4と5)とオ(選択肢3と5)なので、そのどちらかを次に検討する。今回はエを検討してみた。 

エは基本から確実に正しい(◎)と判断できる。そうすると、エを含む選択肢4と5のどちらかが正解ということになる。 

そこで、次に、4に含まれるウか、5に含まれるオを検討してみる。今回は短いウを検討してみた。 

ウは基本から確実に正しい(◎)と判断できる。 

よって、正解は確実に選択肢4ということになる(そのため、イ・オは一切検討しない。)。

本問で正解にたどり着くまでに要した時間はやはり45秒でした。
ただ、正直に言うと、実際に解いてみたときは、ウを確実に正しいとは判断できませんでした(債権法改正の知識とごっちゃになりました…。)。実際の解答の手順は以下のとおり。

ウはおそらく正しい(○)と思うが、確実ではない。そうすると、選択肢5が正解かもしれない。 

そこで、選択肢5に含まれるオを検討してみる。 

オは基本から確実に誤り(××)と判断できる。したがって、オを含む選択肢3と5は絶対に正解にならない。 

よって、消去法から正解は確実に選択肢4ということになる(そのため、イは一切検討しない。)。

ウで悩んだことに加え、オを追加で検討することになってしまったので、上記の本来あるべき解き方よりも当然時間がかかってしまいました。それでも、要した時間はわずか1分15秒です。
(なお、上記の本来あるべき解き方で、エではなくオを2番目に検討していたとしたら、さらに早く(約30秒で)正解にたどり着けていたことになります。)

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以上のとおり、私の受験時代の解き方は、知識問題かつ消去法が使える民法択一に関しては、まだまだ現役でいけそうですね。

ちなみに、今回は、2問を2分で解いているから、単純に考えると、37問全部を37分で解き終わる計算になります。
もっとも、平成29年の民法択一には、問題の形式を見る限り、消去法(上記の解き方)が使えない問題が少なくとも4 問ほどあるようなので、実際はもっと時間がかかると思います。ただ、それでも、40-50分もあれば全問解き終わるのではないでしょうか。試験時間は75分なので、十分なペースですね。

(雑感)
旧司では、刑法が知識ではなく事務処理能力を問うパズル問題だったため、可能な限り憲法と民法を早く終わらせて、刑法に時間を割く、という対策が一般的だったかと思います。
そこで、時間短縮のために編み出したテクニック(というほど大袈裟なものではないのですが)が上記の解き方なのですが、科目毎に試験時間が割り振られており、刑法がパズルでなくなった今の司法試験では、それほど有益ではないかもしれませんね f(^_^;

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